「決済サービス」と言えば、金融のド真ん中だと言える。そのノウハウや実務経験を生かして、先端的な分野のコンサルも行うインフキュリオン・グループではさまざまなキャリアを持つ人に活躍の機会があるようだ。

にわかには、多くの企業が謳う「色んなキャリアの方に活躍の場があります」という標語のように、その言葉は響く。しかし、実際に同社に集った社員のキャリアバックグラウンドは実に多様だ。もともとは玩具店に勤めていたり、大学の助教という教職にあったり、製薬業界でMRに従事していた人までもが勤務しているという。

クレジットカード会社や保険会社でのキャリアを豊富に持つコンサルタントもいることを踏まえれば、多様な文化や知識を持つ人材が集っているといえそうだ。そんなインフキュリオン・グループがさまざまな人材を受け入れている事情を今回は、同社取締役である神沢順氏へのインタビューを通じて探る。

神沢氏は、クレジットカード会社に勤めた経歴を持ち、前職では人事にも携わったことから、インフキュリオン・グループの人事を全般的に支え、組織構築を推進しているとのことだ。

「学ぶクセ」は求められる資質

神沢氏の言葉を早速、紹介しよう。同氏は「一口に、FinTech企業で活躍できる人材とは言っても、コンサル人材と、(子会社の)リンクプロセシングのような決済インフラ、雑誌のカード・ウェーブの編集ではまた違った能力がいる」と話す。

一般的な言い方になってしまうが、コンサルタントにとっては、精細な調査を行うだけではなく、アイデアを出したり思考力を駆使したりする才能が求められる。また決済インフラを運営するためには、定型的な業務を慎重に、間違いなく進められることが評価されるといえるだろう。

その中で、コンサルティングのような非定型的な業務を推進する一方で、同社は変化の激しい環境にも適応できる人材を評価しているという。神沢氏は特に、「学ぶ姿勢」の重要性を強調する。シンプルに言えば、情報や知識を自分から進んでインプットし、どんどんと学んでいく習慣、いわば自律的に「学ぶクセ」を持っているのが望ましいと言えそうだ。

実際に、同社の採用プロセスでも「学ぶ姿勢」はチェックリストの一つ。「いまは何を学んでいるのか」や「いまはどのような事に興味を持っているのか」といった質問を候補者に投げかけ、参考にしているとのことだ。神田氏は「中には、プログラミングを学び、自動で動画を録画・保存するシステムを作ったりマンガを描いたりしているメンバーもいる」と、社員の意外な一面も明かす。

また自律的に学ぶクセを持っているかどうかの判断するためには、神沢氏は「どんな仕事をやってきて、どんな努力をしてきたのか、どんなことを感じて仕事をしているのかということが重要だ」と、基本的な質問を「学ぶ姿勢」という観点から点検し、一緒に働く仲間としてどうか、見極めようとしているようだ。

ただ、実のところ、社長との面接から始まる入社ルートもあることはあるという。しかしながら、こちらは、社長から直接、候補者に声をかけるケースで、理念への共感や仕事への意欲というような定性的に評価される雰囲気がある様子だ。