「論理的な思考能力が大事」「もっと思考を深めるべき」……。そんなふうに言われて悩んでいる人も多いのではないでしょうか。勉強ができることと、ロジカルにものごとを考えることとは、まったくの別問題。ではどうすれば、論理的な思考能力が身につくのでしょうか?ごちゃごちゃした頭の中をスッキリさせる方法として“ロジックツリー”が役立ちそうです。

抽象度の高い問題に対する具体的な答えを見つける

ロジックツリーは、問題解決ツールのひとつ。やり方はとても簡単で、まずテーマを書き込んだら、右側に向かって問題をどんどん具体的に分解していく……といっても、これだけではイメージしにくいですよね。

例えば、「もっと多くの仕事をこなす」という解決したいテーマを設定したとします。次に、そのテーマの解決法として思いつく有効な手段をテーマから枝分かれさせて書き込みます。「作業時間を増やす」や「作業効率をアップさせる」などというように。

そこからさらに「作業時間を増やす」→「朝早く出社する」「残業する」「休日中に平日の準備をしておく」など、作業時間を増やすためにできることをそれぞれの枝として分けて行きます。もう一方の「作業効率をアップさせる」のほうも「作業スピードを高める」「無駄な作業はカットする」のように枝分かれさせて行きます。

どんどん枝分かれさせ深掘りしていくうちに、「これなら実現できそうかな?」と感じられる具体的なアクションがいくつか見つかることでしょう。

問題をツリー状に分解することによって、「もっと多くの仕事をこなしたい」のような漠然としたテーマから「上司と相談のうえで、仕事の優先順位を改めて確認する」といった具体的なアクションへたどり着きます。

枝分かれさせていくときに必要なのは、「なぜ?」「どうやって?」というシンプルな問いです。シンプルな問いを繰り返すことによって、抽象度の高い問題に対して具体的な原因・解決策を見つけ出す、それがロジックツリーです。

ロジックツリーには3種類ある

ここまでで、ロジックツリーというものがイメージできたでしょうか?では続いて、ロジックツリーには3種類あることを説明します。

1.問題解決型ツリー(How)

まずは「問題解決型ツリー(How)」です。これは設定した問題の解決策を見つけるためのロジックツリーのこと。先述の「もっと多くの仕事をこなす」という例は、まさにこの問題解決型ツリーです。

2.原因究明型ツリー(Why)

2つ目が「原因究明型ツリー(Why)」です。これは、今ある問題の原因を特定するためのロジックツリーのこと。

例えば「同期に比べて、上司と関係が深まっている気がしない」という問題に対して、「コミュニケーションが足りていない?」「現在のコミュニケーションが上司とマッチしていない?」のように枝分かれさせることができます。

3.要素分解型ツリー(What)

最後が「要素分解型ツリー(What)」です。こちらは、あるものの構成要素を網羅的に把握するためのロジックツリーのこと。例えば「役立つ若手社員」というテーマを設定したとします。

「先輩以上に売上を出す」「細かなところに気がつく」などと枝分かれさせていくうちに、“役立つ”と一口にいってもいろいろな要素があることが見えてきます。「これなら自分でもできるかも」と思える要素が見つかるまで、枝分かれさせていきましょう。