老後も充実した生活をするために必要なものの一つに「お金」があげられます。老後に向けて貯蓄をすることも大切ですが、長く働くことで、収入を確保することも重要になってきます。定年後も働くために、今から取得できる資格や働き方についてお伝えします。

年金はどうなる?定年後に仕事をする場合に知っておきたいこと

(写真=PIXTA)

定年後の主な収入源は、老齢年金という方が多いと思います。厚生労働省の調査によると、年金受給額の平均は、男性182万8,000円、女性105万7,000円となっており、月々の収入で考えると、男性約15万円、女性は9万円です。生活費の不足分を貯蓄で補うか、別の収入から補うか、対策が必要となりそうです。

1966年4月2日以降に生まれた場合、年金の受給年齢は老齢基礎年金、老齢厚生年金共に65歳からとなります。ただし、老齢基礎年金のみ、60歳~65歳になるまでの間に受給することもできます。これを「繰上げ受給」といい、手続きを行うことで早めに受給することもできますが、年金額が減ってしまうなどのデメリットもあるので、年金をもらう時期は慎重に選ぶ必要があります。

老後の生活費にもよりますが、現役世代のように月に数十万円を稼ぐ必要はなく、月に数万円でも収入を確保できれば安心です。ただし、年金を受給しながら仕事を続け厚生年金保険に加入する場合は、収入によって年金がストップする場合があります。働き方については、年金の受給条件とあわせて確認するようにしましょう。

老後の仕事に活かせる資格ランキング

 老後の仕事は、今の仕事の延長線上で考えるか、全く別ジャンルの仕事にチャレンジするかで準備することが変わります。今の仕事の延長戦で考えるなら、資格を取得してステップアップのチャンスを狙いましょう。老後の仕事は早めの準備がカギ。今から準備したいおすすめの仕事をご紹介します。

宅地建物取引士(宅建)やマンション管理士などの不動産関連

不動産系・建築系の仕事では、「宅地建物取引士(以下、宅建)」がおすすめです。不動産の売買や賃貸の仲介を行う宅地建物取引業者では、宅建の取得者を一定数置かなければならないとされているため、資格を持っているだけで職に就ける可能性が高くなります。

また、自身が許可を受ければ独立することも可能です。日本の不動産市場規模はアメリカに続き世界第2位です。国際化が進む中、外国人や外資系法人の不動産取得が活発になっていくと考えられるため、不動産取引に必須の宅建は重宝されるでしょう。

その他、不動産・建築系では「マンション管理士」もこれから需要が高まる資格です。マンション管理士は、マンションの管理組合の運営上の問題や建物構造上の技術的問題を解決するコンサルタントです。分譲マンションの戸数は増え続け、2018年3月末時点で約654万戸、推定で国民の約1割である約1,525万人が住んでいると考えられ、問題解決の専門家が必要とされています。

中小企業診断士

現在、総務関係の業務をされている方や金融機関にお勤めの方は、「中小企業診断士」はいかがでしょうか。経営の診断や助言を行う、「経営コンサルタント」とも呼ばれています。今までの業務で培った知識をブラッシュアップするよい機会にもなるでしょう。

同じコンサルタント系の資格では、「キャリアコンサルタント」があります。2016年4月から国家資格になり、働き方が注目されるこれからにはピッタリの資格です。

日本語教師

現在就いている仕事の延長線上でのキャリアアップを考えていない、という方は日本語を教える先生の資格である「日本語教育能力検定」もおすすめです。教員免許や英会話能力は不要です。

日本語学校に就職しなくても、個別にインターネットなどの通信を利用してレッスンを行うことも可能です。馴染み深い日本語の教え方を学ぶ資格なので、取り組みやすいでしょう。

また、ハローワークにて求職申請することで職業訓練として日本語教師になるための講座を受講できる場合もあります。格安で日本語教師に必要な教育が受けられるため、興味がある方は確認してみてください。

ファイナンシャル・プランナー

自身の生活にも役立つ資格として、お金のプロになれる「FP(ファイナンシャル・プランナー)」も人気です。自身が持つお金に関する経験を通してアドバイスすることができるので、金融機関出身者でなくても、仕事にすることは可能です。

ファイナンシャル・プランナーとして働く際は、他の人にはない強みを見つけると良いでしょう。それまでの職業経験と合わせ、独自に顧客を開拓できるとより仕事として成立しやすくなります。

定年後も続けられるおすすめの仕事

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定年後は、能力や経験があっても、体力は衰えるもの。職場に若い人ばかりの場合、資格やスキルがあっても働きづらいと感じることもあるかもしれません。シニア世代に無理がない仕事として、女性の場合は家事代行業や清掃業もおすすめです。主婦の経験がある方は、料理作りや掃除を毎日されてきたと思いますので、手際良くこなせるはずです。

男性の場合は、マンションの管理人や警備員などがあげられます。女性でもできる仕事ではありますが、トラブル時には交渉力が必要であり、体力面から考えても男性の方が向いていると言えます。

定年後も働けるように今から準備をしよう

(写真=PIXTA)

雇われるだけが、収入を得る方法ではありません。資格や今までのキャリアを活かし、定年がない 起業も視野に入れると良いでしょう。ただし、若いうちの失敗は取り戻しやすいですが、シニア起業に失敗は禁物。多額の開業資金が必要になる場合は、慎重に判断しましょう。

また、起業、就職どちらにしても大切にしたいのは人脈です。会社の外にある世界で交流を深めることで、チャンスや情報、さまざまな助けが得られることもあります。仕事上の付き合いからだけでなく、趣味を通しても人脈づくりはできますので視野を広く持つようにしましょう。

キャリアが安定し、先が見通せるようになる40代から50代が定年後の準備を始める時です。具体的な収入目標に合わせた働き方を選択し、老後生活の安泰を手に入れたいですね。

文・冨士野喜子(ふじのFP事務所所属)

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