キャリアとプライベート、結婚に家事や子育て…。 働く女性は何かと忙しいもの。 今回は、そんな多様で複雑化する「女性のためのライフプラン」について考えたいと思います。

ライフプランが指すもの

皆様は「ライフプラン」という言葉を耳にしたことはございますか?
もともと、ライフプランという言葉は、主に金銭面の人生設計を指すことが多く、従来はファイナンシャル教育やキャリア教育の一環としてライフプラン教育が行われてきました。

ところが、安倍政権による積極的な婚活支援が開始されてからは、中・高・大学生等を対象に、「卵子の老化」や「妊娠適齢期」など、早期の結婚を推奨するための知識を啓蒙することも含まれてきているようです。

筆者の運営する婚活サロンにも、婚活と同時に、ご自身の人生設計で悩まれている方が沢山いらっしゃるのですが、こういった複数の悩みを持ち合わせている方といいますのは、ほとんどの場合において、男性ではなく女性でいらっしゃいます。

このように、少し複雑にも感じられる女性特有のライフプランについて、少しずつ整理していきたいと思います。

時代の変化と女性のライフスタイル

そもそも、読者の皆様のご両親の時代には、就活・転活(就職・転職活動)、婚活(結婚活動)、妊活(妊娠のための活動)、保活(保育所入所活動)といった悩みは、現代と比べそれほど存在していなかったと考えられるのではないでしょうか。学校や親族が就職のお世話をし、職場や親族が結婚のお世話をしてくれ、流れに身を任せるかのように就職・結婚できたという時代も昔には存在したようですから、現代にいたるまでに巻き起こった「女性を取り巻く社会環境の変化」は大きいと考えられます。

昨今のダイバーシティの推進・女性の社会進出・晩婚化・未婚化は、女性のライフスタイルにおける選択肢を増やす一方で、その選択に伴う自己責任の比率を大きくしているようにも感じます。

キャリアとライフイベントの違い

(写真=getty images®)

数値化や比較がしやすい進路やキャリアとは違い、結婚・妊娠・出産・子育て・介護等のライフイベントについては、いざその時を迎えてみないとわからないことの方が多いのではないでしょうか。

たとえば、結婚の次のステージに来ることが多い「妊娠」について考えてみましょう。
女性の社会進出により、急速に晩婚化・未婚化が進んでいますが、一般的に、高齢に近づけば近づくほど、不妊の頻度が増え、逆に、不妊治療の成功率は下がると言われていますから、妊娠することは難しくなっていきます。

もし、子供を望む夫婦が、本格的な不妊治療が必要となり体外受精や顕微授精を行う場合には、現在の日本の医療制度においては、大卒女性の平均初任給額を遥かに上回る高額な治療費が、治療ごとに(毎月)発生することになります。

こういった高額な治療を毎月続けても、妊娠できる保証はないですし、何より、治療を続けるにつれ、精神的に深いダメージを受けてしまう方が多いようです。

こうしたことは、決して一般的に広く認知されているわけではなく、いざ不妊治療を考えた方だけが、はじめて目の当たりにする現実であるわけです。