世界中で新型コロナウイルス感染症が流行しています。すでに学校の休校やイベントの中止、物流や働き方などさまざまなところに影響が出ていますが、わたしたちの年金にも関係する可能性があることをご存知でしょうか。

新型コロナウイルスと年金の関係

新型コロナと年金、一見あまり関係なさそうにも見えるかもしれません。しかし、今回の新型コロナの影響は健康被害だけにとどまらず、経済にも甚大なダメージを与えています。また、年金の動向は経済状況に左右されます。

そのため、「コロナのせいで将来の年金が減ってしまうのではないか」と心配する声も出てきているのです。年金に影響すると思われているポイントとしては、特に次の3つが考えられます。

理由1.株価暴落で年金の運用がうまくいかないかも

年金は、将来の給付に回せる金額を増やすために国内外の債券や株式で運用されています。今回の「コロナショック」のような状況で株価が暴落すると、その資産が減ることになります。そのため、年金額も減るのではと憂慮される方もいますが、これに関してはそこまで不安がる必要はないでしょう。

なぜなら、運用されているのは年金の財源のうち「年金積立金」だけで、全体の1割程度に過ぎません。年金の支給額は法律で決まっていて、9割はそのときの現役世代が納める保険料や税金でまかなわれています。そのため、年金積立金の運用が一時的にマイナスになったからといって年金が急に減ることはありません。

さらにいうと、投資にリスクはつきものですが、短期的な増減にとらわれて一喜一憂するのではなく、長期的な視点で見ることが大切です。年金の運用は、過去に起きたリーマンショックの際も一時的にマイナスになりましたが、その後またプラスに転じ、市場運用が始まった2001年から2018年までの間で合計65兆8000億円以上の収益を上げることができています。
 

理由2.経済危機で税収が減少して国の予算設定に響くかも

こちらの要因の方が、将来の年金に与える影響が大きいかもしれません。もし、経済危機で企業の経営が苦しくなれば納められる法人税額が減り、個人の収入が減れば所得税による税収も減るでしょう。

政府が負担軽減のためになんらかの税金を免除する策を講じる可能性もあります。新型コロナの流行が収まって、景気の減退を防ぐ政策がうまくいって、きちんと経済が回ってくれれば今までどおりの税収が見込めるかもしれませんが、今のところなんとも言えない状況です。

政府の舵取り次第ですが、もし新型コロナ対策の費用を捻出したり経済状況を立て直す予算を取ったりするため、もしくは縮小した経済規模に合わせた予算を組むために、年金などの社会保障費の予算を削って対応するということもないとは言えません。