メディアでよく取り上げられている「ワークライフバランス」。聞いたことはあるけれど、自分は何をすればよいのかイマイチ分からないという人も多いのでは。仕事とプライベートの時間配分をすればよいのか、ゆとりを持って働くというワークスタイルを実現すればよいのか――。
そこでよくあるワークライフバランスの勘違いを5つピックアップ。900社以上の組織改革コンサルティングを手掛けてきたワーク・ライフバランス社長の小室淑恵さんに企業側と社員、両方の視点から考えるワークライフバランスについて解説してもらった。自分らしく働き続けるためのヒントにしてほしい。

著者名

株式会社ワーク・ライフバランス
代表取締役社長 小室淑恵さん

資生堂を経て、ワーク・ライフバランスを設立。同社で『ワーク・ライフバランス組織診断』や『休業復帰支援プログラムarmo(アルモ)』を開発。生産性の高い組織を作るためのコンサルティングをのべ900社に行う。講演活動にも積極的に取り組み、主な著書に『6時に帰るチーム術』(日本能率協会マネジメントセンター)などがある

「ワークライフバランス」よくある5つの勘違い

1.プライベートタイムをなるべく多く取る
ワークライフバランスは、ワークとライフの双方を、自分にとってより充実したものにしていくという考え方。時間の長短では計れない

2.出産・育児休業を取得する女性のためのもの
育児や介護、ボランティアや学びなど、ライフに含まれる要素は多様。当然ながら女性だけではなく、男性にもワークライフバランスは必要

3.余裕のある大企業のPR活動の一環
PRではなく、経営戦略。WLB推進により人材の採用と定着、残業代削減、商品開発力アップなど、さまざまな面で業績向上が見込める

4.制度が充実していて初めて実現できるもの
ワークライフバランスは主体的に創るもの。制度の恩恵にあずかる受身の姿勢よりも、制度をどう活用して何を実現するかが大切

5.残業のない会社なら楽に働ける
定時時間内に成果を出すことが当然要求されるので、高い生産性が求められる。むしろ成長速度の早さが必要な環境のはず

ワークライフバランスの実現は企業と個人の双方にとってメリットがある

「ワークライフバランスは企業の福利厚生ではなく、経営戦略として取り組むべき」

ワーク・ライフバランス社で代表取締役社長を務める小室さんは、企業が組織内の働き方を見直しワークライフバランスを推進する試みは、ここ数年で真剣味を帯びてきたと指摘する。

「企業からの問い合わせは毎年増えています。かつては余裕のある企業が女性や家族を介護している社員などの“弱者救済”として取り組んでいましたが、今の状況は大きく変わりました」