前回に引き続き、今回は20代の方から寄せられた質問に、キャリアアドバイザーが回答していきます。「都会に馴染めない」、「第二新卒は転職に有利?」、「営業職に就いたはいいけれど自分に向いていない気がする…」こんな質問にお答え。
Cinq読者の皆さま、おはようございます。キャリアアドバイザーAです。
慣れない「テレワーク疲れ」がたまっていませんか?
ご自宅の椅子や机が長時間の作業に合っていなくて、肩凝りや腰痛に悩む方も多いと聞きます。
zoomやTeams等で行うオンライン会議は、通常の会議よりも集中力が必要で、ストレスがかかるという研究結果も出ているようです。
そこでおすすめなのが、皆さまよくご存知の「ラジオ体操」です。特に「第一」は血行促進・肩凝り改善効果があることをご存知でしょうか? 1回3分程度ですが、「きちんと」「一生懸命」やってみると意外と効果がありです。ぜひお試しくださいね。
私自身は、取り扱っている領域が「医療介護系」であり、在宅勤務も時差出勤も認められていない勤務形態のため、毎日都心に通勤しています。駅構内の広告スペースが真っ白なところも散見されるようになり、日本全体が非常事態であることをひしひしと感じています。
さて、今週も読者の質問に答えていきたいと思います。先週お伝えした通り、今回は20代の皆様からのご質問です。
Q. どうしても東京での生活に馴染めません。地元に帰ろうかと思いますが、正直仕事があるかどうか不安です。アドバイスをお願いします。
東京に馴染めないのか、今の職場に馴染めないのか、質問者様はどちらなのでしょうね。
以前、「どうしても通勤ラッシュに馴染めないので、地元の福岡に帰りたい」と仰る転職者様のサポートをしたことがありました。その方はITエンジニアだったのですが、「職場環境が我慢できないのではなく、通勤電車が耐えられないんです。駅のホームで並んでいると、わーっ!と叫びたくなってしまうくらい……」と仰っていました。
幸い福岡県はIT企業も多く「クリエイティブ都市・福岡」というブランディングを行っている土地柄。ベンチャー企業の誘致を積極的に行っていますし、大手企業が支社を構えているところも多いため、選択肢が多く比較的スムーズに転職先を決めることができました。
転職者様も「自然の多い地元で、子どもものびのび育てられるし満足しています」と仰っていました。
もし地元に帰るとして、質問者様の地元が、どんな求人ニーズがある土地柄なのかをきちんとリサーチしてから動くことをお勧めしたいと思います。全般的に、求人数でいうと圧倒的に多いのが東京です。
地方への転職は「自分のキャリア・スキルを活かす」に固執してしまうと選択肢が狭まってしまう傾向にあります。地元に帰るのを機に、農業・漁業等の第一次産業への転職を検討する方もいらっしゃいます。自治体の中には、「後継者が見つからずに事業をたたんでしまう」という企業と、転職希望者をつなぐ制度を持っているところもありますよ。
また、住居費や食費等の生活にかかる経費が安くなる一方で、給与も安くなる傾向があることは考慮しましょう。「生活費が安く抑えられるから、正社員に拘らず派遣でも良いかも」という選択をする方もいらっしゃいます。
新型コロナウィルス感染拡大によって、企業側の意識も大きく変わりつつあります。ある程度「通勤してもらわなくても事業がまわる」ことに気付いた企業の中には、今後「毎日の通勤は必要なく、基本的に自宅からのリモートワークでOK」というところも出てくるかもしれません。もしも、質問者様が今所属している会社がこういう方向に舵を切れば、わざわざ転職活動をする必要はなくなるかもしれませんよね。
もう一度、「東京に馴染めないのか」「今の会社に馴染めないのか」をよく考えてみてくださいね。
Q. 第二新卒って転職に有利だって聞いたけど、本当のところどうなんですか?
第二新卒とは、大まかに「一度就職してから3年以内」の人材で、25歳くらいまでのことを指す言葉です。この第二新卒を採用する、企業側の2大メリットを考えてみましょう。
企業が第二新卒者を採用するメリット
①教育コストがかからない
前職で新人研修や経験を積んでおり、基本的なビジネスマナーやネットリテラシーなどのビジネススキルを備えていると考えられており、この「教育コストがかからない」(時間的にも金額面でも)ということはかなり大きなメリットです。
②前職の企業文化に染まっていない=自社の文化に染め直しやすい
ミドルシニア層のように長く社会経験を積んでいると、スキル・技術力は期待できるものの、前の会社での慣習が染みついてしまっていて、周りから浮いてしまうことがあります。
「【前の会社】ではこうだったのに」「【前の会社】ではこうしていた」「【前の会社】では…」だったら【前の会社】を、辞めなきゃよかったのでは? と言いたくなりますよね。
第二新卒はよくも悪くも経験が浅いので、【前職臭】が取れるのも早いし、余計な慣習やプライド等も少なく、環境に溶け込みやすいのです。
つまり、
「新卒の人材のフレッシュさ・柔軟さがありつつも、ビジネスの基礎を備えている人材」として企業は第二新卒に期待しているわけです。ですが、「そうか、第二新卒は転職に有利なのか。じゃあ転職しよう」等と安易に捉えないでいただきたいのです。
第二新卒者がイメージされやすいデメリット
第二新卒の人材に対してよくイメージされがちなデメリットな内容として、
- 根性がなくすぐに会社を辞めてしまった人
- 深く考えずに会社を決めてしまった人
- 転職への心理的ハードルが低く、「次も」すぐ辞めるかもしれない人
という評価も根強くあることを忘れないでほしいです。
転職自体を「目的」にしてしまわないように十分注意してくださいね。