仕事をする上でのモチベーションをどう保てば良いのか?やる気が出ない時は何をすれば良いか?働く人のためのモチベーションマネージメントを解説。

(本記事は、午堂登紀雄氏の著書『僕が30代で5億円の資産をつくれたのは、誰でもできるシンプルなことを大切にしただけ。』=かんき出版、2013年8月5日=の中から一部を抜粋・編集しています)

やる気が出ないときにやれることを用意しておく

仕事の生産性を上げるためには、モチベーションを保つことが必要です。

しかし人間ですから、何をやっても乗らないときもあります。そんなときに、ただぼーっとするとか、見たくもないテレビをぼーっと観て時間をつぶすのでなく、どうせやる気がないなら、やる気がなくてもできることをやりたいものです。

たとえば単純作業が効果ありです。仕事中ならコピー取りや伝票書き、経費精算、書類や机の上の整理などを始めると、意外に没頭してしまうものです。

私の場合は、メールの返信をします。返信を全部終えて、それでもやる気が起きないときは、仕事に関連する本を読みます。

それもダメなときは、名刺の整理です。

普段でも月に20~30枚くらい、イベントが重なったときは、月に100枚以上名刺交換しますから、アッという間に名刺の山ができます。そこで、やる気がないとき用に、普段はほったらかしにしています。

さらに疲労の重症度が増すと、デスクの整理や部屋の片づけをする。それでもダメなら、アニメが好きなのでアニメ動画を観る。

そうやって、何もやる気がないときにやれることを準備しておくと、つねに時間を有効に使うことができます。

やる気の貯金をしておく

集中力はあるはずなのに、なぜだかノらない。やる気はあるのに、なぜだか進まない。焦る。自己嫌悪。たまにこういうことがあります。

そこで、普段からやる気の貯金をしておきます。方法は単純です。やる気があるとき、ヘトヘトになるまで徹底的にやり続けておく、ということです。

打ち合わせのあと、なんだか猛然とやる気が湧いてきた。帰りの電車の中で本を読んでいると、猛烈に集中してきた。カフェで勉強していたら、俄然ノってきた。そういうときってあると思います。

そんなときは、後ろの予定を蹴飛ばしてでも延々とやり続けるのです。

打ち合わせのあと猛然とやる気が出てきたら、就業時間が終わり誰もいなくなっても、やり続ける。飲み会の予定が入っていたら、「仕事が延びて」と時間を遅らせてもらう。英会話教室やマッサージの予約はキャンセル。

帰りの電車の中で集中してきたら、そのまま終点まで乗っていく。終点まで行ってしまうと戻りの電車がない場合は、家に帰らず駅のホームのベンチでやり続ける。

カフェで勉強していてノってきたら、閉店まで粘る。閉店になってもまだやる気があれば、24時間営業のファミレスやマクドナルドに移動。そうやって、やる気があるときに徹底的にやることで、やる気がおきないときの分まで「やり貯め」しておくのです。

「やる気のあるとき」というのはお金では買えない貴重な時間ですから、多少カフェ代がかかっても、タクシー代がかかっても、十分モトはとれます。

やる気貯金ができた日が多ければ多いほど、安心してサボれるので自己嫌悪になりません。

「つまらない仕事」だと思う人は、単に自分がつまらない人間なだけ

多くの先人が指摘していることですが、最初から好きな仕事にありつけるのは、ごく少数の恵まれた人です。ですから、はじめはそれほど好きでもない仕事からスタートすることになります。

その仕事にどう関わっていくかが、その後の勝負の分かれ目です。

「これは自分がやりたい仕事じゃない」と斜に構えて手を抜くと、自分の得意分野が見えてくることはありません。

なぜなら、仕事そのものに最初からやりがいが備わっているわけではないので、徹底的にのめり込まないと、その仕事の真髄が掴めないからです。主体的でもなく、責任もとらずという仕事は、自分の成長に貢献しない仕事となります。それはつまり、作業しかやっていない、ムダな時間となってしまいます。

私自身、「ああ、この仕事が好きかも」とわかってきたのは、やっと38歳を過ぎてからのことです。

「そうは言っても、やっぱり今の仕事は面白くない」という人もいるでしょう。でもそれが試金石です。

伸びる人というのは、つまらない仕事でも面白く変える創意工夫ができる人だからです。逆につまらないという人は、「面白くする」という知恵も工夫もない人間だと自ら宣言するようなものです。

つまらない人にどんな有意義な仕事を与えても、つまらない結果しか生み出しません。それはつまり、そもそも自分の頭の中身がつまらないということです。

不安は行動と挑戦によってのみ払拭できる

今年も来年も、そしてその次の年も、そのまた次の年も、激動の年になりそうです。これからの日本も世界も、どうなるかわかりません。

そんな中、言いようのない不安を感じている人も多いと思います。

私も不安がありますが、それ以上にワクワクしています。不安とワクワクを同時に抱えている状態ですが、未知の時代への期待感のほうが大きいと言えます。

なぜかと言うと、私はいつも「挑戦し続けること」を自分に課しているからです。

守りに入れば、不安との戦いです。

お金を守ろうとすれば、リスクを極度に恐れ、発想が小さくなります。

地位を守ろうとすれば、周囲をイエスマンで固め、独裁に走ります。

会社員という立場を守ろうとすれば、失敗を恐れ、新しいことに取り組まなくなります。

たとえば投資の世界では、経験のない人は、損失を極度に恐れます。元本が割れたら大騒ぎします。リスク無く儲けたいという、あり得ない欲望に駆られます。

しかし、つねに投資にチャレンジしていると、リスクのあるところにこそリターンがある、ということがわかるので、一時的な損失は気にならなくなります。

挑戦するということは、当然、失敗もあるでしょう。でも、失敗を経験すると、 「失敗したら何が起こるか」「どういう気持ちになるか」「次はどうすれば良いか」を知ることができます。

たとえば注射の痛みを経験すると、「注射を打つときの痛みのレベルはこんなもの」とわかるので、次に注射を打つときは想定の範囲内で臨めます。

もちろん、これから私たちが生きる世界は、何が起こるかわからない、想像を超えた変革が起こりうる、前人未到の未来です。つまり、誰も経験したことのない、正解のない世界を生きていくわけです。

だからこそ、何が起こっても「想定の範囲内」として対処できるように、経験の引き出しを増やしていくことです。

そうすると、失敗は思ったほど怖くないということがわかりますから、再び挑戦できます。どの世界も、挑戦した人が富を得て、挑戦し続けた人が繁栄するのだと考えています。

「成功の反対は、挑戦しないこと」と言われるゆえんです。

挑戦こそ進化。挑戦し続ければ、変化が恐怖じゃなくなる(もちろん、新しいことに逃げることを奨励するわけではありません)。

旅行は計画を立てているときが一番楽しいと言われるように、そうやって追い続けていくこともまた楽しいのだろうと思っています。