日本語で「持続可能な開発目標」と表記される国際目標「SDGs」への関心が高まっています。「誰一人取り残さない社会」を実現するために、取り組める簡単なことはたくさんあります。今日から食べるものや着るものに少しだけこだわってみませんか?

深刻なフードロス問題。一人ひとりの意識を変えて

日本は食料自給率が低く食材のほとんどを海外からの輸入に大きく依存しているにもかかわらず、食料を余らせ大量の食品を廃棄しています。消費者庁の「食品ロス削減関係参考資料(平成30年6月21日版)」によると、年間の食品ロス量は646万トンで、市町村および特別地方公共団体が一般廃棄物の処理に要する経費は年間約2兆円となっています。

食品ロスとは、本来食べられるにもかかわらず、捨てられてしまっている食品のことです。主に外食産業から出されるイメージがあるかもしれませんが、食品ロスの半分は家庭から出ているといいます。

現代は、子どもの貧困や途上国での食糧問題が取りざたされる時代です。食品ロスを少しでも減らすべく、一人ひとりが意識し行動することが求められています。

食品ロスを減らすために今日からできること

食品ロスを減らすために今できることからはじめてみましょう。冷蔵庫内についつい食材をためてしまったり、買いすぎた食材を調理せずに廃棄したりした経験がある方も多いでしょう。

おなかがすいているからと作りすぎてしまい残したものの、翌日以降にその存在を忘れて結局廃棄したり、ヘルシーな食事にしたいからと食べ物の一部をわざと残してしまったり……。これらも食品ロスの一部となります。

食材を購入する時は、あらかじめ必要な量だけを購入して「買いすぎない」、調理の際は「作りすぎない」、作ったものは「残さない」、この3つを意識して毎日の食事を見直してみましょう。外食や購入が主という人は「注文しすぎない」「買い込みすぎない」ことに加え、食品ロス対策に取り組む飲食店やコンビニ、スーパーなどを選んでみましょう。

ファストファッションの裏には低賃金で働く労働者がいる?

安くてトレンドを押さえたデザインで人気を集めるファストファッションですが、その裏には劣悪な労働や環境破壊が隠れている可能性を忘れてはいけません。1枚1,000円のカットソーは確かに魅力的でしょう。しかし、それを作っているのがスウェットショップ(奴隷工場)だとしたらどうでしょう。

少し高くても、労働者たちが労働に見合った賃金を受け取っている服のほうが、気持ちよく袖に腕を通せる気がしませんか?

持続可能な社会を実現するために変革が求められているファッション業界では、労働環境の改善や環境問題に配慮した倫理的なファッション(エシカルファッション)が広まりつつあります。

フェアトレードの商品を選ぼう

フェアトレードを直訳すると、「公平・公正な貿易」を意味します。発展途上国で作られ輸入された製品が驚くほど安い価格で販売されていることがありますが、その背景には生産者の低賃金が危惧されます。フェアトレードでは、途上国の原料や製品を適正価格で購入することによって、労働者の生活改善と自立を目指しています。

「誰一人取り残さない」社会を実現するために、フェアトレードやエシカルファッションを選択しましょう。