老後にかかる生活費は、老後の不安のひとつですよね。老後の収入が年金だけと仮定した場合、生活にかかる支出はまかなえるのでしょうか。今回は、老後の生活費の平均額や生活費以外にかかるお金についてご紹介します。

老後の生活費の平均額、年金でまかなえる?

生命保険文化センターの「令和元年度 生活保障に関する調査」によると、夫婦2人の老後1ヵ月の最低日常生活費は、月額平均22.1万円です。ここを踏まえて、受給年金額の平均を見てみると、2020年度の新規裁定者の年金額平均は1人当たりの国民年金が6万5,141円、夫婦2人の厚生年金が22万724円となっています(厚生労働省)。

国民年金のみ受給の場合、最低日常生活費に全く満たないことは明らかです。国民年金と厚生年金を両方受給できる場合でも、二人分を合算した金額は22万724円で、最低日常生活費ギリギリであることがわかります。自分の年金額の目安は「ねんきん定期便」で把握しておくといいでしょう。
 

老後の支出の変化とは

仕事を退職すると、生活パターンは大きく変わります。食費や光熱費、通信費、住居費はほとんど変わりませんが、会社員としての被服費や交際費、厚生年金保険料や健康保険料、雇用保険料など、不要になる項目も出てくるはずです。子どもが自立すれば、教育費もなくなるでしょう。

代わりに増えることが予測されるのは、退職後の交際費や趣味にかかる費用、国民健康保険税などです。年を重ねることで、医療費や介護費用なども余分にかかるかもしれません。老後の生活費を今と同じ水準ではなく、変化することを前提として考える必要があります。