仕事の成果というものは目に見える数字などの実績もあれば、場を引っ張るリーダーとしての手腕や空気感といった目に見えないスキルをはかるものもあります。

そして、「話す力」は想像以上に、自身の社内評価に大きく関わるものです。そして、年収アップに直結しているスキルといえるのかもしれません。

印象付けは最初が肝心です。ビジネスで勝てる「話す力」を身につけて、さまざまなシチュエーションで自身をアピールしていくために参考になる3冊をご紹介します。

あなたを変え、周りも変える:『「話す力」が身につく本』

1冊目は、『「話す力」が身につく本』(高嶌 幸広著、PHP文庫)。「話す力」にもいろいろなジャンルがありますが、本書内には、“「話す力」があなたを変え周りを変えること”、“決断力や頭の回転がアップすること”などと書かれています。あわせて、具体的にスピーチを作る際の構成・論理のポイントも詳細に説明されています。

ビジネスにおいて、上司・同僚との会話、クライアントへの説明、会議におけるプレゼン、イベントの司会など、話をする機会は本当に多くあります。苦手であるからといつまでも避けていては、会社の中で大事な役割を与えられる機会を逃してしまいます。社内で評価をあげていくということは、自己実現にもつながるのです。

人間関係を円滑に運ぶためにも「話す力」があるのとないのとでは大違いです。そして、「話す力」は、何よりも自分に自信を与えてくれます。

仕事は好きだけれど、とにかく話すこと全般が苦手という方におすすめの一冊です。

チームで実績を上げたい時に:『部下・スタッフが動き出す できる人の話す技術』

2冊目は、『部下・スタッフが動き出す できる人の話す技術』(古川裕倫著、かんき出版)。

この本には、上司と部下のタブー言葉として、「ダメなものはダメだ」ということが記載されています。時間が無いときに部下や後輩からいろいろと提言されると、「時間が無いから、とにかくやって」「ダメなものはダメなの」などと、うっかり言ってしまいがちです。なぜダメなのか、めんどうくさがらずに相手に根気強く説明していく技術は、少なからず部署全体の実績アップにもつながっていきます。

大勢の前で語るスピーチも大切ですが、日ごろ近くにいて一番やりとりをしているであろう部下や後輩との会話は何よりも重要です。この場合の「話す力」とは、流暢さというよりも、自分の希望や指示に対して相手に気持ちよく動いてもらうための伝えるスキルという意味合いがあります。自分も相手の話をよく理解し、そして相手にもよく理解させるというところにポイントがあります。

チームや部署全体のモチベーションを向上させ、実績をあげていくために必要な話す力を強化するのに参考になる一冊です。