日本で最も優秀な若者集団といっても過言ではない東大生はいま、どのような企業に就職しているのでしょうか。東京大学は官僚の養成学校といわれてきましたが、その傾向は依然として続いているようです。ベンチャー企業で働く東大生は果たして少ないのでしょうか?

ここでは東大生の就職先を民間企業と中央省庁に分けて紹介、東大生のベンチャー企業への就職や起業数についても解説します。

東大生の就職先、最新ランキング!

東大生の就職先について、1920年から発刊が続いている東京大学の学生新聞「東京大学新聞」が、毎年ランキング形式で発表しています。この最新のランキングは2018年度卒業・修了者を対象としたものです。まずこのランキングをみていきましょう。

出典:東大新聞オンライン 対象:2018年度学部卒業者

学部卒業者の就職先として、トップ10の中で多かったのが銀行系です。「三井住友銀行」(1位)、「三菱UFJ銀行」(3位)、「日本政策投資銀行」(5位)がランクイン。また総合商社への就職者も例年通り多く「三菱商事」(5位)を筆頭に「伊藤忠商事」(8位)、「住友商事」(8位)という結果でした。一方で中央省庁へ就職する東大生も相変わらず多い傾向です。

人数が多い順に「国土交通省」「外務省」「総務省」「警察庁」「経済産業省」と続いています。このランキングからは大手企業や中央省庁に多く就職していることが分かりますね!しかし、事業規模がまだ小さいベンチャー企業は1年で採用する人数が少なく、こうしたランキングの上位にはランクインしません。

そのため、このランキングのみをヒントに東大生のベンチャー企業への就職が少ないと判断するのは早計です。

実際のところベンチャー企業への就職は増えている?

ベンチャー企業に就職する東大生は、どの程度増えているのでしょうか?

こうした点について数値で明らかにされている調査は見つかりません。しかし就職支援サービスを展開する企業の社長や、東大教授がこれまでに明らかにしている分析によればその数は着実に増えており、東大生の10~15%程度はベンチャー企業への就職に関心を持っている傾向です。

東京大学では、起業やベンチャーについて学ぶ「アントレプレナー道場」があり、2020年度で第16期目に入りました。東大を卒業した先輩起業家による講義も行われており、その影響で就職先にベンチャー企業を加える学生も増えているのかもしれません。このアントレプレナー道場では、チーム制でビジネスアイデアを練り、コンテスト形式で競うプログラムもあります。

こうした経験を積めば、「ベンチャー企業に就職して自分の力を試してみよう!」と考える人も出てくるのは、自然な流れではないでしょうか。