「これからの金融女性のキャリアを考える女子会」(1月26日開催、ZUU主催)の第2部では、金融機関出身の女性3人によるパネルディスカッションを実施しました。

パネルディスカッションのリポート後編では、野村證券出身でエニタイムズ代表取締役CEOの角田千佳さん、みずほ銀行出身でVIVIA JAPAN代表取締役/MindNET Technologies Ltd. Co-founderの大山知春さん、野村證券出身でエメラダ広報の野澤真季さんの3人が仕事のモチベーションや転職にまつわる心構え、金融女性のこれからなど、今後のキャリアを考えるうえでヒントになりそうなテーマについてお届けします。

仕事のモチベーションは「ありがとう」

(写真=筆者撮影)

くすい: 皆さんは、現在どんなことをモチベーションに働いていらっしゃいますか?

角田さん(以下角田): 私はそもそも自分が好きなこと、やりたいことを仕事にしているので、モチベーションっていう言葉も久しぶりに思い出したくらい、モチベーションを意識せずに働いています(笑)。

ただ、エニタイムズのユーザーさんからの声が届くと、とても嬉しく、やりがいを感じますね。例えば、サービス立ち上げ初期からのユーザーさん(20代後半)が、得意な料理を生かして、エニタイムズで料理代行のお仕事をされ、様々な経験を通して自信がつき、最終的に料理関係の会社を起業されたんです。

そのとき頂戴したお手紙に「エニタイムズをきっかけに人生が変わりました」と書かれていたんです。それがすごくうれしくて会社に飾りました。

大山さん(以下、大山): 私も角田さんと一緒で、お客さまから「この商品を作ってくれてありがとう」という手紙やお菓子をいただいたときはうれしいですね。これは、金融機関に勤めていると、なかなか得られない喜びかなと思います。

くすい: 言われてうれしかったことについて、具体的なエピソードがあれば伺えますか?

大山: 今手掛けているスキンケア製品は、90種類以上の栄養がつまった木の葉「モリンガ」を使っているのですが、それを取り入れてから肌の調子がよくなったという声をいただくことも多くて、それはうれしいですね。

野澤さん(以下、野澤): 会社や事業についてメディアに掲載されると、社員のみんながすごく喜んでくれるんです。私は広報なので、それを目の当たりにするとモチベーションがアップしますね。

野村證券に勤めていたら、たとえ日経新聞に掲載されてもスルーしていたと思います。でも、まだ世の中に知られていない発展途上の会社だからこそ、成長の兆しを皆で喜び合えることが私の喜びであり、原動力ですね。

金融出身女性3人のこれからのキャリアプラン

(写真=筆者撮影)

くすい: これからのキャリアプランについて、ぜひ伺ってみたいのですが。

角田: まずは事業をしっかり育てたいですね。創業から6年のうちに、次世代の働き方や地域の助けになるサービスがたくさん出てきました。世の中が変わってきている実感があるので、引き続きこれらの社会課題を解決するために試行錯誤したいです。

それに加えて、私の原点でもある開発途上の国への支援もかたちにしたいと思っています。将来的には日本以外の国でも事業を展開していきたいので、これまでの経験をもとに挑戦していきたいです。

大山: アフリカにアイデンティティがあるスキンケアを多くの方に知っていただきたいです。あとは、女性がもっと楽しく自由に生きるために、ノウハウを伝えていくサービスも展開できたらと思っています。私は銀行勤務時代に、いつもイライラした顔をしていたのですが、いまでは曜日も全然気にならないくらい充実した日々を過ごしています。

起業については不安もありましたが、今は心から良かったと思っています。そんな自分と同じように悩む人がいたら、参考にしてもらえるように積極的に発信していきたいです。

野澤: 私は広報からIR にポジションを広げて活動していきたいですね。広報の仕事は野村證券に勤務していた頃からやりたいと思って、手を挙げ続けていたのですが、なかなか異動できなかったんです。なので、転職先には最初から「広報をやらせてほしい」とお願いしました。

そして今、広報として経験を積み、会社が大きくなっていく様子も見ながら IR 活動をできたらうれしいなと思っています。その都度、「これにチャレンジしたい」と思うことがあれば、自分の思うままに進んでいきたいですね。