パスタが1皿300円から、ワインも1杯100円と、非常にリーズナブルな価格でイタリアンを楽しめる「サイゼリヤ」。手軽に食事を済ませたいときなど、特に重宝するお店ですよね。けれどあまりのお手頃さに、「こんなに安くて本当に大丈夫なの?」と、ふと心配になったことはありませんか?今回は、サイゼリヤの気になる原価率を調べてみました。

サイゼリヤの原価率は約36%と高め

(写真=PIXTA)

「株式会社サイゼリヤ」が2019年に発表した有価証券報告書によれば、サイゼリヤの売上高は約1,565億円、売上原価は約563億円です。ここから売上原価(売上高に占める原価の割合)を算出すると、約36%となります。

サイゼリヤでは、自社で使用する食材の一部をグループ会社で製造していますので一概には言えませんが、飲食店の原価率は30%前後と言われる中、36%はかなり高い割合です。原価率が高いということは、その分、原価=材料費などが高く、「よい品やサービスを安く提供している」ということができるでしょう。

「おいしさとリーズナブルへの挑戦」がテーマ

(写真=PIXTA)

高い原価率の裏にあるのが、「おいしさとリーズナブルへの挑戦」というサイゼリヤの理念です。サイゼリヤでは、本場イタリアのメーカーと協力したり、自社農場・自社工場を設立したりといった取り組みを行っています。

こうした取り組みにより、「体によい素材を使ったおいしい料理の提供」と「リーズナブルな価格設定」の両方が実現しているのです。

あえて遅らせたキャッシュレス決済の導入

(写真=PIXTA)

最近サイゼリヤを利用して、「あれ?キャッシュレス決済OKになってる」と驚いた人もいるかもしれません。というのも、サイゼリヤは2020年8月にようやく、キャッシュレス決済の本格導入を開始したからです。

多くの飲食店がキャッシュレス決済を導入する中、サイゼリヤはあえてキャッシュレスを導入してきませんでした。これは、キャッシュレス決済で生じる手数料はもちろん、端末の導入コストなどを考えて、タイミングを見極めていたからです。ここにも、高い原価率でお店を維持するための工夫が見て取れます。

驚きの価格設定にはワケがある

(写真=PIXTA)

サイゼリヤの驚きの価格設定は、「安くて美味しい料理でお客様に喜んでほしい」という理念から生まれたものです。そんなお店側の想いと努力を知った後だと、いつものサイゼリヤの料理も、よりおいしく楽しめそうな気がしますね。

文・中村あずさ

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