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2018/06/09

節税対策として有効な「生前贈与」、よくある7つの誤解

(写真=William Perugini/Shutterstock.com)
(写真=William Perugini/Shutterstock.com)
「生前贈与」について調べる人が急増している。2015年の相続税改正により数千万円程度の資産規模においても相続税が課されるようになったためだ。税金対策として有効だと言われる生前贈与だが、きちんと知らなかったがためにかえってムダな税金を払う人も少なくない。

生前贈与と贈与の税金制度はきちんと認識している人は少ない

一般的に生前贈与というと「年間110万円までの贈与ならば税金がかからない」というイメージかもしれない。これは間違いではないが一面的だ。生前贈与とは、正しく言うと「あげる人が生きている間にもらう人に対して無償で財産を与える行為」となる。さらに税法上は、その生前贈与による財産について「暦年課税制度」「相続時精算課税」という2種類の課税制度が存在する。

「暦年課税制度」とは、1月1日から12月31日までの1年間で受け取った財産の価額に対して贈与税を課す方法だ。冒頭のイメージはこの暦年課税制度の内容を意味する。つまり、その年に受けた贈与価額から基礎控除110万円を差し引いた金額が贈与税の課税価格となるのだ。一旦贈与した財産は相続税の対象となることはないため、相続税の節税対策として注目を集めている。

一方、「相続時精算課税制度」という生前贈与に関する贈与税の制度もある。こちらは1年間にいくら贈与を受け取ったかではなく、財産をあげる人がもらう人に対し、生前に総額でいくら贈与したかがポイントとなる。こちらは生きている間に贈与した金額の合計が2,500万円までなら税金がかからない。ただし、財産をあげる側ともらう側に条件が付される他、相続税との精算が必要になる。

以上が生前贈与と税金制度の概要だが、節税対策として上手に活用するにはもっと適切な知識が必要となる。適切な知識がないと、以下に紹介するような誤解によって痛い目に遭いやすい。

誤解(1) 「毎年110万円以内で贈与すれば税金はゼロ」

この誤解はもっとも多いように感じる。年間110万円までの贈与であれば、これを何回繰り返しても贈与税も相続税もかからないと一般人は認識している。しかし、税法上は、「毎年110万円を数年間にわたって贈与する」行為を「連年贈与」とみなして贈与税の課税を考えるのだ。

連年贈与とは、毎年決まった額を一定期間にわたって贈与する行為をいう。このとき課税対象となるのは1年間に贈与される110万円ではない。一定期間に贈与された総額が贈与税の対象とされる。つまり、お金そのものではなく「一定期間にわたってお金を受け取る権利」を贈与されたとみなされるのだ。結果、たとえば10年間にわたって毎年100万円を贈与した場合、税務署からは「1年ごとに100万円を非課税枠内で贈与した」ではなく「1,000万円を10年に分割して贈与した」とみなされ、1,000万円についての贈与税を求められることになる。

これを防ぐには贈与契約書を作成し公正証書とするのがベストだが、中には次の②の誤解により、この手間を省く人もいる。
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