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2019/04/12

給与天引きの所得税はどう決まる?給与明細の超基本の見方

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)
毎月の給料は、働いた日数や残業時間から、税金や社会保険料などが差し引かれた額が支給されます。給料から天引きされる項目の一つに「所得税」がありますが、会社員の所得税は少し特殊な仕組みで納税されています。給与明細の見方とともに、所得税の基本を確認していきましょう。

所得税は毎月の給与から源泉徴収されている

所得は、利子所得や一時所得などその性質によって10種類に分かれています。お給料からは給与所得に掛かる所得税を納めます。

所得税は、会社勤めの人や公務員の人は「源泉徴収」という方法で毎月のお給料から天引きされることになります。源泉徴収というのは、予想される年間の所得から会社があらかじめ税金を差し引いて本人の代わりにまとめて納める方法です。

また、復興特別所得税も2013年1月1日から2037年12月31日まで所得税と合わせて徴収されています。

給与明細の所得税の算出方法

(写真=Nopparat Khokthong/Shutterstock.com)

日本の所得税は、所得が多くなるほど税率が高くなる累進税率となっています。

源泉徴収される所得税と復興特別所得税の金額は、給与収入から社会保険料などの所得控除を引いた後の「課税所得」を、「給与所得の源泉徴収税額表」に照らし合わせて求めます。

具体的な例で見てみましょう。

課税所得を計算する

給与明細の課税所得とは、総所得から各種控除を引いた金額のこと。

源泉徴収の際に控除されるものには、社会保険料などの「所得控除」や、通勤手当などのような「特定支出控除」があります。
 
給料明細書 氏名
就業項目 出勤日数 欠勤日数 有給休暇 代休休暇     差引支給額
19   1   243,276
遅刻回数 早退回数 超勤時間    
1   7  
支給項目 基本給 職能給        
170,000 100,000        
時間外手当 役職手当 家族手当 通勤手当   総支給額
17,000 20,000 5,000 16,800   328,800
控除項目 所得税 住民税   労働組合費 一般財形  
5,450 17,000   3,200 10,000  
健康保険 介護保険 厚生年金 雇用保険   控除計
15,840 2,768 29,280 986   85,524

この例では、課税所得は328,800円-(15,840円+2,768円+29,280円+986円+16,800円)=263,126円 になります。

源泉徴収税額表と照らし合わせる

毎月の給与計算では、社会保険料等を控除したあとの給与と「給与所得の源泉徴収税額表」を照らし合わせることで源泉徴収月額を求めます。

上の例の場合、給与所得の源泉徴収税額表では263,000円以上266,000円未満に当てはまりますので、扶養家族の人数に応じて所得税控除額が決まります。扶養家族が1人いる場合の所得税は5,450円です。

「扶養控除等申請書」の提出のある従業員の場合は「甲」欄を、提出のない従業員の場合は「乙」欄を参照します。「乙」欄に該当する人は、所得税額が割高になっており、年末調整も行われません。複数の会社から給与をもらっていて提出できない場合は自分で確定申告をする必要があるので忘れないようにしましょう。

源泉徴収税額の電算機計算の特例とは

(写真=Mr.Whiskey/Shutterstock.com)

上記の方法で計算した所得税と自分の給与明細の所得税の金額が微妙に違うと思った人もいるかもしれません。「会社に間違われて計算されてる?」と焦るかもしれませんが、それは、給与計算時の特例に適応されているだけの可能性が高いのでご安心ください。

給与所得税の計算は、原則的には源泉徴収税額表によって計算することになっています。しかし、給与計算ソフトなどを使って計算する場合には、税額表の甲欄を使用する給与に限り、財務大臣が定める方法による電子計算機の特例が認められています。

給与計算ソフトでは、段階ごとの税額ではなく、課税金額に対して税額が決定するため差額が生じる場合があります。

しかし、源泉徴収税額表との差額は年末調整によって清算されるので、最終的に納める税額に変わりはありません。

所得税額を確定させる「年末調整」

(写真=PIXTA)

毎月の給与から源泉徴収された税額と、1年間の給与総額に対する税額は同額ではない場合があります。理由として挙げられるのは年の途中で給与の額に変動がある、子の成長によって控除対象扶養親族の数が変わる場合がある、生命保険料控除や地震保険料控除は年末に一度に控除することになっている、などです。

そのため、1年間の収入が決まる年末に納付しなければならない年税額の計算をする「年末調整」が行われます。年末調整によって、すでに源泉徴収によって納めている所得税の金額が決定し、払い過ぎていた場合は還付されることになります。

年末調整には、前職のある人の源泉徴収票、住宅借入金等特別控除申告書、扶養控除(異動)申告書、配偶者控除等申告書、保険料控除証明書などが必要です。

会社員が所得税をお得にするには

会社勤めの人は、年末調整で税金の申告が済みますので確定申告とは縁がないと思っている人が多いと思いますが、確定申告で税金の還付を受けることができる場合があります。

iDeCoやふるさと納税、医療費控除、セルフメディケーション税制、特定支出控除、親が扶養に入れるケース、譲渡損失の損益通算及び繰り越し控除など、該当するかもしれない人は確認してみましょう。

給与明細を正しく読んでお金に強くなろう

会社員は給与天引きで所得税を払っているので意識したことがない人も多いでしょう。しかし、自分が所得税をどのくらい納めているかを知ることで節税意識が芽生えるのではないしょうか。これまで給与明細をなんとなく眺めていただけの人は、ぜひ一度、所得税欄にも注目してみてください。

文・藤原 洋子(ファイナンシャル プランナー)

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