テレワークを導入する企業が増えてきていますが、決まった時間に出社して……というスタイルに慣れた人からすると、急にテレワークを実施すると言われても戸惑ってしまいますよね。そもそもテレワークってなんでしょう?そこでまずはテレワークの基本のキを押さえていきましょう。

テレワークには種類がある

総務省はテレワークを「ICT(情報通信技術)を利用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」と定義しています。ですが一口にテレワークと言っても、いくつかの形態があることを知っていましたか?企業に勤務する被雇用者が行う雇用者型のテレワークには次の3種類があります。

  • 在宅勤務:自宅が就業場所になる
  • モバイルワーク:施設にとらわれず多様な場所で就業する
  • 施設利用型勤務:サテライトオフィスやテレワークセンターなどを就業場所とする こういった「仕事場がどこになるか?」というポイントに加えて、“常時テレワーク”と、一定の曜日や時間帯などで実施する“随時テレワーク”があります。各企業でさまざまな形態でテレワークが導入されています。

    テレワークを指示されたときは、上記の要素を踏まえて具体的にどのような形態で働くことになるのか、確認しておけば行き違いが起きないでしょう。

    もともとテレワークは、1970 年代に交通混雑や大気汚染の緩和を目的として、米ロサンゼルス周辺で始められたと言われています。日本でも節電対策の観点から東日本大震災後、テレワークに対する注目度が一層高まりました。

    ビジネスパーソンにとって「柔軟な働き方ができる」というのはもちろん、もっと広い社会的な視点からもテレワークにはメリットがあるんですね。

    テレワークの導入にはルールの整備も必要

    とはいえテレワークを導入するにあたって、企業側にはいろいろ懸念事項もあることでしょう。まずは「業務の生産性が下がらないか?」ということです。しかし、不要不急の打ち合わせや通勤の負担がないぶん、テレワークのほうが業務に集中できるという意見もあります。

    また、「社員がサボらないか?」と心配する人もいることでしょう。そのためテレワークを導入するにあたり、成果主義の評価システムを採り入れる企業も多いようです。目標設定によっては、社員はサボるどころではなくなりそうですね。

    とにかく生産性についての不安は、一概にテレワークだから悪いということではなく、職場のシステムやルールに変更を加えることで解決できる部分が多いはず。それよりも「チームワークが悪くならないか?」という問題の解決がなかなか難しいかもしれません。

    メールではなくチャットでコミュニケーション促進

    テレワークでもチームワークを密に保つためには、それこそICTの活用が不可欠です。メールなどで報・連・相を欠かさないのはもちろんですが、「Slack(スラック)」や「Chatwork(チャットワーク)」などのビジネス向けチャットツールがコミュニケーションにおいて大いに役立つことでしょう。

    チャットは、メールと違って気軽に送信できるのが魅力です。素早いやり取りができることが魅力なので、メールのように丁寧な冒頭の挨拶を書き連ねていては、逆に「この人のせいで、キャッチボールのスピードが遅れる」と迷惑がられてしまう危険性があります。

    チャットは気軽に送信できるからこそ、ちょっとした雑談もしやすいのがポイント。もしビジネス用チャットで仕事関係のことでしかやり取りしていないなら、勇気を出して、あえて“どうでもいいこと”を投稿してみたり、雑談専用チャンネルを作ったりすれば、テレワーク導入前よりもコミュニケーションが促進される結果になるかもしれません。