TOEICを受験する日本人の数は年々増加傾向にあるが、なかなか思うようにスコアが伸びないと悩んでいる人は多い。それでも英語力に覚えのある人は普通に勉強していれば700点台までは比較的簡単に到達できるものだが、800点となると一筋縄ではいかない。

700点台で立ち止まっている人に特有な問題点と、800点越えのための学習法を解説する。

超えられない人にありがちな悪習慣

まず考えられる悪習慣は「そもそも学習時間をとっていない」ということだ。こういう言い方をすると怒られるかもしれないが、いま一度冷静になって、自分自身を振り返ってみてほしい。たとえ30分でも毎日必ず勉強時間を確保しているだろうか。もし、週末や移動時間にしか勉強していないのなら、800点を越えることは極めて難しいだろう。

そして、「英語の基礎体力(単語と文法の知識)不足を放置している」ということも考えられる。TOEIC受験者の中で「単語と文法には自信がある」と胸を張って言える人はどれだけいるだろうか。単語と文法を押さえることは英語学習の基本中の基本である。これを徹底しない限りは、今のスコアからレベルアップすることは望めない。

最後に、「過去問の研究と練習が足りない」ということもあるだろう。5月に大幅な内容改定があったものの、基本的にTOEICは毎回決まったパターンで出題されることはご存知だろう。このパターンを完璧に理解し、余裕で全問正解できるように準備して、ようやく800点が身近なものに感じられようになる。

800点を超えるための具体的学習法 3つのポイント

1 徹底的な音読で単語を攻略する

単語攻略するためには、徹底した音読で単なる知識を使えるスキルに変えることだ。定評のあるTOEIC参考書『出る単特急 金のフレーズ』(朝日新聞出版)を一冊まるごと音読し、英単語とフレーズをまず脳に焼き付ける。

この参考書はTOEIC講師として有名なTEX加藤氏の著書。過去42回の受験経験での単語メモ、公式問題集、さらには英字新聞などからもTOEICに出る単語だけを集めて作成されたフレーズ集となっている。

このTOEICフレーズを完璧に覚えることで、すべての問題文選択肢のうち、9割以上は理解できるようになるだろう。

2 徹底的な音読で英文法を攻略する

続いて英文法も同様に、徹底音読で身につけよう。高校程度の英語の復習は、わかりやすさで定評のある「高校英文法をひとつひとつわかりやすく」がおすすめだ。

最低でも2回はこなし、別冊の回答英文をリスニングCDを使って暗記するまで聴きこみ音読しよう。

また読解が苦手な人は品詞分解ができていないことが多いので、もう1冊「高校英文読解をひとつひとつわかりやすく」を最低2回はこなそう。丸暗記することよりも、理解することを優先して読み進める。リスニングCDの聴きこみと巻末の「音読用英文の一覧」は音読して暗唱できるようになろう。