会社員なら税金のことは年末調整で済みますから、30代になっても確定申告をしたことがないという方は多くいらっしゃいます。しかし、ときには「確定申告をしたほうが得」ということもあるわけです。

今回は年末調整と確定申告の違いや確定申告が必要なのはどんなときかをお伝えします。あなたのはじめての確定申告にお役立て下さい。

年末調整と確定申告の違いとは?

まずは年末調整と確定申告の違いについてです。

年末調整は「簡易版の確定申告」

そもそも「納税の義務」は全ての国民にあります。稼いだお金の一部は税金として国に納めなければなりません。そして本来、納税額は自分で計算して申告するものとなっています。

しかし、このルールを全ての人に当てはめては国民も税務署も大変です。そこで双方の手間を少なくするために考案されたのが、会社員の税金を企業が代わりに計算して納税する「年末調整」なのです。

とはいえ、会社員と一言にいっても状況は人によってさまざまです。このため「一定の範囲までなら年末調整でいいけれど、それを超える人は確定申告をしてね」というルールになったとされています。

確定申告は自分で納税額を申告する

確定申告とは年末調整とは違って自分で支払うべき税金額を計算して、税務署に申告する手続きのことです。確定申告書の作成方法はいくつかあり、国税庁webサイト「確定申告書等作成コーナー」に必要事項を入力する方法や、パソコンの専用ソフトで作成する方法、必要書類を税務署に持参する方法などがあります。オンラインで書類を作成した場合、e-Taxで送信するか、印刷して郵送するなどして書類を提出します。初めてで書類の作成に自信がない方は税務署へ直接行って担当者に相談しながら申告書を作成し、提出するのがおすすめです。

確定申告の時期は、法律で2月16日~3月15日となっています。(土日は原則税務署がお休みなので、2019年は実質2月18日~3月15日)

年末調整していても確定申告したほうがいい2つのケース

(写真=PIXTA)

年末調整をしているから確定申告はしなくてOK、と思うかもしれませんが、次のような方は年末調整が終わっていても、確定申告をした方が得をする可能性があります。

各種控除(医療費控除、住宅ローン控除など)を利用できる

確定申告をした方が得になるケースとは、「年末調整で処理できない控除(税金計算する際に経費にできるお金)」がある場合です。具体的には以下が挙げられます。

  • 医療費控除:病院に行った、薬を買った場合
  • 雑損控除 :災害や盗難などに遭った場合
  • 寄付金控除:ふるさと納税を行った場合