米国では子どもや家庭を大切にしてキャリアと両立している管理職の女性が多くいます。結婚しても子どもがいても、国籍も年齢も性別も関係なく常にスキルアップできる環境が整っています。

たとえば、会社の面接で、年齢や結婚しているか、子どもがいるかどうかといったプライベートの質問をすることは法律で禁止されています。履歴書にも写真や年齢を記入する必要はないのです。だからこそ自身の経験やスキル、人柄を見られます。

2014年からニューヨークの金融機関で働いた経験のある筆者が米国で学んだ、キャリアアップに必要な3つの考え方を共有します。

1. 自分に投資する

キャリア・アドバイザーがよく言うことは、「将来のためにお金をどう貯めようか考えるのではなく、どう収入を増やすかを考えましょう」ということ。キャリアアップしている人は常に「自分自身への投資」をしています。

たとえば、学校に戻って学位を取ったり、夜間や週末クラスで資格を取ったりする。趣味を生かした副業をしたり、ボランティアに参加したりするというものです。

私自身、金融機関に勤めていた時代は平日午後5時半まで仕事をした後、火曜日は英語のプライベート・レッスンに通っていましたし、土曜日はオンラインで会計の勉強をしていました。週に1回は副業で英語の記事を日本語に翻訳していました。

この生活を3年間続け、英語力と会計の知識をつけ、会社でもアシスタントからアナリストにステップアップできました。

職場にいた55歳の女性は10代の子どもがいるシングルマザーですが、キャリア変更のために大学の授業を取っていました。こうしたことは米国では珍しくありません。

国籍、年齢、性別関係なく、自分がやりたいと思った時に始めるのです。自分のための投資だと感じた時は、すぐに行動に移すことが何よりも大事です。

2. 信頼できるネットワークを築く

(写真=only_kim/Shutterstock.com)

米国の就職活動では「レファレンス」の制度があります。これは学校や以前の職場の上司に書いてもらう推薦状のこと。その内容が悪いと内定は取れません。そのため、職場で自分を高く評価してくれる人との信頼関係を築く必要があります。

最近大企業では、メンター制度を行っています。これは部署も関係なくキャリアを積んだ上司と部下がマッチングされ、プライベートや仕事の相談に乗ってくれる制度です。私の知人は、メンターに離婚や子育ての相談までしていたほどです。

メンター制度を始め、米国でもキャリアアップ・セミナーや女子会、勉強会などの機会が多くあります。イベントやボランティアに参加してネットワークを広げる人も多く、ボランティアでは医師や元映画プロデューサー、モデルやエンターテイナー、声優などニューヨークならではのユニークな職種の人達と出会うことも珍しくありませんでした。そこで自分を売り込んでネットワークを広げ、仕事を見つけた人も大勢いました。