「今回の転職、もしかして失敗……?」

「認めたくないけど、明らかに前の会社のほうがよかったかも……」

という経験を持つ人は少なくないでしょう。

今回は転職の失敗事例を見ながら、今後のキャリアをどう築いていくべきかを一緒に考えてみましょう。

転職を後悔しやすい3つの事例

 労働時間

(写真=Monkey Business Images/Shutterstock.com)

新しい職場での仕事がスタートしたものの、ふと気がつくと入社3か月目にして終電で帰宅の日々……。前職より年収は上がっても、「前の会社のほうがオン・オフ分けられてよかった」と思うこともあるでしょう。

「毎日どれくらい残業時間がありますか?」「部署の平均残業時間はどれぐらいですか?」と面接時点で聞ければよいのですが、「残業したくない人みたいに思われると印象が悪いかも」と思って具体的な質問がしづらかったという声もよく聞きます。

なかには「入社して間もないのに定時帰りを繰り返していたら気まずいかも」と考えてしまう人も少なくないようです。

人間関係

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転職エージェントからは「人間関係のよい会社です」と聞いていたのに、いざ入ってみたら全く違った……というのもよくあるパターン。

そもそも、エージェントはそれほど会社内を熟知しているわけではありませんし、採用が決まればエージェントにコミッションが入るので、「年収は上がりますが、人間関係がとてもひどい会社です。どうしますか?」とは言わないでしょう。

自分で求人を探した場合はなおさら情報が少なく、実態をつかむことは至難の技。できることと言えば、インターネットで事前に情報収集をしたり、運よくその会社に勤めている、勤めていた人と会うことができれば、話を聞いてみることぐらいでしょうか。

そのため、入社してから人間関係で悩みを抱えてしまうという人は少なくありません。

 待遇の変化

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待遇というとお給料のことはもちろんですが、昇進の有無やプライベートとの両立をしやすい制度があるかどうかなども重要なポイントです。

「前の会社はお給料はそれほど高くなかったけど、年齢・性別関係なく活躍できる仕組みが整っていたな」とか、「育児休暇をとっている人は少ないし、有給さえもとりづらい。この会社にいる限り、キャリアと結婚・出産を両立することは難しそう」というように、女性の転職では年齢があがるにつれて、お金以外の待遇も重要になってきます。

古い体質の会社だと、男性が女性を無意識のうちに差別している会社もまだまだ多いようです。問題が「会社の体質」となると、それを変えるには相当のエネルギーが必要になるでしょう。

 転職を後悔している人へ。ケース別アドバイス

 やりたい仕事ができない人

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「やりたい仕事ができない」と相談を受けることも多々ありますが、仕事は自分から取りにいくものだということをまず念頭におきましょう。

目の前の仕事に一生懸命取り組み、しっかり成長を見せていれば周りの人が放っておくわけがありません。たとえ誰も見ていなくても、自ら成果をもって交渉することが可能ですし、転職時にはアピール材料になります。

また、もし社内にやりたい仕事がなく、他にやりたいことがでてきたのなら、まずはしっかりリサーチしましょう。

人気の職種や経験が重視される職業では「実績が必要」ということが多くあります。今いる会社で「やりたい仕事」に近い仕事を自ら作り出し、転職に向けて実績作りをするというのもひとつです。

就きたい職に関する本を読んだり、セミナーに出たりすることも手軽にできますし、そこで学んだことを社内外で試してみれば、何かしらの実績につながる可能性もあります。

いずれにしても、「仕事は自分でとりにいく」「なければ作る」というように、「自発的な働き方」ができていれば、どんな会社ででも「やりたい仕事」に近づくことができるでしょう。

仕事の忙しさについていけない人

(写真=Monkey Business Images/Shutterstock.com)

仕事に慣れないうちは体力的・精神的にもつらい期間があるものですが、数カ月たっても状況が改善しない場合は何かしら手立てが必要です。

あなたの仕事の仕方に問題がある場合は、周りの人に助言を求めましょう。

問題があなた自身にあるのではなく、組織や仕事の割り振りなどにある場合もあります。そんなときは「どうすれば自分も楽になり、仕事としてもうまく回っていくか」を考えて、上司に改善案を提案してみるのも一つの手。

例えば取引のある外注業者が多すぎて、コンペ一つ行うにも段取りや調整が煩雑すぎるというような場合、まず外注業者を「実績のある数社に限る」という方法が考えられます。このように、仕事の質を落とさずに仕事量を減らすなどの工夫で忙しさを軽減する努力も必要です。

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ただし、これまでのやり方を変えようとすると、往々にして「今まではこうやってきたのに」という反対勢力もでるものです。改善することでどんなメリットがあるか、という点でしっかり納得してもらうよう、相手の意見を聞きつつより良い解決策を見出したいものです。

とはいえ、「仕事が忙しすぎて夜も眠れない」「疲れすぎて何もする気がおこらない」「理由もないのに涙が出る」というように、精神的な疲れが表れているときは思い切って休暇をとってください。場合によっては「仕事をやめる」という英断も必要です。

前の職場に戻りたい人

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新しい会社に入ってから、「こんなことなら前の会社のほうがよかったな」と思うこともあるかもしれません。しかし、安易に前職に戻っても、結局また同じ理由で辞めることにもなりかねません。なぜその会社を辞めたのかを、今一度思い出してみましょう。

喉元過ぎれば熱さを忘れるとはよく言ったもので、もう限界だ!と思って辞めた会社でも、時間がたつといい思い出がよみがえってくるものです。

よくよく考えても前職に戻ることがベストだという結論に達するのであれば、一度相談してみるのもよいかもしれません。