ヘンプという言葉、あまり聞いたことがないかもしれませんが、ヘンプは日本でいう「麻」のことを指します。

麻の実は日本では古くから馴染みのある「八穀」の一種。そばなどにかける七味唐辛子に入っている一味としても使われています。

最近、このヘンプの持つ素晴らしい栄養価が注目され、スーパーフードとして人気を集めています。

今回は、このスーパーフード、ヘンプシードについてご紹介していきます。

ヘンプとは?

ヘンプの原産地は中央アジアとされ、農薬や除草剤を必要としない生命力のある植物と言われています。

綿・木材・石油で製造されている全てのものはヘンプで作ることができ、根・葉・茎・実など、ヘンプには不要な部分はないとまで言われています。

食用とされるのは主に、ヘンプの実(種子)。海外では「ヘンプシード」と呼ばれています。

日本では、麻の栽培が規制されているため、入手できるほとんどのものは輸入物とされています。

ヘンプシードの特徴

<必須脂肪酸が豊富で、かつ理想的なバランス>

必須脂肪酸は、体内で生成することができず、食事で摂取する必要がある必須の栄養素。

脂質と聞くと太りそうと敬遠しがちですが、私たちが生涯、健康を維持するための重要な存在です。

この必須脂肪酸、「必須」というだけあり、不足すると皮膚の乾燥・脱毛・免疫不全など様々な症状を引き起こすと言われています。

このような、体に重要である必須脂肪酸を豊富に含むのがヘンプ。

ヘンプは必須脂肪酸のオメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸を含む、数少ない植物のひとつでもあります。

ヘンプシード全体の油留分の約80%が、この必須脂肪酸。

健康と美容を保つために、この必須脂肪酸であるオメガ6脂肪酸(オメガ6)やオメガ3脂肪酸(オメガ3)は、バランスよく摂取することが大切とされています。

ヘンプシードに含まれるオメガ6とオメガ3の割合は、約3:1から4:1という理想的なバランス。この割合は、世界保健機関(WHO)や厚生労働省が推奨する4:1にごく近い数値です。

他にオメガ6とオメガ3を含む食べ物として、魚油やフラックスオイル(亜麻仁油)・ナッツ・種子などありますが、ヘンプシードほど理想的な割合ではありません。

このことから、ヘンプシードは必須脂肪酸が豊富かつバランスの良い食べ物と言えます。

<現代人に不足しがちなミネラルが豊富>

不足すると様々な体調不良を引き起こすミネラル。

健康に不可欠な栄養素ですが、体内で作ることができないため、食事で摂取する必要があります。しかし、加工食品やファストフードの増加により、現代人の食生活は昔と比べ、ミネラルが不足している傾向があると言われています。

食品添加物や農薬などの化学物質は、排出や分解をするのに体内でミネラルを浪費します。また、化学肥料の使用などによる土壌の変質などで、野菜類に含まれるミネラルの量も昔に比べて大幅に減っているそうです。

この、現代人の不足しがちなミネラルを豊富に含むのが、ヘンプ。

ヘンプは土壌からミネラルをよく吸収するため、ミネラルの優れた供給源です。

主に下記のミネラルが豊富と言われています。

  • 鉄(全身に酸素を運ぶ血液の成分の一つである赤血球を作り、貧血予防に働くミネラル)
  • 銅(鉄の吸収を助けて貧血を防ぎ、血管や皮膚の健康を保つミネラル)
  • 亜鉛(皮膚や髪トラブルを改善し、味覚を正常に保つ働きがあるミネラル)
  • マグネシウム(リンやカルシウムと協力して骨を作ったり、エネルギーを生み出す働きがあるミネラル) 特に鉄・亜鉛・マグネシウムは、同量のゴマやアーモンドよりも多く含まれており、美容と健康をサポートしてくれます。

<アレルギー性の低い良質なタンパク源>

「スピルリナ」の記事でも説明しましたが、タンパク質は、筋肉・内臓・髪・体液・皮膚の材料となる重要な要素。骨の成長にも欠かせずカラダづくりに大きな役割を担っています。

ヘンプシードも、スピルリナには劣るものの、タンパク質を豊富に含んでいます。

お肉のような動物性タンパク質とは異なり、加熱する必要がないため、重要な要素は全てそのままの状態で取り入れられます。また、ヘンプシードのタンパク質は液体に簡単に混ぜられるため、動物性たんぱく質よりも速く吸収され、消化しやすいのも特徴です。

さらに、ヘンプシードは、低刺激性タンパク質であるとも言われています。

ホエー(乳清)や大豆などの一般的な高タンパク食品にアレルギーが出る人もいますが、ヘンプシードはアレルギー反応を誘発する割合が低いとされているのです。