2021年のユーキャン新語・流行語大賞は「リアル二刀流/ショータイム」が年間大賞に選ばれた。一方で、さまざまな分野で盛り上がった“新語・流行語”がある。ジェンダーをめぐっても、2021年を象徴するさまざまな言葉が生まれた。 【関連記事】⇒流行語大賞ノミネート30語、女性に聞いた「知らないよ」ランキング

「ジェンダー平等」が流行語大賞になったけれど

 本家・流行語大賞でトップ10入りした「ジェンダー平等」。しかし、現実は平等とはほど遠い、ネガティブな事件や炎上が多い1年だった。 「まずは問題が可視化されないと解決されない」  そう語るのは、ジェンダー研究者の濵田真里さんだ。

2021年・ジェンダーをめぐる注目語10選。フェミサイド、わきまえない女…etc.
(画像=『女子SPA!』より引用)

濵田真里氏

「8月に起きた小田急線刺傷事件で犯人が『誰でもよかった』としつつ、『幸せそうな女性を殺してやりたい』と供述。明確な女性憎悪を見せ、話題となった『フェミサイド』。模倣事件も続き、ジェンダー問題に興味のなかった女性でも、“女という性”を意識せざるをえない事件でした」(以下、濵田さん)

オリンピックでも表面化

 2021年、注目のトピックといえば、夏のオリンピックと秋の衆院選だった。 「オリンピック関連では、組織委の森喜朗や、演出統括の佐々木宏の女性蔑視発言は国内外からの批判が相次ぎ、共に辞任に至る騒動に。政治面でも『LGBT法案』をはじめとした制度の進まなさは、日本のジェンダー意識の低さを露呈する結果になりました」  これまで市井のレベルで問題とされてきた、ジェンダーをめぐるハラスメントが、日本全体が抱える問題として表面化した。 「しかし、これらはすべて日本社会が黙認してきたこと。問題視されるようになったのは前進です」