「あと1万円お給料が多かったら」「あと1時間早く帰れたら」「満員電車に乗らずに済めば」という思いはありませんか?仕事もプライベートも自分なりに充実していて、これといった不満はなくても、こんなふうに感じることがあるかもしれません。たとえ、キャリア志向でなくても、この先ずっと今の仕事を続けることが「自分にとってベストなのか」を考えることはあるでしょう。

そこで考えたいのが、「人材サービスや転職サービスに登録しておくこと」です。転職するつもりはないけど……と思われるかもしれません。それでもいいのです。

今の仕事じゃなかったらどんな仕事をしたい?考えるきっかけに

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悩んだり迷ったりしたら原点に戻ってみることは、何事においても有効です。あなたは、小さいころ、大人になったら何になりたいと思っていたでしょうか?保育士、幼稚園や学校の先生、お花屋さん、ケーキ屋さん、歌手やアイドルでしょうか?子どものころからの夢を職業にする人は、ほんの一握りだともいわれていますが、そういう道に進むことを考えてもいいかもしれません。

実際、「脱サラしてお店を始めた」という人の話を聞くことはよくあります。だからといって、誰もが小さなころの夢を叶えるためにすべてを投げ打つのはリスクも高いですし、その必要はありません。それなら、「今の仕事に就かなかったら何がしたかったのか」と考えてみるのはいかがでしょうか?今の会社に入ったのも「内定をもらったから」「採用人数が多かったから」というキッカケの人もいるでしょう。

もちろん、それを否定する必要はありません。ただ、自分が就かなかった仕事が世の中には存在し、人それぞれの働き方や生き方があることにちょっと意識を向けてみてはいかがでしょうか?世の中にはたくさんの仕事があります。

たとえば、厚生労働省編職業分類(2011年改定)には、管理的職業や専門的・技術的職業、事務的職業などの約400の職業と、それぞれの仕事内容や労働条件の特徴などが記載されています。世の中には分類の対象になっている職業だけでも、これだけあるのです。さらに2011年ごろになかった職業も新たに生まれています。

人材サービスにお世話にならざるを得ない状況も?

こうした前向きな理由以外にも、人材サービスに登録しておく意味はあります。所属している企業や部署がリストラをするかもしれません。また、今後給与が減ったり、会社の事情で希望しない配置換えがあったりする可能性はあります。20~30代と比べたとき、アラフォーは慌てて新しい仕事を探そうとしてもハードルが高くなりがちです。そのため、転職や新しい進路を見つけることには、それなりの時間と準備が必要になります。

専門家に相談すると、視野が広がる

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このように今の働き方や生き方を振り返ることは、たとえ現状に不満がなくても大切です。ひとりで考えてもモヤモヤするだけかもしれません。そんなときは誰かに相談してみてはいかがでしょうか。自分のことを理解してくれている友人に話してスッキリするのもいいですが、より実践的なアドバイスが必要ならキャリアカウンセラーなどの専門家に相談することがおすすめといえます。

人材サービスや転職サービスに登録することで、無料でキャリア相談ができるアドバイザーがついてくれることがあります。「無理に転職をすすめてくるのでは?」と考える必要はありません。なかには、そんなアドバイザーもいるかもしれませんが、その場合はお付き合いをやめればいいだけのことです。お金をとられるわけではありません。

アドバイザーに今までの仕事の経歴、現在の悩みや今後の希望などを伝えると、経歴を参考に希望に近い求人を探してくれます。「知らず知らずのうちに自分で狭めていた視野や選択肢を広げてもらえる」「客観的にみて自分が持つ適性や人材としての価値に気がつく」という可能性も。その結果、今の仕事が一番適していると気づいたら、また明日から今の仕事をがんばるだけのことです。

働き方は多様化しています。副業も認められつつありますし、月曜から金曜まで同じ会社で働く必要はありません。月曜から水曜まで出社し、木曜と金曜は別の仕事をするという人もいます。こうした働き方の希望にあわせて人材紹介や労働者派遣、業務請負といった別の働き方もアドバイザーは紹介してくれます。

働き方のトレンドを知っておこう

(写真=Pressmaster/Shutterstock.com)

たとえ、仕事もプライベートも充実していて転職の希望がなくても、人材サービスや転職サービスに登録することにはメリットがあります。少し前にはなかった会社や職業が誕生してきているのです。働き方改革によって、今までと同じように働きたいと思っても、急に仕事環境が変わることあるかもしれません。将来的に仕事やプライベートの両方を充実したものにするために、人材・転職サービスに登録して、働き方のトレンドを知っておきましょう。

文・杉浦詔子(ファイナンシャル・プランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)

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