証券や銀行、保険など金融機関で働く20代から30代の女性向けに、「これからの金融女性のキャリアを考える女子会」が1月26日、開催されました。

第1部の講演には、ご近所助け合いアプリ「エニタイムズ」を運営するエニタイムズの代表取締役CEO角田千佳さんが登場。角田さんは、大学卒業後に野村證券へ入社し、サイバーエージェントへの転職を経て2013年に会社を立ち上げた起業家です。

順調にキャリアを築いている角田さんですが、これまでどのように仕事と向き合ってきたのでしょうか? そしてこれから先の人生、キャリアをどのように見据えているのでしょうか?

「ライフワークを見つけるまでの私のステップ」と題した角田さんの講演のハイライトをお届けします。

新卒で選んだのは業界大手の証券会社

(写真=筆者撮影)

角田さんのキャリアに対する考え方の根っことなる部分は小学校時代にさかのぼります。日本人初の国連難民高等弁務官である緒方貞子さんの書籍を読み感銘を受け、「将来は内戦や貧困にあえぐ地域の人を救う仕事がしたい」と漠然と意識するようになったそうです。

その想いを胸に秘め、進学した慶應義塾大学では地域研究に没頭。ユネスコのボランティアに参加するなど、夢に向かってできる限りのチャレンジをし、大学卒業後の進路については「国連の国際公務員になる前に世の中の経済の流れが分かる民間企業で経験を積みたい」と、野村證券に入社しました。

「野村證券はグローバルかつ業界ナンバーワンの企業だったので、ここだったら将来の夢につなげることができそうだなと思ったんです」

証券会社からサイバーエージェントへ転職したきっかけ

証券会社で配属されたのは本店の資産管理部。個人や法人向けに株や債券の売買、投資信託の提案をする営業をしていました。

証券会社で金融を学んだことで、ビジネスが秘める可能性の大きさを実感するようになったという一方、「利益を出すだけではなく、世の中を変えていくビジネスのインパクトの魅力を感じるようになり、自分もゼロからイチを創りたいと思うようになったんです」(角田さん)。

そこで、2年半で退職を決意、次に向かったのは成長著しいIT企業でした。

「学生時代の縁で、サイバーエージェントから声が掛かりすぐに転職を決めました。PR専門の子会社の創業期に参加できることになり、まさに、ゼロからイチを創る仕事でした」

正社員はまだ4-5人という環境で、毎日たくさんの失敗を重ねながらも、充実した日々だったそうです。

「サイバーエージェントで学んだことの一つは、『固定観念にとらわれない自由な発想』、そしてもう一つは『初めて経験することやハードルにも果敢に挑戦すること』です。

一番驚いたのはチャレンジに対する考え方。失敗を重ねながらもそれを経験にして、何度もチャレンジさせてもらえる環境で、「そうした環境から失敗を恐れないようになりました」(角田さん)。