Twitter、Instagram、Facebook、LINE、TikTok、note……。世の中にはさまざまなSNSが存在しますが、どのサービスを活用することがビジネスに有利につながるのでしょうか?また、アイコンやプロフィールはどのように設定するとよいのでしょうか?株式会社オプトのソーシャルメディアマーケティング部に所属し、SNSコンサルタントとして活躍されている梅庭由紀子さんにお話をうかがいました。

SNS運用はTwitterかInstagramメインで、Facebookを併用するのが無難?

これから起業やフリーランスとして独立を考えている人にとって、SNSの運用は欠かせない手段のひとつといえるでしょう。しかし、さまざまな種類のサービスがあるのも事実。自身のビジネスに適したSNSを選ぶにはどうすればよいのでしょうか。

梅庭さんによれば、SNSはそれぞれの特性もユーザー層もまったく異なるため、これからどんなビジネスに取り組み、どのような情報を発信するのかによって、役に立つSNSが変わってくるそうです。

梅庭由紀子さん(以下、梅庭): 「Twitterはラフに自分の気持ちを書いていくメディアで、Instagramはクリエイティブがメインのメディアです。なので、起業家やエッセイストであればTwitterが有利、それに対してフォトグラファーやデザイナーであればInstagramのほうが相性がよいでしょうね」

また、Facebookはビジネスの内容にかかわらず難しい側面もあるようです。母体となるFacebook社がInstagramに力を入れているという状況に加えて、Facebookでは発信してもフォロワーに投稿が届かない場合が多いと梅庭さんは説明します。

梅庭: 「Facebookはリーチ(情報の到達率)に制限がかかってしまっていて、たとえば6,000人にフォローされていても6,000人全員には届かない仕様になっているんです。ですから、メインはTwitterかInstagramにして、それと併用するかたちでFacebookを利用するほうが無難だと思います」

もちろん、ブログのように長文の投稿ができるという利点がFacebookにはあります。しかし梅庭さんによると、長めの文章をメインにするのであれば、Facebookよりもnoteを使用するほうが主流になってきているそうですよ。

ターゲットになるユーザーを踏まえて、プロフィールやアイコンを設定する

利用すべきSNSが見えてきたところで、次に気になるのはプロフィールやアイコンをどのように設定するかではないでしょうか。アカウントの“顔”でもあるプロフィールやアイコンの設定次第で、フォロワーが増えたり減ったりすることがあるのでは?梅庭さんによれば、まずは自分のアカウントがそのSNSのユーザーに、どう見られたいのかを整理することが大事なのだそうです。

梅庭: 「最初に、どういう人に自分を知ってほしいのか、どのように興味を持ってほしいのかをクリアにしておく必要があります。そうすると、ターゲットとしているユーザー層にはなにが“刺さる”のか逆算して、自分のプロフィールやアイコンを設定していくことができます」

残念ながら、すべてのSNSやアカウントに共通の“勝ちパターン”はありません。とはいえ、それぞれビジネス上の目的とターゲット層をあらかじめ明らかにしておくことで、必然的に最適なプロフィールの書き方が見えてくるはずです。

梅庭:「たとえばTwitterだと、コミュニケーションが大事な要素になってきますよね。この前、“猫の日”があったんですが、その日だけプロフィールやアイコンを猫関連のものに変更することで、猫好きなユーザーとつながるという事例がありました。状況に応じてプロフィールを変更していくのもひとつの手段なんです」

多くのSNSには検索機能がついているため、プロフィールに記載されたワードが検索でヒットし、フォローにつながるということも数多くあるでしょう。ターゲット層を明確にしておけば、自分のアカウントを“見つけ出してほしいワード”を、あらかじめプロフィールに織り込んでおくこともできますよね。

いま注目のSNSはTikTok!

ビジネスの目的によって効果的なSNSは異なるということでしたが、一方で現在注目を集めているサービスもあるようです。梅庭さんはTikTokがこれから重要になってくるのではないかと注目しています。

梅庭: 「いまはTikTokがキテるなと思います。すでに国内で1,000万ダウンロードを突破したといわれていて、動画がメインのSNSメディアとしては群を抜いてますよね。それに、世間的にはTikTokは若い女の子が遊ぶためのツールと思われているかもしれませんが、実はそれだけではないんです」

TikTokといえばたしかに、女子高生が音楽に合わせて踊る動画をシェアするためのサービスというイメージが強いですよね。しかし梅庭さんいわく、いまでは多くの企業がTikTokに注目しているそうなんです。

梅庭: 「最近、TikTokではさまざまな年代のユーザーに受け入れられるよう、マーケティング手法を変えました。そのため若年層だけでなくより上の年齢層へと幅を広げていこうという流れがあるんです。これからどんどん成長していくSNSメディアとして注目に値するのではないかと思います」