多くの女性が産後も仕事に復帰したいと思っている一方で、産まれた子どもをどうするべきか不安に思っています。

全国で保育所を運営しているライクグループが「出産と仕事に関する実態調査」を実施したところ、見えてきたのは女性たちの悩ましい姿でした。

前回は「産後も働きたい」女性の根底にある「家計に対する不安」へのアドバイスをしました。後編となる今回は、「産後の職場復帰」についての不安について、ファイナンシャル・プランナー(FP)であり子育て中でもある筆者からささやかながらアドバイスをします。

アンケートの概要

アンケート概要は次の通りです。

  • 調査期間:2017年7月18日~2017年7月20 日
  • 対象人数:500人
  • 対象年齢:20~39 歳。現在働いており、将来子どもを産みたいと考えている女性
  • 調査方法:インターネット調査

産後の職場復帰について不安に思う女性が8割

産後、職場に復帰することに不安はありますか?

この質問に対して、「とてもある」28.2%、「ある」28.4%、「どちらかと言うとある」28.0%と、なんと8割以上の女性が、産後、職場に復帰することに不安があると回答しました。

一方、「どちらかと言うとない」8.6%、「ない」4.0%、「全くない」2.8%と、不安がない人は15.4%でした。

なぜ、産後の職場復帰について不安に思うのか?

まだ子どもを産む前段階でなぜ、これほどまでに不安が生じてしまっているのでしょうか。

不安の中身を聞いてみたところ、「職場の雰囲気に、受け入れられるような気がしない」47.3%、「子どもをどうしたらいいかが不安だ」45.9%と、多くの女性が『自分は職場で再び受け入れられるのか』『子どもはどうしたらよいのか』という2つの軸で悩んでいるという実情が見えてきます。

続いて、「職場の人から遠慮されて、働きづらくなりそう」41.6%、「休んでいる間に、同僚と差がついてしまっていそう」34.5%、「既に出世や昇給の可能性が絶たれてしまっていそう」17.3%、「将来、夫の理解が得られるかが不安だ」9.0%、「その他」1.7%という回答でした。

産後の職場復帰に対する不安について、FPより一言

不安に感じるのは真剣に考えているからこそですよね。これは、準備と根回しでかなり解消できます。

職場には、復帰の少し前に菓子折りを持って挨拶に行っておくだけでも、周囲の反応は優しくなるものです。

子どもには、保育園の他にも、病院などが行っている「病児保育」、地域の「ファミリーサポート」、「子どもショートステイ」など、いざというときに助けてくれる制度がありますので登録しておくと安心です。もし、マンション暮らしなどで引っ越しも可能なら、保育環境の良い地域に住み替えるのも一案です。こちらも、ご夫婦で話し合っておきたいですね。

産後も働き続けるために

育児と仕事を両立させるには、夫や家族との連携が必須です。決して一人で抱えこまないことです。キャリアウーマンは、弱音を言ったり甘えたりするのが嫌いな人が多いのですが、そんな女性の場合は、自分が変わるしかありません。

女性の可愛らしさを武器に(!)夫をもっと頼ったり手助けをお願いしたりする練習をしておくのも良いでしょう!男性も頼られると嬉しいものです。

ただし職場では、多少は厳しく見られることは覚悟しておいたほうがよいでしょう。時短勤務などのカバーは他の人がしてくれるわけですから、間違っても「早く帰って当然」という態度は厳禁です。感謝の気持ちを持つことはもちろん、復帰するからには戦力として努力しなくてはいけません。 だからこそ、夫や祖父母など、家族の協力がかかせないのです。

著者も子育て中ですが、いつか過去を振り返ったときに「大変だったけど、楽しかったね~」と言えるようになりたいと思っています。(出産と仕事に関するアンケート・前後編、おわり)

深川美幸(ファイナンシャル・プランナー)

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