「鈍感力」、「質問力」、「雑談力」--。
ここ数年、このようにビジネスに役立つ能力を「〇〇力」という言葉で表し、その大切さを説く書籍や記事はちょっとしたブームになっています。
今回ご紹介するのは、資産形成をはかるうえでとても大切で、多くの会社員が当たり前のように持つ“あるチカラ”です。それに気づき、有効に活用できるかどうかが、資産形成を成功させるうえでの大きなポイントになるかもしれません。
会社員が持っていて起業家が持っていないチカラ
会社員なら多くの人が持っていて、資産形成において重要な力。
それは「信用力」です。
ローンを組む際、会社員であれば銀行の融資審査が通りやすいということを聞いたことがある人は多いでしょう。それはまさに、会社員の持つ「信用力」が成せる業。例えば、住宅ローンの場合だと、年収の数倍もの金額を融資してもらえることもあります。
会社員は、会社からの安定した収入があるという「信用」があるからこそ、多額の融資が可能となるのです。起業家やフリーランスだとそうはいきません。
これほど多額の資金を動かせる「信用力」という力は、資産形成において大きな武器となる可能性を秘めています。
マイホーム購入は単なる消費?
多くの人が持つ信用力ですが、実はそれを「資産形成」に有効活用している人はごく少数にとどまっています。
会社員の人がローンを組むといえば、その目的はマイホームや自動車購入などといった場合が多いのではないでしょうか。しかし、それは「信用力」を活用した資産形成であるとは言えません。
大都市にある住宅地や高層マンションは大きな価格上昇が続いていますが、一方、都市部を除いたエリアの不動産価格は下落傾向にあります。都心にマイホームを持つ層はごく一部ということを考えると、多くの場合は購入と同時に資産価格が下落し、含み損状態となったマイホームを保有する事となります。
別の言い方をすると、値下がり傾向にある不動産をマイホームとして購入する事や、価値の低下する自動車の購入は、単なる消費であるともいえるでしょう。
「信用力」を使って消費を行っているだけの状況では、いつまでたっても資産を効率良く増やす事はできないのです。
信用力と資産形成を結びつける「不動産投資」
それでは、信用力を活用した資産形成とはいったい何なのでしょうか。
代表的なものとしては、「不動産投資」が挙げられます。一般的な不動産投資は、住宅ローンを組んで不動産オーナーになり、それを運用することで資産を形成していきます。その際、会社員の「信用力」がとても重要になるのです。
不動産投資は、手元に潤沢な資本金がない普通の会社員でも始めやすく、うまくいけば大きなリターンも見込める、有効な資産形成の手法のひとつと言えます。
手頃な価格であることを理由にマイホームを選んだ人と比べると、将来の資産に大きな差がつく可能性も十分にあるでしょう。
不動産投資には正しい目利きが欠かせない
しかし、「いくら信用力があるといっても、不動産投資で多額の負債を抱えるのはリスクが大きくてちょっと……」と思う方もいるでしょう。たしかに、不動産投資はそれなりの知識と目利き力が必要不可欠です。
ただ、どんなに投資の知識ややる気があったとしても、「信用力」が低いためにスタートラインにさえ立てない人もいます。
自分は特別なものは何も持っていない、と思っている会社員のあなたも、すでに当たり前のように持っている「信用力」の効果をもう一度よく考えてみてはどうでしょうか。もしかしたら、将来の資産形成を担ってくれる強い味方になってくれるかもしれません。
文・Talei(フリー編集者・Webマーケター、JSA認定ソムリエ)
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