社会人経験を積んでいくと、いろいろな理由で転職を考えるタイミングがあります。そんなときに「ベンチャー企業への転職ってどうだろう」と思う方も少なくないかもしれません。

そこで今回は、ベンチャー企業へ転職するメリットやデメリットと、ベンチャー企業への転職を成功させるためのポイントをご紹介します。

ベンチャー企業とは?

ベンチャー企業とは、ユニークなアイデアやビジネスモデル、独自の技術などをもって、これまでにない革新的な事業を行なっている企業のことをいいます。

実は、「ベンチャー企業」という言葉には、規模や設立年など、はっきりと定められた定義が存在しません。イメージ先行型の言葉ともいえますが、一般的には、次のような特徴を持っていることが多いようです。

・    急成長している
・    ベンチャー・キャピタルや個人投資家などから出資を受けている
・    設立したばかり~10数年程度
・    将来性のある革新的なビジネスを行っている
・    独自技術を持っている

1990年代後半から急速に広がっていったITの進歩もあり、最近では、ほんの数名という小規模で始まったベンチャー企業が、わずか数年で上場できるほど急成長することも少なくありません。

 ベンチャー転職のメリット

(写真=Rawpixel.com/Shutterstock.com)

ベンチャー企業での就業経験は、今後のキャリア形成や人生において非常に価値のあるものとなると感じている人が多いようです。ベンチャー企業への転職には、以下のような多くのメリットがあるとされています。

 一人ひとりの裁量権が大きい

ベンチャー企業は、少数精鋭で事業活動を行うことも多いため、実力があれば、20代で管理職や役員になれることもあります。一人ひとりの裁量が大きく、自由にさまざまなことにチャレンジできる機会が多くあるのは、ベンチャー企業の大きなメリットといえます。

仕事の幅が広い

少ない人数で多くの仕事をこなさなければならないため、部署をまたいで業務が発生することも多くあります。営業事務をやりながら、マーケティングや広報を兼ねるといったことも珍しくありません。部署の立ち上げを任されることもあるでしょう。

幅広い仕事を経験することによって、新たな自分の強みを発見したり、将来役立つスキルを身につけたりすることができます。

 会社の経営者と距離が近い

大企業の場合、面接や入社式以降、社長とほとんど会わないというところも少なくありません。しかし、多くのベンチャー企業では、経営者との距離が近く、同じフロアや隣の席で仕事をしているなんてことも。

役員や経営者とともに仕事をする機会があるということは、自分の成長にも大きく貢献するでしょう。自分の提案や疑問などを経営者に直接ぶつけることができるのも、ベンチャー企業の特徴であり、魅力でもあります。

 ベンチャー転職のデメリット

多くのメリットがあるベンチャー企業への転職ですが、もちろん良いことばかりではありません。転職する前にしっかり心しておかなければならないこともたくさんあります。

倒産するリスク

素晴らしい商品・サービスを生み出していたとしても、資金的に赤字を吸収できる体力がなく、志半ばで息絶えてしまう企業はたくさんあります。

設立間もないベンチャー企業は、市場の動きや競合他社の存在にも左右されやすく、資金繰りも大変。せっかく転職しても、会社自体がなくなってしまう危険性があるということは覚えておきましょう。

会社とミスマッチするリスク

ベンチャー企業に勤めている人は非常に個性豊かです。社長が強烈なキャラクターという場合も多いです。そのため、会社独自の文化ができやすく、合う人・合わない人がはっきりわかれます。

社内の雰囲気に馴染めない人や、自分の想像していた仕事とのギャップに悩まされる人、独特の空気に萎縮してしまい、本来の自分の力が発揮できなくなってしまう人などもいるようです。

収入が減るリスク

創業期・成長期のベンチャー企業は総じて給料が低い傾向にあります。ボーナスがない、固定残業制を採用しているといったところなども多く、転職して収入が減る可能性は大いにあるでしょう。

ただし、基本給は少ないけれど、ストックオプションなど別のインセンティブになるようなものを採用しているところもあります。また、技術職や管理職として転職するのであれば、収入アップを狙えるかもしれません。