個人開発は、スキルの高い人がやるものでしょ? 「作ってみたいもの」はあるけれど、エンジニアとしてのキャリアが浅い自分に個人開発なんて無理なのでは……?

やりたいことに一歩踏み出せずにいる女性エンジニアに知ってほしいのが、SlerからWeb系企業への転職を経て、現在はフリーのサーバーサイドエンジニアとしてテック業界に特化した女性向けキャリアスキルシェアサービス『sister』を運営しているだむはさん(@damuha_)だ。

だむはさんが開発した『sister』は、いまだ女性が少ないIT・Web業界で、技術やキャリアのことを安心して相談できる“シスター”(仲間)を見つけられるサービス。

初めての個人開発。やってみて分かった楽しさ・難しさ「女性エンジニアが自信持てる世界つくりたい」
(画像=『Woman type』より引用)

このサービスの開発に取り組み始めた当初は、「サーバーサイドエンジニアとしてのキャリアはまだ浅かった」とだむはさんは言う。そんな中、彼女が個人開発に踏み出せた理由は何だったのか。

2021年11月17日に開催された女性エンジニアの学びと活躍を応援するカンファレンス『Women Developers Summit』に登壇しただむはさんの講演内容を一部ご紹介しよう。

著者名

だむはさん

フリーランスのサーバーサイドエンジニア 。韓国生まれ日本育ち。 新卒でSIerに入社した後、Web業界を経て2021年11月に独立。テック業界に特化した女性向けキャリアスキルシェアサービス『sister』を個人で開発・運営。TECHPLAY女子部のコミュニティオーガナイザーとしてコミュニティー運営にも携わる

「自分が欲しい・今までにないサービス」を作りたい

だむはさんが『sister』を開発しようと考えたきっかけは、エンジニアとして自分が感じてきた“キャリア不安”だった。

エンジニアとして長く働き続けている女性のロールモデルが少なく、技術のこと、キャリアのことを安心して相談できる相手がいなかったのだという。

著者名

だむはさん

男性メンターに相談できることはあるけれど、妊娠・出産など女性特有のライフステージの変化について話をするのはやっぱり難しい。

「安心して相談できる女性のメンターが欲しい」と思っているのは、自分だけではないのではないか、と思いました

自分が「欲しい」と思えるサービスを作ってみたい。それに加えて、世の中にまだないサービスを作れるかもしれない。だむはさんはワクワクする気持ちに突き動かされ、『sister』の設計に取り掛かった。

初めての個人開発。やってみて分かった楽しさ・難しさ「女性エンジニアが自信持てる世界つくりたい」
(画像=『Woman type』より引用)

2020年9月から開発を始め、約3カ月経ったところでベータ版をリリース。すると、想定していた以上に、ユーザーが増えた。

著者名

だむはさん

ベータ版をリリースしてみて、これだけ求められているサービスだったのかと確信しました。

それと同時に、技術的に未熟な時期に作っていたので、このままユーザーが増え続けてもUI/UXがよくなかったり、ページの読み込み速度が遅かったりすることで、ユーザーが離脱してしまうのではないか。

そう思って、ベータ版を一度クローズして再度リリースしようと決めました。

設計を見直し、ユーザーに快適に使ってもらえるサービスへと改良して2021年5月に正式版の『sister』をリリース。

『sister』を必要とする人に安心して使ってもらえるサービスにするため、だむはさんは「ジェンダーバイアス」には細心の注意を払った。

初めての個人開発。やってみて分かった楽しさ・難しさ「女性エンジニアが自信持てる世界つくりたい」
(画像=『Woman type』より引用)
著者名

だむはさん

『sister』はユーザーが仕事やキャリアの相談相手となるメンターと出会えるサービスですが、メンターという言葉には指導する人というイメージがあるため、挑戦するのにハードルの高さを感じてしまう女性も多いのではないでしょうか。

そこで、メンターになってくれる女性と相談者となる女性ユーザー、双方の心理的ハードルを下げるため、メンターのことをあえてシスターと呼ぶことにしました。

また、サイトデザインにおいても、「女性向けだからピンク系がいいよね」っていう開発者のバイアスをできる限り入れないようにしていて。現在のような、中性的な配色を選びました。