お金がある程度貯まり、住宅ローンの一部を繰上げ返済したいと考えているとする。しかし、返済する時期と金額をどのように決めれば、支払い金利を効果的に減らすことが出来るのか分からないこともある。そんな時は繰り上げ返済のシミュレーションを試して欲しい。シミュレーションで繰り上げ返済した際の数字を確認し、その効果を正しく把握してから繰り上げ返済を行えば良いのである。

繰り上げ返済とは

繰り上げ返済とは、毎月のローン返済額とは別に、まとまった額を一部または全額返済することである。繰上げ返済を行うと支払い利息が減るため、まとまったお金ができたら繰上げ返済することが選択肢の一つとなる。

繰り上げ返済では最低返済額と手数料が決まっており、これらの金額は金融機関やローンの種類により異なる。一部を繰り上げ返済する場合は、インターネットで手続きすることで手数料無料となる金融機関が多い。このためインターネットを活用して繰り上げ返済を行いたい。

繰り上げ返済を行う場合、返済額が大きい方が支払い利息を減らす効果が高い。同様に、早く返済した方が支払い利息を減らす効果が高くなる。例えば、35年ローンで100万円を一部繰上げ返済する場合、ローン返済開始から10年後に返済するのと、20年後に返済するのでは、10年後に返済した方が支払い利息の総額は減少する。

繰り上げ返済には、返済期間を短縮する「期間短縮型」と毎月の返済額を少なくする「返済額軽減型」の2種類がある。支払い利息を減らす効果は期間短縮型の方が高いが返済額軽減型にもメリットがある。次にこの2つのメリットとデメリットを確認したい。

期間短縮型・返済額軽減型のメリットとデメリット

繰り上げ返済するにあたり、期間短縮型と返済額軽減型のどちらを選ぶか悩むことがあるかもしれない。それぞれのメリットとデメリットを把握し、家計に適した方を選ぶことが良いだろう。

期間短縮型は、繰り上げ返済をしても月々の支払い額は変わらないが、返済期間を短くする。そのメリットは先に紹介したように、返済額軽減型より支払い利息を減らす効果が高いことだ。デメリットは、期間短縮効果を得る時期がローン完済の頃になり、その効果を実感するのは将来に先送りされることである。期間短縮型を選ぶケースは、支払い利息を減らすことを優先する場合や定年以降のローン期間を短縮する場合などになる。

返済額軽減型は、繰り上げ返済により月々の支払額を下げるが、支払い期間は変わらない。そのメリットは、月々の返済額が少なくなることを直ぐに実感でき、家計のローン負担が軽減されることだ。デメリットは、期間短縮型に比べ支払い利息の軽減効果が低いことである。返済額軽減型を選ぶケースは、給与が下がるために月々の支払額を下げる場合や子供の大学進学で子供への出費が増える場合などがある。

次に期間短縮型と返済額軽減型による繰り上げ返済の支払い利息を比較する。