
投資を始めるには、証券会社で口座を開設しなければなりません。しかしどの証券会社がいいのか選ぶことができず、投資への一歩が踏み出せないでいる人も多いのではないでしょうか。本記事では人気の楽天証券とLINE証券について、その特徴を詳しく解説します。さらにそれぞれどんな人に向いているのか、また両方使うことのメリットをご紹介します。
楽天証券とLINE証券の概要
Q.「楽天はネットショッピング」、「LINEはメッセージアプリ」というイメージだけど、証券会社もやってるの?
A.楽天証券は楽天グループの、LINE証券はLINEグループと野村グループが共同出資してできた証券会社です。楽天証券は幅広い商品を業界最安値の手数料で提供しています。LINE証券は投資未経験の人でも簡単に投資を始められるように工夫しています。2つとも急速に口座開設者数を増やしている人気の証券会社です。

楽天証券とは

楽天証券は、楽天市場や楽天トラベルなどで有名な「楽天グループ」による、インターネット専業の証券会社です。取り扱い商品の種類の豊富さ、商品数の多さ、そして手数料が業界最安値水準であることなどから、ネット証券の中でも最大手の証券会社の1つです。
株式投資や投資信託の購入で楽天ポイントが貯まり、またポイントを使って投資もできることが大きな特徴です。楽天銀行と連携すればさらに効率よくポイントが貯まるため、特に「楽天経済圏」を利用している方におすすめの証券会社です。
楽天証券の概要
設立年月 | 株主 | 口座開設数 | 取扱商品 |
---|---|---|---|
1999年3月 | 楽天カード株式会社 | 700万口座※1 | 国内外株式、国内外債券、海外ETF、投資信託、先物・オプション、FX、CFD、外国為替、金・プラチナ、など |
※1 2021年12月時点
※楽天証券公式サイトより引用
LINE証券とは

LINE証券は、メッセージアプリでおなじみのLINEグループと野村ホールディングスの共同出資によって設立された、スマートフォン専用証券(スマホ証券)です。
楽天銀行などのネット証券でもアプリを利用すればスマホで取引ができますが、LINE証券などのスマホ証券ではスマートフォンを利用しての投資を前提にサービスを提供していることが特徴です。
まだ誕生して日が浅い証券会社ですが、2021年5月にはiDeCoを、2022年2月にはつみたてNISAの提供を開始するなど、今後ますますサービスの拡充が期待されています。
LINE証券の概要
設立年月 | 株主 | 口座開設数 | 取扱商品 |
---|---|---|---|
2019年6月 | LINE Financial株式会社野村ホールディングス株式会社 | 100万口座※1 | 国内株式、投資信託、FX、CFD、など |
※1 2021年11月時点
※LINE証券公式サイトより引用
楽天証券とLINE証券の比較表
Q.楽天証券とLINE証券はどんなところが違うの?
A.楽天証券は投資をする人が不自由を感じないよう、できるだけ多くの商品を低コストで提供している証券会社です。対し、LINE証券は投資未経験の人の投資へのハードルを下げるために、少額の商品を簡単に買えるように工夫しているという違いがあります。
ネット証券で最大手の1つである楽天証券と、今若者を中心に人気を集めているスマホ証券の1つ、LINE証券。この2つの証券会社を、手数料や取扱商品の種類、提供するサービス、IPO実績などから比較してみましょう。
楽天証券とLINE証券の比較
楽天証券 | LINE証券 | ||
---|---|---|---|
国内株式手数料 | 10万円 | 99円 | 99円 |
50万円 | 275円 | 275円 | |
100万円 | 535円 | 535円 | |
投資信託本数 | 2,658本 | 33本 | |
外国株 | ○(米国、中国、アセアン) | ○(CFDのみ) | |
IPO(2021年実績) | 74社 | 11社 | |
単元未満株 | × | ○ | |
iDeCo | ○ | ○ | |
NISA | ○ | × | |
つみたてNISA | ○ | ○ |
※楽天証券、LINE証券公式サイトより
LINE証券でも外国株の取引はありますが、CFDという特殊な取引になるため、外国株が初めての方はCFDという取引方法について勉強してから利用しましょう。
複数の証券会社で口座を作るのはあり?
Q.証券口座のおすすめや比較記事をよく見るけど、証券口座は1つしか作れない?
A.証券口座の課税口座(一般口座や特定口座)は複数の証券会社で開設できます。ただし、いくつも開設できるからとやみくもに口座を増やすと管理が大変です。きちんと使い分けられる数だけ口座を持ちましょう。
銀行口座を複数保有し、給与振込用、貯蓄用などと使い分けている人もいるかと思いますが、証券口座はどのように使い分けるといいのでしょうか。
各社の強みによって使い分けるのが賢い方法

証券会社にはそれぞれ強みや特徴があります。投資信託の取り扱いが豊富な証券会社もあれば、外国株の取り扱いが多い証券会社もあります。また商品以外にもアプリが使いやすかったり、セミナーなどを頻繁に開催していたりする証券会社もあります。
iDeCoやつみたてNISAも、すべての証券会社で利用できるわけではなく、そもそもサービスとして提供していないところもあります。
1つの証券会社ですべての取引を行うのもシンプルですが、例えば「株取引と投資信託は手数料が安い証券会社Aに」、「外国株式は5ヵ国に投資できる証券会社Bに」、「つみたてNISAは取扱商品数が多い証券会社Cに」、というように使い分けることも可能です。複数の証券会社を使い分けることで、より自分にとってメリットの多い投資ができるでしょう。
そのためにはまず、それぞれの証券会社の強みや特徴をしっかりと調べておくことが大切です。
IPOの当選率を上げることも
もう1つ、複数の証券会社に口座を持つことで、IPOの当選確率が上がることが期待できます。
IPOとは
株式の新規上場のこと。上場前に証券会社が顧客に販売しますが多くは抽選が行われます。「Initial Public Offering」の略です。
- IPO(あいぴーおー) -
出典:野村證券「証券用語解説集」
Initial Public Offeringの略。一般的には、(新規)株式公開とも言われる。少数株主に限定されている未上場会社の株式を証券取引所(株式市場)に上場し、株主数を拡大させて、株式市場での売買を可能にする。
新たに株券を発行して株式市場から資金を調達する「公募増資」や、以前から株主に保有されていた株式を市場に放出する「売出し」がある。
上場した企業は株式市場からの資金調達が可能になり、会社の知名度の向上によって、優秀な人材の確保が可能になるなどのメリットがある。一方で、投資家保護の観点から定期的な企業情報の開示(ディスクロージャー)が義務付けられる。
通常の株式は、証券会社から注文を出し取引が成立すれば買えます。しかしIPO株はまず証券会社が行う抽選に申し込み、当選しなければ買うことができません。
証券会社によって、どのIPO銘柄を取り扱うか、どれぐらいの数が割り当てられるか、そして抽選の方法などは異なるので、IPO株が目的なら複数の証券会社に口座を持っていた方が有利になります。
証券会社選びで重視すべきポイント5つ
Q.証券会社ごとに特徴があるのは分かったけど、証券会社を選ぶときは具体的にどんなところを見ればいいの?
A.すべての人におすすめできる証券会社というものはなく、自分に合った証券会社を選ぶことが大切です。例えば外国株取引の手数料が安いと評判の証券会社も、自分が外国株に投資しなければ意味がありません。まずは自分がどんな投資をしたいのか、はっきりと決めておくことが大切です。
証券会社を選ぶときに特に重視したいポイントは、次の5つです。

- 取引手数料
- 取扱商品数
- 一般NISA、つみたてNISAへの対応
- 取引ツールの使い勝手
- ポイントサービス
もちろん、これらのポイントはただ単に「取引手数料は安ければ安い方がいい」や「ポイントプログラムの還元率が高ければ高い方がいい」というわけではなく、あくまで自分の投資スタイルに合った基準で選ぶことが大切です。そのことを念頭に置きつつ、それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
①取引手数料
取引手数料は証券会社ごとに大きく異なるので、事前にしっかり確認しておきましょう。また、同じ証券会社でも、国内株式と外国株式、投資信託などそれぞれの商品にかかる手数料は違うので、自分が投資したい商品の手数料を比較することが大切です。
証券会社には取引ごとに手数料がかかるプランの他、1日定額制のプランを採用しているところもあるので、自分の投資スタイルに合ったプランがある証券会社を選びましょう。
②取扱商品数
取り扱っている商品の数も、証券会社によって大きく差があるポイントの1つです。
IPOや新興国株式に投資したい人は、そもそもそれらの取り扱いのある証券会社を選ばなければ取引ができません。また、同じ「投資信託」を取り扱っている証券会社でも、ある証券会社では2,000本以上の商品が選べるのに対し、別の証券会社では10本しか選べないということもあります。
ただし、商品数が多ければ多いほどいいというわけでもありません。自分の興味がない商品を取り扱っていても意味はありませんし、選択肢が多すぎると逆に選ぶのが大変になる人もいるはずです。自分のニーズに合った商品が程よく揃っている証券会社が良いでしょう。
③一般NISA、つみたてNISAへの対応
NISAを利用したい場合、証券会社自体がNISAを取り扱っていることが必要です。
通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかります。 NISAは、「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、税金がかからなくなる制度です。
出典:金融庁「NISAとは」
NISAには大きく分けて、一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの3種類があります。中でも最近特に注目を集めているのは、投資商品が厳選され積み立て方式で初心者にも始めやすい「つみたてNISA」です。
つみたてNISAとは、特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です(2018年1月からスタート)。 つみたてNISAの対象商品は、手数料が低水準、頻繁に分配金が支払われないなど、長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されており、投資初心者をはじめ幅広い年代の方にとって利用しやすい仕組みとなっています。
出典:金融庁「つみたてNISAの概要」
まれにですが、証券会社の中には一般NISAは提供していないものの、つみたてNISAは提供している会社もあります。自分が利用したいNISAを提供しているか、しっかりと確認することが大切です。
④取引ツールの使い勝手
自分で注文などを出したい人は、取引ツールの使いやすさも重要です。帰ってからパソコンでしっかり情報分析しながら取引をしたいなら、パソコン用のツールの充実度を見ておいた方がいいですし、スマホで簡単に取引をしたいのなら、スマホアプリが使いやすいかどうかがポイントになります。
⑤ポイントサービス
特にネット証券などでは、投資によってポイントが貯まったり、ポイントを使って投資ができたりするところが増えてきています。
ただし証券会社のポイントサービスは、とにかく取引すればもらえるというわけでもありません。株式投資の買付額や投資信託の保有額など、ポイント付与の投資対象が決まっている場合が多い傾向です。どの投資でポイントが貯まるのかは確認しましょう。
貯めたポイントを投資に使えるだけでなく、通常の買い物やギフトカードに交換できる証券会社もあります。自分の生活圏でよく利用するポイント(Tポイントや楽天ポイントなど)が貯まる証券会社を選ぶといいでしょう。
楽天証券とLINE証券のメリット・デメリットを一覧で比較
Q.楽天証券とLINE証券はどんな人をターゲットにしている?
A.どちらも投資を始めたい人にはおすすめの証券会社ですが、楽天証券がすべての年代をターゲットにしているのに対し、LINE証券は若年層や投資をこれから始めたい人をターゲットにしている傾向があります。それに伴い、メリット・デメリットも大きく異なります。
楽天証券とLINE証券のメリット・デメリットを以下の表で比較してみましょう。
楽天証券 | LINE証券 | |
---|---|---|
メリット | ・楽天ポイントが貯まる、使える ・分析ツールが豊富 ・解説コンテンツが豊富 ・最短5分で口座開設が可能 ・楽天グループの他サービスと連携できる ・商品数が多いため投資先の選択肢が豊富 ・低コストで利用できる |
・気軽にIPOに応募できる ・LINEアプリから簡単に始められる ・LINEポイントが投資に使える ・セキュリティ面で対策がされている ・「株のタイムセール」がお得 ・LINE Payが使える ・投資できる時間が長い |
デメリット | ・ミニ株の取り扱いがない ・外国株を買いたいなら他に選択肢あり ・投資に使えない楽天ポイントがある |
・外国株の現物取引がない ・一般NISAの取り扱いがない ・詳細な分析に向かない |
楽天証券のメリット
Q.楽天証券を利用するとどんなメリットがあるの?
A.楽天証券はインターネット関連事業を幅広く展開する楽天グループの証券会社です。取り扱い商品が豊富で取引手数料も安い上、インターネット事業のノウハウを活かしたツールや口座開設のしやすさが特徴です。もちろん楽天市場や楽天トラベルといった、楽天グループの各サービスにも使える楽天ポイントが貯まることも大きなメリットでしょう。

ここでは、以下の楽天証券のメリット7つを詳しくご紹介します。

- ポイントが貯まる・使える
- ツールが豊富
- 解説コンテンツが豊富で初心者にやさしい
- 最短5分で口座開設も可能
- 楽天グループの他サービスと連携するとさらにお得
- 商品数が多いため投資先の選択肢が豊富
- 低コストで利用できる
①ポイントが貯まる・使える
楽天証券を利用するとポイントが貯まります。ポイントコースには「楽天証券ポイントコース」と「楽天ポイントコース」の2つがあります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
楽天ポイントコース
楽天ポイントコースでは、楽天証券を利用することで貯まったポイントを、楽天市場や楽天ブックなど楽天グループの他のサービスで利用できます。
また月1回500円以上のポイント投資(投資信託)と楽天ポイントコースの設定で、「SPU」という楽天経済圏独自のポイントアップサービスの対象にもなります。
SPUとは何か?
出典:楽天市場「【SPU】よくあるお問い合わせ」
SPUは、Super Point Up Program(スーパーポイントアッププログラム)の略で、楽天の各サービスを使うことで、ポイント倍率があがるお得なプログラムです。 各サービスの条件を達成すると、その月の楽天市場でのお買い物がポイントアップ対象になります。
楽天ポイントコースによるSPUは+1倍となっており、楽天市場での買い物の際はいつでもポイントが+1倍になります。
普段利用するサービスを楽天グループで統一している、いわゆる「楽天経済圏」の人は、こちらのコースの方がポイントの価値が高いでしょう。
楽天証券ポイントコース
楽天証券ポイントコースを選ぶと、楽天証券を利用することで貯めたポイントをJALマイレージバンク(JMB)のマイルに交換して、JALの特典航空券と引き換えができるようになります。
ただし、楽天証券ポイントコースはSPUの対象にはならず、また楽天証券ポイントは楽天グループの他のサービスには利用できません。したがって、普段楽天のサービスは利用しておらず、JALのマイルを貯めたい人に適したコースと言えます。
なお、楽天証券ポイントコースはいつでも楽天ポイントコースに変更できます。変更時点で保有している楽天証券ポイントは、変更後に自動的に「楽天ポイント」に交換できるので、楽天グループのサービスをよく利用するようになった時点でコースを変更してもいいでしょう。
ポイント投資も可能
楽天ポイントコースと楽天証券ポイントコース、どちらも貯まったポイントを使って投資ができます。しかし、その対象は次の表のように少し異なります。
楽天ポイント | 楽天証券ポイント | |
---|---|---|
投資対象 | 投資信託 国内株式 米国株式 バイナリーオプション |
投資信託 |
利用可能上限 | あり | なし |
楽天ポイントの方では投資信託のほか、国内株式や米国株式、バイナリーオプションにポイント投資ができますが、楽天証券ポイントでは投資信託のみが対象になります。
- バイナリーオプション(ばいなりーおぷしょん) -
出典:野村證券「証券用語解説集」
オプション取引の1つであり、通貨や株式などのあらかじめ決められた原資産の価格を市場価格が判定時刻に上がるか、下がるかを予想する取引。リターンはオール・オア・ナッシングであり、想定通りの結果になれば一定の価値を獲得し、想定通りの結果にならなければ無価値になる。
ただし、楽天ポイントを利用する場合、投資に使えるのは一般の会員であれば1日に3万ポイント、1ヵ月あたり他の楽天グループでの利用を含めて10万ポイントまでと利用上限があります。
また、投資信託以外のポイント投資はSPUの対象外です。SPUの対象になるには、月1回「投資信託」に500円以上ポイント投資する必要があるので注意しましょう。
②ツールが豊富
楽天証券は、インターネット関連サービスを中心に展開する楽天グループの証券会社であるため、分析ツールや取引アプリが充実しているのも大きな特徴の1つです。
分析ツール

楽天証券のパソコン用トレーディングツール「MARKET SPEED Ⅱ」は、多くの投資家に利用されてきた「MARKET SPEED」がパワーアップしたツールで、楽天証券に口座があれば誰でも無料で利用できます。個別の銘柄に関する投資情報や、保有状況の確認も簡単に確認できます。
他にも、最新の情報を得ながら取引のチャンスを逃すことなくスピーディーな注文ができる機能が搭載されています。
- アルゴ注文……事前に登録した条件になった時に自動的に発注
- 個別銘柄機能……発注までを1画面に集約
- 武蔵……表示された価格をマウスでドラック&ドロップするだけで直感的に素早く取引ができる板発注ツール
このツール1つで、国内株式、国内先物・オプション、国内商品先物の取引に対応しているため、投資の幅がさらに広がるのではないでしょうか。

iPhoneやAndroidなどのスマートフォン向けには「iSPEED」というアプリが提供されています。
スマホ向けのアプリですが、パソコン並みに投資情報が豊富です。
- MyPage……株価や市況、ニュース、チャートなど30種類以上のパーツを組み合わせて自分好みの画面にカスタマイズできる
- マーケット……日経225やダウなどの各種指数や為替レート、ランキングなどの情報が閲覧できる
iSPEEDは、株価情報の検索や銘柄分析機能も優れています。最大2,000銘柄をお気に入りに登録でき、銘柄の情報・ニュース・チャードなど多くの情報をスワイプするだけで確認できます。また15種類のテクニカルチャートの利用もできます。
日経テレコンなど、取引をサポートするサービスも充実
楽天証券では取引をサポートするサービスも充実しています。ここでは特に有益なサービスを3つご紹介します。
1つ目は、日本経済新聞社が提供する「日経テレコン(楽天証券版)」です。次のサービスが無料で利用できます。
- 日本経済新聞(朝刊・夕刊)、日経産業新聞、日経MJなどの閲覧(3日分)
- 過去1年分の新聞記事検索
- 日経速報ニュースの閲覧
2つ目は、投資情報メールサービス「マーケットアロー」。国内株式や外国為替、米国やアジア市場の概況など、幅広い投資情報が毎日メールで送られます。パソコンやアプリを開かなくても情報がタイムリーに得られるため、すきま時間でマーケット動向が確認できます。
3つ目の「バロンズ・ダイジェスト」は、米国株式投資に役立つ情報が無料で得られます。「バロンズ」は米国で最も有名な投資情報誌との一つです。「バロンズ・ダイジェスト」では日本の投資家にも役立つ記事を厳選し、提供されています。
③解説コンテンツが豊富で初心者にやさしい
楽天証券では投資初心者向けコンテンツやセミナーも充実しています。
「パーソナルコース」というコンテンツでは、次の4つのコースが用意されており、目的・趣向にあった資産作りを段階的にサポートしています。
基礎知識習得コース | 投資に関する基礎知識や、資産づくりを始める前に知っておきたいサービス・制度を学ぶことができます。 |
---|---|
こつこつ資産をつくるコース | 将来の資産を無理なく安定的に形成していくのに有効と言われる「投資信託積立」について学びます。 |
お任せで資産をつくるコース | 投資の目的や趣向にあわせて、5種類の投資コースから自分にあったものが提案されます。 |
攻めと守りで資産をつくるコース | 国内株式や米国株式、ETFの取引を行います。さまざまな商品に分散投資することで、バランスの良い資産づくりを目指します。 |
さらに、より深く投資に関して情報を集めたい人には、マネーメディア「トウシル」をはじめ、Financial Academyが提供する「お金の学校」、そしてYouTubeチャンネルなどでも投資情報を入手できます。
楽天証券はセミナーも頻繁に開催しており、内容も個別企業のIR説明会のほか、株の相場見通しや資産形成に役立つ情報など、幅広いラインナップを揃えています。
④最短5分で口座開設も可能
楽天証券の口座開設はホームページ内の「口座開設」ボタンから行います。
スマホと運転免許証または個人番号カードを持っている人なら、スピーディーに口座開設が可能です。本人確認書類と顔写真をスマホで撮影し、口座開設者の個人情報をweb上で記入するだけで、最短5分で手続きを完了できます。翌営業日以降にログインIDが送信されます。
これ以外の本人確認書類を利用する人や、パソコンから手続きをしたい人でも、それほど時間はかかりません。本人確認書類をアップロードし、個人情報をweb上で記入すれば、約5営業日でログインIDとパスワードが郵送されます。
⑤楽天グループの他サービスと連携するとさらにお得
楽天証券は楽天グループの一員である強みを活かし、グループの他のサービスと連携することによってよりお得になるシステムを提供しています。
楽天銀行との連携
楽天証券を利用している人は銀行も楽天グループの楽天銀行にするとお得です。マネーブリッジという口座連携サービスを申し込めば、さまざまな特典を受けることができます。
まず、通常0.02%の楽天銀行の普通預金の金利が、5倍の0.10%になります。
また楽天証券で買い注文を出した時、資金が足りなければ楽天銀行から不足資金分が「自動入金(スイープ)」されるので、タイミングを逃すことなくスムーズに注文を出すことができます。逆に楽天証券口座にある資金は毎営業日夜に楽天銀行に「自動出金(スイープ)」されるので、自動的に優遇金利が適用されます。
さらに、ハッピープログラムにエントリーすることで、楽天銀行のATM手数料が最大月7回無料になったり、国内外株式、投資信託、個人向け国債、楽天FXなど幅広い商品で楽天ポイントを貯めることができたりするなどの特典があります。
楽天カードとの連携
楽天証券では、投資信託の積み立てに毎月5万円分まで楽天カードのクレジット決済が利用できます。
もちろん、楽天ポイントが積立額の1%貯まるので、例えば毎月3万円ずつ楽天カードで投資信託の積立を行うと、1年間で3万円×1%×12ヵ月=3,600円のポイントが貯まる計算になります。
貯まった楽天ポイントは、新たな投資に回すことができますし、他の楽天グループのサービスに利用することもできます。
⑥商品数が多いため投資先の選択肢が豊富
楽天証券の人気のある理由として、取り扱っている商品の種類が非常に多いという特徴があります。
楽天証券の取り扱い商品
- 国内株式(現物取引、信用取引、国内ETF/REIT、IPO)
- 外国株式(米国株式、海外ETF、中国株式)
- 投資信託
- NISA(一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISA)
- FX
- CFD
- バイナリーオプション らくオプ
- iDeCo
- 債券
- 先物・オプション
- 金・プラチナ
- クラウドファンディング
楽天証券では上記のように非常に幅広い商品を取り扱っているため、他の証券会社で買えるのに楽天証券では買えない商品というものがほとんどありません。つまり、楽天証券の口座を1つ保有するだけで、投資の選択肢をかなり広げることができます。
もちろん証券口座は複数持つことができますが、商品ごとに証券口座を使い分けるほど投資上級者ではなく、できれば1つの口座でいろんな投資を経験してみたいという人にとっては、この幅広い商品ラインナップは魅力的なものになっています。
⑦低コストで利用できる
商品を購入するときの手数料は証券会社選びにとってとても重要な要素です。主要ネット証券の主な手数料の比較を見てみましょう。
主要ネット証券の手数料の比較
楽天証券 | SBI証券 | 松井証券 | マネックス証券 | auカブコム証券 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
国内株式 超割コース |
10万円 | 99円 | 99円 | - | 99円 | 99円 |
50万円 | 275円 | 275円 | - | 275円 | 275円 | |
100万円 | 535円 | 535円 | - | 535円 | 1,089 | |
国内株式 1日定額コース |
50万円 | 0円 | 0円 | 0円 | 550円 | 0円 |
100万円 | 0円 | 0円 | 1,100円 | 550円 | 0円 | |
200万円 | 2,200円 | 1,238円 | 2,200円 | 2,750円 | 2,200円 | |
米国株式 | 0.495% | 0.495% | 0.495% | 0.495% | 0.495% | |
投資信託(買付時) | 原則無料 | 無料 | 無料 | 一部無料 | 無料 |
人気のあるネット証券はどこも手数料を低く抑えており、米国株式や投資信託の手数料は同じですが、楽天証券は証券会社ごとに最も差がある国内株式の売買手数料で、SBI証券に次ぐ安さなのがわかります。
楽天証券のデメリット
Q.楽天証券のデメリットはないの?
A.楽天証券は業界トップクラスの商品を提供していますし、手数料も安いので、目立ったデメリットはないように思います。ただし、実際に取引をする中で少し注意が必要なポイントがあるのも確かです。
楽天証券を利用する際、デメリットになると考えられるものには以下の3つがあります。

- ミニ株ができない
- 外国株を買いたいなら他に選択肢あり
- ポイント投資に使えない楽天ポイントがある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①ミニ株ができない
残念ながら楽天証券ではミニ株のサービスは提供していません。
通常、株の取引は1株単位では行われず、1単元という単位で行われます。現在すべての日本株は1単元=100株なので、株式投資をするなら最低100株を保有しなければならないということです。
しかし、証券会社によっては「ミニ株」と呼ばれる1単元未満であっても株を買えるサービスを提供しているところがあります。
株式ミニ投資(通称:ミニ株)とは、通常の株式取引よりも少ない資金で株式を購入できる取引方法のひとつです。 通常の株式取引では、銘柄ごとに決められている1単元の株数(100株)の整数倍でしか購入することができません。しかし、ミニ株であれば、1単元の1/10の単位での株式売買が可能になります。つまり10株単位で売買することができます。言いかえれば、通常の株式取引より少ない10分の1の資金で株式投資ができるというメリットがあります。 ミニ株を利用して株式を購入した場合、株式の名義人は取扱証券会社の株式ミニ投資口名義となります。また、単元未満株を買うことになるので、配当金等の果実や株式分割等により取得する株式は持分株数に応じて配分されますが、議決権は行使できません。
出典:SMBC日興証券「初めてでもわかりやすい用語集」
株式投資を少額から始めたいのであれば、他の証券会社を選ぶ必要があります。
②外国株を買いたいなら他に選択肢あり
日本より外国の経済成長に期待を持っている人は、外国株に投資できるかどうかも1つの大きなポイントになります。主要ネット証券の外国株の取り扱いを比較してみましょう。
主要ネット証券の外国株の取り扱い比較
米国株 | 中国株 | 韓国株 | ロシア株 | アセアン株 | |
---|---|---|---|---|---|
楽天証券 | 4,768銘柄 | 1,196銘柄 | - | - | 241銘柄 |
SBI証券 | 5,002銘柄 | 1,324銘柄 | 65銘柄 | 29銘柄 | 545銘柄 |
マネックス証券 | 4,566銘柄 | 2,000銘柄超 | - | - | - |
DMM.com証券 | 1,629銘柄 | - | - | - | - |
楽天証券は外国株の取り扱いが少なくはないですが、国の数だけで言えばSBI証券が豊富ですし、中国株もSBI証券やマネックス証券の方が取り扱い銘柄数は多くなっています。
③楽天証券では使えない楽天ポイントがある
楽天証券では楽天ポイントで投資信託の購入代金の一部、またはすべてにポイントの利用ができますが、次の3つのポイントは利用できないので注意が必要です。
1.有効期限切れのポイント
ポイント投資では、投資信託の申込日が有効期限内のポイントのみ利用できます。
2.期間限定ポイント
特定のキャンペーンなどで付与されたものや、SPUで獲得した楽天ポイントはポイント投資に使えません。
3.他ポイントから交換した楽天ポイント
楽天証券ポイントコースのポイントを手動で楽天ポイントに交換した分もポイント投資に使えなくなります。ただし、楽天証券ポイントコースから楽天ポイントコースにコースを変更した際、自動的に楽天ポイントに交換された分はポイント投資に利用できます。
LINE証券のメリット
Q.LINE証券を利用するとどんなメリットがあるの?
A.LINE証券の特徴を一言で表せば、「投資に対するハードルの低さ」です。LINEはメッセージアプリとしてとても利用者が多いですし、そのLINEから証券ページに直接行けることで、これまでパソコンやアプリを開かなければできなかった投資へのアクセスが非常に簡単になります。さらに、取り扱っている商品も少額から投資できるものが多数揃っています。

ここではLINE証券のメリットを以下の7つに絞ってご紹介します。

- 気軽にIPOに応募できる
- LINEアプリから簡単に始められる
- LINEポイントも投資に使える
- セキュリティ対策もしっかりされている
- 「株のタイムセール」がお得
- LINE Payが使える
- 投資できる時間が長い
1つずつ詳しく見ていきましょう。
①気軽にIPOに応募できる
LINE証券のメリットとしてまず知っておきたいのが、簡単にIPOに応募できることです。
LINE証券はLINEグループと野村グループの共同出資で誕生した証券会社です。野村グループの野村證券はIPOの引受実績が常にトップクラスで、LINE証券はその野村證券主幹事の銘柄を取り扱うため、ユーザーにもIPO銘柄の選択肢が広がります。
LINE証券のIPOサービスでは、抽選の申し込み時と当選後の購入時手数料が無料ですし、IPO関連情報や当選結果が「LINE」でタイムリーに届くため、IPO関連情報を見落とすことなくスムーズに取引できます。これらの特徴によって、初心者の人にもIPO投資が始めやすい環境が整っているといえるでしょう。
②LINEアプリから簡単に始められる
総務省が2021年8月に発表した「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、LINEは今や日本人の90%が利用しているツールになっています。この、いつも使っているLINEから投資を始められるのがLINE証券の人気の理由の1つです。
LINE証券は特別なアプリをダウンロードする必要がありません。LINEの「ウォレット」からアクセスします。口座開設もスマホで完結しますし、トップページに行くと株価の情報などが表示され、すぐに取引ができるようになります。
いちいちパソコンを開いてログイン画面に情報を入力するような手間もないので、隙間時間や移動時間を利用して投資をしたい人にピッタリです。
操作がシンプルで視覚的にわかりやすい

ネット証券の画面をスマホから見ると、レイアウトが密になっていたり、字が小さくて見づらいことがあったりしますが、LINE証券は初めからスマホで操作することを前提に作られているので、文字も大きく1画面に表示される情報もシンプルです。
チャート画面は投資初心者でも直感的にわかるようになっていますし、ローソク足での表示や移動平均線などもワンタップで表示・非表示が選べます。
実際に株の取引をしている間に購入方法を変えたくなっても、画面を移動することなくその場で素早く切り替えられます。ストレスなく取引が完結できるような操作性が特徴です。
投資情報がLINEで送られてくるので情報収集が簡単
投資には投資情報の収集が欠かせませんが、LINE証券ではこの投資情報もすべてLINE上で得ることができます。
まずトップページに行くとすぐ、「割安な銘柄」や「人気優待銘柄」「高業績予想銘柄」など20種類以上のカテゴリーが用意されており、投資したい株をすぐに見つけられます。
また企業の決算発表の内容は、わかりやすいレポートになってLINEで通知が来ます。
ニュース、業績情報はもちろん、PER・PBRといったファンダメンタルズ情報からアナリスト評価までわかりやすく表示されますし、株主優待情報や配当情報も充実しいているため、じっくり保有するスタンスで株を始めたい人にもおすすめです。
③LINEポイントも投資に使える
LINE証券ではLINEポイントでも投資ができます。1ポイント=1円で入金ができるほか、つみたて投資にもLINEポイントが使えるため、ポイント次第では元手が0でも投資を始めることができます。
LINEポイントを貯めるには、まずLINEアプリの「ウォレット」内にある「ポイントクラブ」にアクセスします。LINEポイントクラブでは、「ゲームプレイ」「動画を見る」「マンガを読む」などさまざまなミッションが展開されており、それらをクリアするとLINEポイントが貯まる仕組みになっています。
また、「LINEショッピング」や「lacore」、「LINE PLACE」などのLINEサービスを利用することでもポイントが貯まります。こういったLINEポイントが貯まるサービスは現在も拡大中です。
④セキュリティ対策もしっかりされている
簡単に投資ができる分、セキュリティ面で心配になる人もいると思いますが、LINE証券では外部からの侵入や攻撃に対し、堅牢なファイアウォールやアクセス監視を実施するとしています。
万が一LINEアカウントを乗っ取られた場合でも、LINE Payへ出金する際には必ず暗証番号が必要になります。暗証番号が漏洩しない限り、勝手に送金や出金されることはないといえるでしょう。
ただし、LINEアプリからLINE証券にアクセスするのにログインは不要なので、スマホの画面ロックを設定したり、暗証番号を第三者に推測されにくいものにしたり、またLINEアプリのパスコードロックを設定したりすることが推奨されています。
また公共の場に設置されている鍵のないWi-Fiでは利用しないなど、基本的な対策はしっかりと自分で行うようにしましょう。
⑤「株のタイムセール」がお得
LINE証券では株のタイムセールを始め、お得なキャンペーンが随時実施されています。
「株のタイムセール」とは
LINE証券の株のタイムセールとは、対象銘柄が3%、5%、または7%オフの割引価格で買えるキャンペーンのことです。
対象銘柄は毎回最低5銘柄が選定され、参加者全員が割引価格で買える権利があります。ただし買える銘柄は1人1銘柄のみで、銘柄ごとにタイムセール取扱上限数が決まっています。上限数に達するとセールでの取り扱いは終了になります。
タイムセールでの取引は、通常かかる取引コストも0円になります。
つまり、このタイムセールを利用すると、例えば1株1万円の銘柄を7%オフで5株買った場合、通常5万円+取引コストの資金が必要になるところが、4万6,500円で購入できることになります。
その他のキャンペーンも充実
LINE証券では株のタイムセール以外にも、様々なキャンペーンが随時実施されています。2022年3月時点では、次のようなキャンペーンが実施中です。
初株チャンス | 口座開設+クイズ正解で最大3,000円相当の株がもらえる + 翌月末までに1万円以上の株取引で2,000円プレゼント |
---|---|
友だち招待プログラム | 招待URLから口座開設した友だちの人数×500ポイント(最大5万ポイント)がもらえる |
FX口座開設&1取引 | LINE FX口座開設&1取引で最大5,000ポイントもらえる |
アフタヌーンセール | 毎週水曜日、いちかぶの取引コストが0円になる |
アフタヌーンセールEX | 毎週木曜日現物取引手数料が全額キャッシュバックされる |
⑥LINE Payが使える
スマホのおサイフサービス「LINE Pay」を利用すれば、手数料無料で入出金が簡単にできます。
LINE Payは、LINEユーザーなら誰でも登録可能なサービスです。銀行口座、コンビニ、ATMで簡単にチャージができますし、LINE Pay加盟店ではスマホで簡単に支払いができるほか、LINEの友だちに手軽に送金することもできます。
LINE証券への入出金は、クイック入金、銀行入金でも行えますが、LINE Payを使うと即時に反映され、スムーズに取引に移れます。
また、LINE証券への入出金だけでなく、普段の支払いをLINE Payのコード支払いで行うことで貯まるLINEポイントも、投資に回すことができます。
このように、LINE証券とLINE Payはとても相性が良い組み合わせです。どちらもLINEアプリから利用できるので、LINE証券を始めるならLINE Payで入金してみましょう。
⑦投資できる時間が長い
LINE証券では、「いちかぶ」という株を1株から取引できるサービスがあります。
いちかぶとは、LINE証券の単元未満株の愛称です。一般的な株式取引は100株単位(単元株)での取引となりますが、いちかぶでは1株単位(単元未満株)で取引できます。いちかぶでも配当金を受け取れるほか、条件を満たせば株主優待も受け取れます。
出典:LINE証券「いちかぶ(単元未満株)」
いちかぶの取り扱い銘柄は、取引時間と取引手数料がそれぞれ異なるグループAからグループDまで4つのグループで区分されており、各グループの取引時間は次のようになっています。
グループ | 取引時間 |
---|---|
A | 9:00〜11:20、11:30〜12:20、12:30〜14:50、17:00〜21:00 |
B、C、D | 9:00〜11:20、12:30〜14:50 |
通常、国内株を取引できる時間は、証券取引所の取引時間である9:00〜11:30と12:30〜15:00(東京証券取引所以外は15:30)となっていますが、LINE証券いちかぶのグループAの銘柄は夜21:00まで取引できることがわかります。
昼間は仕事があり投資が難しいという人でも、帰宅後に取引できるのはありがたいのではないでしょうか。
LINE証券のデメリット
Q.LINE証券にデメリットはないの?
A.スマホ1台で簡単に口座開設でき、投資も直感的にできることで投資初心者におすすめのLINE証券ですが、わかりやすさを追求している半面、取り扱い商品の種類を絞っていたり、難しい分析などは省略していたりする傾向があります。幅広い金融商品をしっかり分析して戦略的に投資を行いたい人は物足りなさを感じるかもしれません。
LINE証券を利用するにあたってデメリットと言えるのは次の3点です。

- 外国株の現物取引がない
- 一般NISAの取り扱いがない
- テクニカル分析ができず、上級者は物足りないかも
1つずつ順番に見ていきましょう。
①外国株の現物取引がない
バブル以降軟調な経済が続いていた日本に代わり、外国の株式、特にGoogleやApple、Amazon、Netflixなど有名な企業が多いアメリカ株へのニーズが高まっています。
LINE証券ではアメリカ株への投資はCFDという特殊な取引を通して行われます。
CFDとは、Contract For Differenceの略で、日本語では「差金決済取引」といいます。 差金決済とは、直接の現金の受け渡しを行わず、反対売買によって生じた差額を授受する決済方法のことです。証拠金を預託して直接原資産の買い付けを行わないFX取引はCFDの一種です。
出典:SMBC日興証券「初めてでもわかりやすい用語集」
つまり、現物取引ではなく、いわゆるレバレッジを利用して実際の手持ちのお金よりも大きな金額を取引する形です。
少ない資金で利益が期待できますが、その分リスクも高くなるので、心配な人は現物取引ができる証券会社から始めた方が良いでしょう。
②一般NISAは取り扱いがない
LINE証券ではつみたてNISAは利用できるものの、一般NISAは提供されていません。
20歳以上が利用できるNISAには一般NISAとつみたてNISAがあり、主な違いは次のとおりです、
一般NISAとつみたてNISAの違い
一般NISA | つみたてNISA | |
---|---|---|
非課税対象 | 株式・投資信託等への投資から得られる配当金・分配金や譲渡益 | 一定の投資信託への投資から得られる分配金や譲渡益 |
非課税投資枠 | 新規投資額で毎年120万円まで (非課税投資枠は最大600万円) |
新規投資額で毎年40万円まで (非課税投資枠は最大800万円) |
非課税期間 | 5年 | 20年 |
投資可能期間 | 2014年~2023年 | 2018年~2042年 |
投資対象商品 | 株式投資 投資信託 ETF REITなど |
長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 |
一般NISAは2024年以降、「新しいNISA」に見直される予定です。伴いLINE証券でも2024年以降、一般NISAが提供される可能性はあります。
③テクニカル分析ができず上級者は物足りないかも
LINE証券は操作画面がどれもシンプルに作られており、直感的に操作ができる一方で、チャートの分析機能は必要最小限に抑えられています。
したがって、テクニカル分析を用いた投資を行いたい上級者には物足りなく感じるかもしれません。
- テクニカル分析 -
出典:野村證券「証券用語解説集」
移動平均線、株価チャートなど、株価データの「型」(=パターン)を基礎に、相場の先行きを予測する手法。 「株価は株価に聞け」という相場格言にもあるように、投資家心理が株価形成に反映され、こうして決定された市場価格は全ての情報を織込んでいるという考え方に基づいている。
楽天証券とLINE証券の使い分け例
Q.楽天証券とLINE証券、両方とも使いたいけど、どちらも使うとややこしくならない?
A.2つの証券会社はメリット・デメリットが大きく異なるので、両方とも使って双方のメリットを最大限に生かしたいと考えるのは自然な流れです。ただし、その日の気分によって利用する証券会社を変えたり、やみくもにすべてのサービスを利用したりすると資産管理ができなくなります。
ここでは楽天証券とLINE証券のおすすめの使い分け方法を2つご紹介します。
①投資商品ごとに使い分ける

商品ごとのおすすめの使い分けは次のようになります。
楽天証券 | 外国株式、投資信託、IPO、iDeCo、つみたてNISA |
---|---|
LINE証券 | 国内株式、IPO |
外国株の銘柄数や投資信託の取り扱い本数は楽天証券に分があります。これはiDeCoやつみたてNISAなど、主な運用商品が投資信託であるサービスでも同じです。
一方LINE証券は、国内株式の取り引きを柔軟に行えるのが特徴です。現物株式や信用取引はもちろん、いちかぶ(単元未満株)では1株単位で少額から株式投資ができます。
IPOに関しては、前述のように複数の証券口座を利用した方がいいでしょう。
②投資レベルによる使い分け
商品ごとではなく、次のように自分の投資レベルによって使い分け方を変えるのもおすすめです。
投資レベル | LINE証券 | 楽天証券 |
---|---|---|
初級 | ひとかぶ(単元未満株) | つみたてNISA |
中級 | 国内株式(現物取引、ひとかぶ) | (初級+)外国株、投資信託、iDeCo |
上級 | - | (中級+)その他すべての商品 |
【投資を始めたばかりの初級者】
まずLINE証券の「ひとかぶ」でスキマ時間に投資に触れてみましょう。さらにコツコツ資産を貯めるなら積み立て投資ですが、はじめはつみたてNISAがおすすめです。短期的に売買するものではないので、時間があるときに楽天証券のパソコン画面でじっくりと投資商品を選びましょう。
【投資に慣れてきた中級者】
ポイントは「分散投資」です。国内のさまざまな業種の会社を組み合わせるのはもちろん、投資を外国資産にも回すとさらに分散効果が高まります。外国株なら銘柄数が豊富な楽天証券がおすすめです。
【デイトレードをするような上級者】
株式を始め、先物・オプション、FXなどの幅広い商品を扱う上級者は、直感的に操作できるLINE証券のツールでは物足りなく感じるかもしれません。LINE証券はリアルタイムの情報収集にとどめ、楽天証券で詳細に分析をしながら投資を行いましょう。
楽天証券とLINE証券の口コミ
Q 証券会社の口コミは参考にすべき?
A 利用者の生の声は参考になります。ぜひチェックしましょう。ただし人によって感じ方は違うので口コミの内容を鵜呑みにはせず、あくまで参考程度にしておくのが賢い利用法です。
楽天証券とLINE証券の口コミを集めました。
楽天証券の口コミ

つみたてNISAなら、取り扱っている商品数は満足できるかと思います。楽天ポイントが改悪されたところは大きなデメリットです。個人的には楽天証券を利用するメリットがなくなりました。
出典:Wealth Bridge編集部がクラウドワークスで調査
画面の操作性が良いです。商品数も豊富で、手数料が安いです。そして楽天ポイントが最大のメリットです。残念ながらポイント制度の変更で昔ほどお得ではないのですが……それでも1%でもポイントがつくのは大きいです。
出典:Wealth Bridge編集部がクラウドワークスで調査
IPOの取扱銘柄が弱いことと、外国株の取扱銘柄が他のネット証券と比較すると少ないのがデメリットです。この2つを改善してほしいです。特にIPOの取扱銘柄をもっと増やしてほしい。
出典:Wealth Bridge編集部がクラウドワークスで調査
楽天銀行、楽天市場と合わせて利用することで楽天ポイントが貯まりやすくなります。またそのポイントは投資にも使えるので、運用の成績がその分上がります。公式ホームページが使いやすく、記載も分かりやすくて売り買いしやすいのでとても便利です。
出典:Wealth Bridge編集部がクラウドワークスで調査
楽天銀行や楽天市場、楽天ひかりなども使っているいわゆる楽天経済圏の人にとっては、ポイントも貯まりやすく、良い証券会社だと思います。楽天銀行との連携で銀行の金利が高くなるのもメリットです。 デメリットとしては、コールセンターの電話がつながらない点です。先日もかけたのですがつながらず、結局諦めました。また期間限定ポイントが使えず、通常ポイントしか使えない点も不満です。
出典:Wealth Bridge編集部がクラウドワークスで調査
LINE証券の口コミ

単元未満株が購入できるところが良い。キャンペーンも充実しているため、誰でも簡単に投資に挑戦できるのが魅力的。取り扱い銘柄が少ないので、大手証券会社並みにしてほしい。
出典:Wealth Bridge編集部がクラウドワークスで調査
LINE証券のいいところは、手軽に株を買えるということです。ひとかぶというサービスがあるので、1株から株を買えて、安いものなら100円程度で買えます。何十万円だと怖いですが、数百円ならやってみようかなと思えるところが良いです。
出典:Wealth Bridge編集部がクラウドワークスで調査
アプリが視覚的にわかりやすく、初心者にもやさしいところが良い点です。無料キャンペーンを利用して、まったく証券に馴染みのない私でも簡単に始められました。投資が今までより身近に感じられ、日々上がり下がりする株価を見るのも楽しめます。
出典:Wealth Bridge編集部がクラウドワークスで調査
口座開設キャンペーンが始めてみようというきっかけでした。LINE Payから気軽に購入できるので支払いがとても楽でした。今はNISAのお試しとして利用しています。いまいちな点として、今まで支払った額やその結果の見方がよくわかりません。LINEから開くのも面倒なので、別のアプリがあると嬉しいです。
出典:Wealth Bridge編集部がクラウドワークスで調査
サイトの作りがシンプルで分かりやすく、操作しやすいです。またポートフォリオも円グラフになっているので視覚的にわかりやすい。クリック数も少なく、知りたい情報にすぐに辿り着けるのが魅力です。
出典:Wealth Bridge編集部がクラウドワークスで調査
楽天証券がおすすめなのはどんな人?
Q.どんな人が楽天証券を選べばいいの?
A.楽天証券は、証券会社の中でも特に幅広い商品を取り扱う、いわば「オールラウンダー」な証券会社です。分野は違いますが、家電販売店でいうところの、品揃えが豊富で価格も低水準なヤマダデンキやビックカメラなどをイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。1つの証券会社でいろいろやってみたいという人は楽天証券を選ぶといいでしょう。楽天証券はどんな商品の売買においても、コスト面で大きな損はしないという安心感があります。

楽天証券がおすすめな人
複数の証券口座を持つのが面倒で、できれば1つの証券会社で幅広い商品に投資したい人には楽天証券がピッタリです。
楽天証券はほとんどすべての種類の商品を取り扱っており、それぞれの商品数も多くコストも安いため、この証券口座1つでも十分な投資ができます。
楽天証券はやめた方がいい人
少額から国内株式に投資したい人は向いていません。楽天証券では唯一、ミニ株(単元未満株)のサービスがありません。したがって、投資資金は多くないけど国内の個別株を買いたいという人は違う証券会社を選ぶ方がいいでしょう。
LINE証券がおすすめなのはどんな人?
Q.LINE証券はどんな人が利用するといい?
A.LINE証券は、とにかく少額から、極端に言えば元手0円から、スマホだけで投資を行うことができる手軽さが最大のポイントです。投資を難しいものと考えずに、たとえ失敗してもそれほど損をしない範囲で始めてみたい人におすすめです。

LINE証券がおすすめな人
LINE証券がおすすめなのは、ズバリ、投資を始めたいと思いつつこれまで一歩が踏み出せないでいた人です。
LINE証券では、使い慣れたLINEから口座開設するだけで簡単に投資を始めることができます。投資資金がなくても投資ができるので、投資の入り口にピッタリです。
LINE証券はやめた方がいい人
逆に、自分でしっかり分析し、いろいろな商品を比較してから投資を行いたい人には向きません。LINE証券では商品数がそれほど多くなく、分析ツールもわかりやすい半面、詳細な分析用には作られていないからです。
楽天証券の口座開設手順
Q.楽天証券で投資をしたい!どうすれば口座を開設できるの?
A.楽天証券の口座開設はホームページから申し込みます。必要書類などはパソコンからアップロードできるので、早ければ最短5分で申し込みが完了します。
楽天証券の口座開設までの手順は、次の通りです。

①口座開設の申し込み
楽天証券ホームページ内の「口座開設」ボタンを押して申し込みを開始します。メールアドレスを登録すると、確認のメールが送信されるので、記載されているURLから申し込みを続けます。
②本人確認書類の選択・提出
提出する本人確認書類と確認方法を選びます。
提出する本人確認書類 | 運転免許証または個人番号カード | 左以外、もしくはスマホを持っていない |
---|---|---|
確認方法 | スマホで本人確認 | 書類アップロードで本人確認 |
③本人情報の入力
氏名・住所などの本人情報を入力します。「スマホで本人確認」を選択した場合、ログインパスワードの登録があります。
④ログインIDの受け取り
楽天証券での審査が終わると、ログイン用のIDが送付されます。審査には1〜3営業日かかります。「スマホで本人確認」を選択した場合はログインIDはメールで、「書類アップロードで本人確認」を選択した場合はログインIDとパスワードが郵送で送られます。
⑤初期設定(マイナンバーの提出)
ホームページの「ログイン」からIDとパスワードを入力してログインします。ログイン後、取引をはじめる際に必要な暗証番号、手数料コース、ポイントコースなどの初期設定をします。
初期設定後、本人確認に個人番号カードをスマホで提出した人以外は、マイナンバー登録画面に移動します。マイナンバーの登録が完了すると取引が可能になります。
LINE証券の口座開設手順
Q.LINE証券で簡単に投資を始めたい。どうすれば口座を開設できる?
A.LINE証券はスマホでの利用をベースに考えられているため、口座開設の申し込みもスマホから簡単にできます。事前に本人確認書類を準備しておけば、あとはスマホ画面の手順に従うだけで取引ができるようになるはずです。
LINE証券の口座開設手順は次の通りです。

①事前準備(本人確認書類の準備
本人確認書類は以下のいずれかの組み合わせで事前に準備しておきましょう。
- マイナンバー通知カード+運転免許証
- マイナンバー個人番号カード
- マイナンバー入りの住民票の写し+運転免許証
- マイナンバー入りの住民票の写し+健康保険証
②口座開設の申し込み
口座開設ページを開いて、「はじめる」ボタンをタップします。

③本人情報の入力
画面の案内にしたがって、本人情報を入力します。

④携帯電話番号の認証
携帯電話番号を入力すると、SMSで認証番号が送られてきます。
⑤本人確認書類の登録
①で選択した本人確認書類の組み合わせを選択します。マイナンバーの提出は後でも可能です。

なお、オンライン上で本人確認が可能な「かんたん本人確認」を利用すると、最短翌営業日から取引ができるようになります。スマホでマイナンバー個人番号カードまたは運転免許証を撮影します。
⑥暗証番号の設定
6桁の暗証番号を設定します。
⑦口座開設の申し込みの完了
LINE証券で審査が完了すると、取引開始手続きの案内が送られます。

⑧取引開始手続き
かんたん本人確認の場合はLINEメッセージで、その他の場合は郵送ハガキで審査完了のお知らせが届きます。取引開始手続きを行い、最後に簡単なアンケートに答えると、取引ができるようになります。
その他の証券会社も検討を!目的別おすすめ証券会社
Q 証券会社はたくさんありすぎて迷ってしまいます。どう選べばいい?
A 投資の目的や自身のこだわりによって選ぶといいでしょう。例えば、低コストで取引したい場合は手数料の安い証券会社を、ツールの使いやすさにこだわりたいならツールに定評のある証券会社を選ぶ、などです。また1社に絞らず、いくつかの証券会社を使い分けるのもいいでしょう。
複数の証券を組み合わせることのメリットは紹介しましたが、楽天証券やLINE証券以外にも独自の強みを持つ証券会社は数多くあります。投資の目的に応じ、他の証券会社も組み合わせてみましょう。
低コストで取引したいならここ!

頻繁に金融商品を売買する人にとっては、取引にかかる手数料をできるだけ低く抑えたいはずです。現在人気のあるネット証券は全体的にコストが下がっていますが、今回ピックアップした「SBIネオトレード証券」「DMM.com証券」「SBI証券」は特に安く設定されています。
それぞれの証券会社ごとの、国内現物株取引と信用取引、外国株式の手数料を比べてみましょう。
SBIネオトレード証券 | DMM.com証券 | SBI証券 | ||
---|---|---|---|---|
国内現物株式 (1約定ごと) |
10万円 | 88円 | 88円 | 99円 |
50万円 | 198円 | 198円 | 275円 | |
100万円 | 374円 | 374円 | 535円 | |
300万円 | 660円 | 660円 | 1,013円 | |
国内株式 (1日定額制) |
10万円 | 0円 | - | 0円 |
50万円 | 0円 | - | 0円 | |
100万円 | 0円 | - | 0円 | |
300万円 | 1,540円 | - | 1,691円 | |
信用取引 (1約定ごと) |
10万円 | 0円 | 88円 | 99円 |
50万円 | 0円 | 88円 | 198円 | |
100万円 | 0円 | 88円 | 385円 | |
300万円 | 0円 | 88円 | 385円 | |
信用取引 (1日定額制) |
10万円 | - | - | 0円 |
50万円 | - | - | 0円 | |
100万円 | - | - | 0円 | |
300万円 | - | - | 1,320円 | |
外国株式 | - | 0円 | 0.495%(最低0ドル、上限22ドル) |
SBIネオトレード証券

SBIネオトレード証券は、SBI証券と同じSBIグループの証券会社です。SBI証券との大きな違いは、SBI証券がいろいろな商品を取り扱っているのに対し、SBIネオトレード証券は国内株式・信用取引を中心にサービスを提供している点が異なります。
国内株式・信用取引の手数料を見ると、約定ごとにかかる手数料も、1日定額コード利用料も、3社の中で最も安いことがわかります。特に信用取引の取引手数料が金額にかかわらず無料なので、信用取引を考えている投資家には特におすすめです。
DMM.com証券

DMM.com証券はECサイト「DMM.com」を要するDMMグループの証券会社です。1日定額制のコースはないものの、約定ごとの手数料はネット証券の中でも業界最安値水準となっています。
信用取引に関しても、300万円以下では88円の手数料がかかりますが、300万円を超える取引では無料になるので、高額な信用取引に向いていると言えるでしょう。
後ほど「米国株への投資におすすめの証券会社」でも紹介しますが、米国株の取引手数料は約定代金にかかわらず一律0円となっています。
SBI証券

SBI証券は楽天証券と並び、ネット証券の最大手の1つです。手数料は、約定ごとに手数料がかかるコース(スタンダードプラン)と1日定額コース(アクティブコース)の2種類があり、どちらも業界最安値の水準で提供されています。
この手数料プランは当日の23時29分までに変更の手続きをすれば、翌日0時からプランが変更できます。つまり、100万円以下の取引ならアクティブプランを、それ以上ならスタンダードプランを利用するといった使い分けが可能です。プラン変更は何回でもできるので、タイミングに合わせてうまく使い分けることができます。
老後の資産形成ならここ!

老後の資産形成をしたいから投資を始めたという人も多いのではないでしょうか。投資にはいろいろな種類がありますが、老後資金は必要となるのがかなり先で、かつ失敗が許されないお金です。したがって証券会社を選ぶときは、つみたてNISAやiDeCoなど、長期の積立投資に関する優遇制度が充実しているかをまず見ましょう。
また、証券会社自体が将来的にも安定して運営されるかも気になるポイントです。ここでは老後の資産形成におすすめな証券会社として、「松井証券」「SBI証券」「マネックス証券」について詳しく見ていきます。
松井証券 | SBI証券 | マネックス証券 | ||
---|---|---|---|---|
商品本数 | 投資信託 | 1,500本以上 | 2,680本 | 1,239本 |
つみたてNISA | 173本 | 178本 | 152本 | |
iDeCo | 40本 | 37本 | 27本 | |
企業の安定度 | 格付け | (R&I)BBB+ (JCR)- |
(R&I)A- (JCR)A- |
(R&I)- (JCR)BBB+ |
自己資本規制比率 (2021年12月末) |
668.2% | 294.7% | 320.1% |
松井証券
松井証券は100年以上の歴史を持つ老舗証券会社です。しかし日本で初めて本格的なインターネット取引を導入した、革新的な証券会社でもあります。
老後資金形成のための優遇制度の商品数も、つみたてNISAの投資信託173本、iDeCo40本と、証券会社の中でもトップクラスの品揃えです。
格付投資センター(R&I)からBBB+の格付けを取得しており、また、金融証券取引法によって120%を下回らないように定められている自己資本規制比率は668.2%となっており、財務状況も安心できます。
財務状況に加え、Webサイトの文字が大きく見やすいことなどから、松井証券の個人口座の4割は50歳以上となっています。高齢になっても安心して利用できるはずです。
SBI証券
SBI証券も、つみたてNISAの投資信託数178本、iDeCoの取扱商品数37本と、充実したラインナップとなっています。さらに、SBI証券では投資信託よりリスクが低いと言われる債券や、資産価値がゼロになるリスクがない「金・プラチナ」など、老後資産の運用先として向いている商品が幅広く揃っていることもメリットでしょう。
R&Iと日本格付研究所(JCR)どちらからもA-の格付けを取得しており、今回取り上げた3つの証券会社の中で最も安定的と評価されています。
マネックス証券
マネックス証券は、iDeCoやつみたてNISAなどの取り扱い商品数は上記2社に劣りますが、それでも必要十分なラインナップは揃っています。
マネックス証券の特徴は、日々更新されるオリジナルレポートや、幅広い情報が提供される投資情報メディア、そして投資についてなんでも話せるSNSなどの投資情報が充実している点です。しっかり勉強して老後に備えたい人におすすめです。
取引ツールの使いやすさならここ!

ネット証券では自分で情報を分析し、自分でインターネット取引を行うのが基本なため取引ツールはとても重要です。したがってネット証券では、使い勝手が良く、情報提供が優れ、豊富な機能を持つ取引ツールの開発が進められています。
ここでは特に機能が優れていると思われる「岡三証券」「SBI証券」「auカブコム証券」の取引ツールを取り上げています。
岡三証券 | SBI証券 | auカブコム証券 | ||
---|---|---|---|---|
PC用取引ツール | 岡三ネットトレーダープレミアム | HYPER SBI 2 | Kabu ステーション | |
注文方法 | チャート注文 | × | ○ | ○ |
板注文 | ○ | ○ | ○ | |
特殊注文 | 逆指値注文 OCO注文 トレール注文 IFDONE注文 |
逆指値注文 IFD注文 OCO注文 IFDOCO注文 |
逆指値注文 W指値注文 Uターン注文 リレー注文 ±指値注文 トレーリングストップ など |
|
スマホ用ツール | 岡三ネットトレーダースマホ | SBI証券株アプリ | - | |
その他サポートツール | 岡三かんたん発注 | My資産 | カブナビ |
岡三証券

岡三証券のメイン取引ツール「岡三ネットトレーダープレミアム」は、2022年1月に岡三証券に合併された岡三オンライン証券で生まれた高機能取引ツールです。板発注機能が使いやすく、特殊注文も高機能です。
また、別の取引ツール「岡三かんたん発注」は、文字も操作ボタンも大きく、投資初級者にもやさしい作りになっています。
SBI証券

SBI証券のメイン取引ツール「HYPER SBI 2」は2022年1月に提供が開始されたばかりの最新のツールです。相場情報が一目瞭然のヒートマップや、銘柄情報・値動きが視覚的に把握できるタイル・株価ボード表示など、一覧情報がさらに見やすくなっています。
板発注に加え、逆指値、IFD、OCOなどの特殊注文も充実しています。さらに「HYPER SBI」では搭載されていなかったチャート上での注文や、注文訂正もできるようになりました。
auカブコム証券

auカブコム証券が提供する「kabuステーション」は、国内現物株式、国内信用取引、米国株式、先物・オプション取引の発注機能を兼ね備えた高機能サービスです。特に、株価が高値から指定した金額に下がった時点で成行で売却するトレーリングストップなど、豊富な自動売買機能が特徴です。
有料ツールになりますが、前月の約定回数が1回以上や信用取引口座を開設すると無料になります。
auカブコム証券ではスマホ用の取引アプリが充実していない点が残念な点と言えます。
つみたてNISAを始めるならここ!

取り扱い商品が長期・積立・分散に適した投資信託のみに限られているつみたてNISAは、投資初心者が最初に始める積立投資として、また老後の資産形成のツールとしても注目が集まっています。
そんなつみたてNISAにおすすめな証券会社は、「SBI証券」「松井証券」「auカブコム証券」の3つです。
SBI証券 | 松井証券 | auカブコム証券 | |
---|---|---|---|
投資信託本数 | 178本 | 173本 | 164本 |
最低積立金額 | 100円 | 100円 | 100円 |
積立頻度 | 毎日、毎週、毎月 | 毎月 | 毎月 |
つみたてNISAで取り扱う投資信託は、基本的にノーロードと言われる販売手数料が0円の商品です。したがって、手数料の面では証券会社によって差はつきにくくなっています。
上記3社はつみたてNISAを始める時に最も大切な「投資信託本数」が豊富で、少額から始められる点が優れています。それぞれの証券会社について、詳細をご紹介します。
SBI証券

SBI証券は、つみたてNISAを選ぶ上で重要な投資信託数の豊富さ、最低積立金額の低さ、そして積立頻度の自由度の3つの点すべてで優れています。
取り扱い商品数は178本と、1位の楽天証券180本に次いで2位の品揃えですし、毎月が基本の積立投資で毎週や毎日が選択できる点も魅力的です。
つみたてNISAをクレジットカード(三井住友カード)で行えるのも大きな特徴です。毎月クレカ積立をすることで、クレジットカード決済による「Vポイント」と投信マイレージによるポイントがダブルで獲得できます。
松井証券

松井証券は173本の投資信託を取り扱っており、毎月100円からつみたてNISAを始められます。
松井証券の特徴は、投資信託を保有することで毎日発生する「信託報酬」のうち、松井証券が受け取る信託報酬が0.3%を超える部分が利用者に還元されるサービスがあることです。還元方法は、Amazonギフト券や投資信託に使える「松井証券ポイント」か「現金」かを選ぶことができます
auカブコム証券

auカブコム証券のつみたてNISAも、投資信託本数と積み立てのはじめやすさで優れています。
そして、どの投資信託を組み合わせたらいいのか迷うという人のために、「FUND DRESS」が提供されているのが特徴です。これは、30着の中から直感でドレスを選ぶだけで、色彩心理額に基づいた自分にぴったりの投資信託が見つかるという、とてもユニークなサービスです。
米国株への投資ならここ!

GoogleやApple、Facebookなどの巨大企業を数多く有し、成長性が高いのが米国株です。主にネット証券を中心に米国株の取引手数料が低くなったことで、米国株への注目はますます高まっています。米国株に投資するならまずは「マネックス証券」「DMM.com証券」そして「PayPay証券」を知っておきましょう。
マネックス証券 | DMM.com証券 | PayPay証券 | |
---|---|---|---|
取扱銘柄数 | 個別株:4,559銘柄 ETF:350銘柄 |
個別株:1,627銘柄 ETF:185銘柄 |
個別株:146銘柄 ETF:26銘柄 |
取引手数料 | 約定代金の0.495% 最低0ドル〜上限22ドル |
0円 | 基準価格の0.5%〜0.7% |
為替手数料 | 買付時:0円 売却時:25銭 |
25銭 | 35銭 |
注文方法 | 成行、指値、逆指値 ツイン指値 トレールストップ |
成行、指値、IFDONE | 成行 |
※2022年3月23日時点
※データは各社公式サイトより
マネックス証券

マネックス証券の米国株の強みは、なんと言っても取扱銘柄数の圧倒的な多さです。個別株とETFを合わせると、実に5,000近くもの銘柄数が購入対象になります。
また、注文方法の種類も豊富です。
- 指値
- 成行
- 逆指値(指値とは逆の条件で売買をする)
- トレールストップ注文(株価の上昇幅、または下落幅に合わせて、逆指値注文のトリガーとなる価格をリアルタイムで自動修正する)
など
他の証券会社には無い注文方法があります。
DMM.com証券

DMM.com証券の強みは、取引手数料が約定代金に関わらず一律0円であることです。数あるネット証券の中でも最低水準のコストで米国株が売買できます。
取扱銘柄数はマネックス証券やSBI証券、楽天証券に劣りますが、それでも個別株、ETF合わせて1,800銘柄以上と十分な品揃えです。
PayPay証券

最後に紹介するPayPay証券は、取扱銘柄数が個別株146銘柄、ETF26銘柄と、他の証券会社に比べてかなり少なくなっています。手数料を比較してみても、特別に安いわけではありません。
なぜPayPay証券が米国株取引におすすめなのかというと、アメリカ株を1株単位ではなく、1,000円から買えるというメリットがあるからです。AmazonやGoogleなどの有名企業の株を買う場合、通常であれば数十万円の資金が必要になりますが、1,000円でこれらの企業の株を保有できるのは大きな魅力です。
PayPay証券もLINE証券と並んで、少額から気軽に投資を始められるスマホ証券として人気があります。米国株を体験してみたい投資初心者の人は、まずは1,000円から挑戦してみてはいかがでしょうか。
IPOにチャレンジするならここ!

IPOに当選するためには複数の証券口座を開設した方が確率は上がりますが、当選確率の低い口座を多く持つより、当選のしやすい口座から申し込む方が効率的です。
IPOを目的とする場合、重要なポイントは「過去の実績」と「抽選方法」、そして「事前入金が必要かどうか」の3つです。また、それぞれの証券会社に配分されるIPO株数のうち、どれぐらいの割合が抽選に回されるのかも確認しておきましょう。いくら抽選方法が平等であっても、ほとんどのIPO株が店頭販売に回されている証券会社では、抽選に当選する確率は当然低くなります。
ここでは、配分されるIPO株の多くを抽選に回している証券会社のうち、特におすすめな証券会社である「SBI証券」「マネックス証券」「岡三証券」をご紹介します。
SBI証券 | マネックス証券 | 岡三証券 | ||
---|---|---|---|---|
IPO実績 | 2021年 | 122社 | 66社 | 49社 |
2020年 | 85社 | 50社 | 45社 | |
抽選方法 | 60%:1単元1票の平等抽選 30%:IPOチャレンジポイント 10%:裁量配分 |
100%完全平等抽選 | 100%完全平等抽選 | |
事前入金 | 必要 | 必要 | 不要 |
※2022年3月23日時点
※データは各社公式サイトより
SBI証券

SBI証券の強みは、なんと言っても圧倒的なIPO取扱銘柄数の多さです。2021年にはIPO企業全125社のうち、97.6%にあたる122社を取り扱いました。これはネット証券だけでなく、野村證券や大和証券など大手の総合証券を含めてもダントツの実績です。
抽選方法にも特徴があり、個人向けに配分される予定株数の60%は、申し込み株数に応じて平等に抽選が行われます。つまり、この配分は申込数が多ければ多いほど当選の確率は上がります。
30%に関してはIPOチャレンジポイントに応じて当選確率が変わります。
SBI証券 IPOチャレンジポイントとは
抽選に外れれば外れるほど貯まるポイントです。過去に抽選に外れた人ほど当選がしやすくなる工夫がされています。
マネックス証券

マネックス証券もネット証券としてはIPO株の取扱数が多く、2021年には66社の実績がありました。
マネックス証券の最大の特徴は、抽選方式が1人1票の完全抽選であることです。
SBI証券をはじめとする多くの証券会社では、申し込み株数に応じて票数が増えるため、結果として資金力がある人の当選確率が上がります。しかし、マネックス証券では申込株数に関わらず1人1票なので、資金が少ない人にも平等に当選するチャンスがあります。
岡三証券

岡三証券のIPOの強みは、抽選申し込みに事前入金が不要なことです。通常、IPOの抽選に参加するためには、当選した後実際に買える資金があるのを示すために、事前入金が必要になります。つまり、複数の証券会社で抽選に参加しようとすると、それだけ資金が必要になってしまいます。
岡三証券では入金は当選後でいいので、抽選に参加するだけなら無料でできます。つまり、投資資金を回すことなく、当選確率を上げることができます。
抽選方式もマネックス証券と同じく1人1票で、申し込み株数に関係なく平等にチャンスがありますが、岡三証券では90%の株数は過去の取引実績に応じて優遇された配分になります。
自分の投資スタイルに合わせて柔軟に使い分けよう
楽天証券とLINE証券は、それぞれ特徴が異なり、強みも異なります。投資の目的や、投資に関する知識の深まりに応じて柔軟に使い方を工夫していくことで、自分に合った使い分けを構築しましょう。
楽天証券とLINE証券のQ&A
Q.楽天証券が向いているのはどんな人でしょうか?
A.1つの証券会社で幅広い商品を取引したい人。
楽天証券は、豊富な種類の金融商品を業界最安値水準の手数料で提供している、ネット証券最大手の1つです。他の証券会社に取り扱いがあって楽天証券で取り扱いがないものはほとんどないですし、すべての取引の手数料も低く抑えられています。証券口座をいくつも持つのは管理が大変で、できれば1つに絞りたいという人にとっては、間違いなくおすすめな証券会社です。
Q.LINE証券が向いているのはどんな人でしょうか?
A.これから投資をはじめてみたい人。
LINE証券は、日本人の90%以上が使っているメッセージアプリ「LINE」から直接トップページに行ける手軽さが最大の魅力です。投資に興味があるけど、パソコンを起動して証券口座を申し込むのが面倒で一歩が踏み出せないでいる人は、まずはスマホで簡単に口座開設ができるLINE証券から投資を経験してみてはいかがでしょうか。
Q.両方で開設するメリットは?
A.うまく使い分けることで生活に合わせた投資スタイルを作れる。
楽天証券は商品も幅広く、投資情報も豊富です。じっくりと分析して投資をしたい人にも不足のない情報と機能が揃っています。ただし、普段仕事をしている人にとっては、いつもまとまった時間を投資に使えるとは限りません。一方、LINE証券はスマホで利用することを前提に設計されたいわゆる「ネット証券」ですので、スキマ時間で投資を完結することができます。つまり、投資信託の積立など、投資期間が長期に渡りじっくりと比較したいものに関しては楽天証券を、株の売買など短時間の取引にはLINE証券をなどと使い分けることで、いっそう自分の生活に合わせて投資を行うことができます。
Q.キャンペーンが充実しているのはどちら?
A.バリエーションの多さでは楽天証券。ただしLINE証券は国内株式に対するキャンペーンが多い。
楽天証券とLINE証券はどちらもキャンペーンが充実していますが、楽天証券の方は金・プラチナやFX、中国株などを新規で始める人を対象にしたキャンペーンが多いようです。対して、LINE証券は友だち招待プログラムや株のタイムセールなど、特に新しい取引を始めなくても対象となるキャンペーンが豊富なので、どちらの方が恩恵を受けれるかはその人の投資スタイルによりそうです。もちろん、楽天証券では取り扱い商品数が多いため、それに合わせたキャンペーンが多くなっているとも言えます。
Q.老後の資産形成を目的にしています。どちらがふさわしい?
A.長期的な資産形成には楽天証券の方が向いている。
まず、老後の資産形成ではじめに確認したいのが、iDeCoやつみたてNISAといった税制優遇制度が利用可能かどうかと、それらの制度での取り扱い商品の量と質です。楽天証券とLINE証券を比べてみると、どちらも2つの税制優遇制度は利用できますが、取扱商品数で大きな差があります。また、楽天証券は口座開設数でも証券会社全体で1位2位を争う最大手なので、資金の預け先としても安心感があるのではないでしょうか。
Q.低コストなのはどちら?
A.ほとんど差はないが、信用取引のコストはLINE証券の方が低い。
LINE証券と楽天証券はどちらも非常に低コストで取引が行える証券会社ですが、信用取引を積極的に行いたい方は、信用取引売買手数料が0円のLINE証券の方が低コストです。ただし、そもそもLINE証券は商品を「現物取引」「信用取引」「いちかぶ」「投資信託」に絞っていますが、現物株式と投資信託はどちらも同程度に安く、いちかぶ(単元未満株)は楽天証券の方に取り扱いがありませんので、差が出ているのが「信用取引」のみです。コスト面ではほとんど差がないと言っていいでしょう。
Q.楽天証券の一番のメリットは?
A.あらゆる手数料が業界最安値なこと。
商品の豊富さや楽天ポイントが貯まることなど、楽天証券には数多くのメリットがありますが、どれか1つを挙げるならやはり業界最安値水準の手数料です。楽天証券では株式現物取引、信用取引、投資信託、外国株、先物・オプションなどのあらゆる取引の手数料がどれも低く抑えられていますし、他の証券会社の手数料が下がると、それに合わせて楽天証券の手数料も改正することが多く、業界最安値に強いこだわりがあることが感じられます。
Q.LINE証券の一番のメリットは?
A.気軽に株投資にチャレンジできること。
LINE証券の1番のメリットは、なんと言っても気軽に投資がはじめられることです。株の売買は1株からできるので、銘柄を選べば数百円あれば株を買うことができます。また、LINEポイントで入金ができるため、元手0円でも株が買えます。現金が減る心配がない安心感は、投資へのハードルを大きく下げてくれるはずです。取引はもちろんスマホがあれば完結しますし、画面も直感的にわかりやすい作りとなっており、複雑な操作は一切不要です。