どうすればお金や成功が手にはいるのか—。だれもが一度は思案をめぐらせたことがあるだろう。自分の力で成功し、本当にお金もちになる人と、成功を夢見ながら憧れだけで終わらせる人では、何がどうちがうのだろう。
お金儲けをゲーム感覚で楽しむトランプ大統領、危険を恐れず進化し続けることを信念とするジェフ・ベゾス氏(Amazon CEO)、人類に影響を及ぼす問題へのソリューションから利益を生みだすイーロン・マスク氏(テスラ、スペースX CEO)、「成功者には沈黙と笑顔というふたつの共通点がある」というマーク・ザッカーバーグ氏(Facebook CEO)。
—既にお金にも名誉にも恵まれた資産10億ドル以上のビリオネア4人が、自らの幸運をどうとらえているのか見てみよう。
ドナルド・トランプ氏——「お金持ちになるのは容易だが、お金持ちでいるのは難しい」
不動産・カジノ王から米国大統領にのし上がったトランプ氏は、お金儲けは「ゲーム」だという。大きな賭けにでなければ、それに見合う成功はあり得ない。「窮地におちいった時どう対処するかが勝者と敗者を分ける」という考えは、まさにギャンブルそのものだ。
トランプ氏にとっては「お金儲けというゲームが楽しい」のであって、お金はそのゲームを続けるための資本でしかない。「情熱を活用し、経験から学びながら」ゲームで勝ち続けていく。
「どうせ何かを考えるなら、大きなことを考えろ」と大志を抱くよう激励する反面、「時と場合によっては、投資しないという決断が最高の投資になることもある」と客観的に物事を観察する冷静さについても説いている。
「お金持ちになるのは容易だが、お金持ちでいるのは難しい」「結局人はどれだけ努力したかではなく、どれだけ達成したかで評価される」というシビアな見解は、様々なマネーゲームに勝ちぬいてきたトランプ氏ならではといえる(Cheet Sheet 2016年11月21日付記事 )。
ジェフ・ベゾス氏——「危険なのは進化しないこと」
「臨機の才のない人間と付き合うには人生は短過ぎる」と断言するベゾスCEO。Amazon帝国を築き上げた3つの要素として、「顧客最優先」「発明」「忍耐」を挙げている。「Amazonはパーティーの主催者で、顧客はゲスト」というコンセプトは、事業立ち上げ当初から一貫している。
「危険なのは進化しないこと」「常に未来に目を向け、自分にとって好ましくない変化にも対応していく」手腕が、成功を目指す上で重要だと説いている。ベゾスCEOにとって「長期的な見解をもたずに新しい商品やサービスを発明するのは不可能」であり、「実験なしでは発明はあり得ない」という。しかし「最初から成功すると分かっているのなら実験とはいえない」—つまり、失敗を覚悟で長期的な戦略で挑まない限り、社会を驚かすような大発明は期待できないということだ。
「経営面で重要なのは利益率ではなく、実際にいくらドルで稼いだか」と現実主義だが、銀行が顧客に「(浮いたお金で)旅行に行けますよ」などと無責任に二番抵当を勧めるような広告は「人の道徳から外れている」と、利益創出手段の善悪にははっきりしている(Brainy Quoteより )。