投資家として賢明でありたいならば、投資判断の物差しの一つである「リスクフリーレート」(RFR)についての知識はぜひ持ち合わせておきたい。あまり知られていない指標だが、様々な金融商品に対する投資判断に大いに役立つ。この記事では、RFRの基礎知識を解説する。

リスクフリーレート(RFR)とは

「リスクフリーレート」(Risk Free Rate)は、リスクが皆無(リスクフリー)に近い金融商品から得られる利回りのことを指す。

リスクフリーとは、厳密に言えば「リスクがゼロであること」を示すため、RFRは「無リスク資産の利子率」などと呼ばれることもある。しかし、実際にはリスクが全くない金融商品は存在せず、「リスクがほぼゼロ」「リスクが最小」といったニュアンスで説明されることが多い。

このリスクフリーレートは、資産運用を行う上では非常に重要な指標だ。それはなぜなのか、次の項で説明していこう。

なぜリスクフリーレートが重要なのか?

リスクフリーレートは、リスクがゼロに近い金融商品から得られる利回りであることを説明した。そのため、もしリスクが大きめの金融商品なのに期待できる利回り(リターン)がリスクフリーレートと同等だった場合、そのリスクが高い金融商品に投資する人はほとんどいないだろう。

そうした比較対象として、リスクフリーレートはどの金融商品に投資するかを判断する際の物差しとなる。

また同時に、「リスクプレミアム」という考え方も知っておきたい。リスクプレミアムとは、期待できる利回りからリスクフリーレートを引いた差のことだ。例えば、期待できる利回りが5%で、リスクフリーレートが2%の場合、リスクプレミアムは3%になる。

5%(期待できる利回り) - 2%(リスクフリーレート) = 3%(リスクプレミアム)

リスクとリターンは比例関係にあるため、一般的に、このリスクプレミアムが大きければ大きいほどハイリスク・ハイリターンの投資となり、小さければ小さいほどローリスク・ローリターンの投資となる。

リスクフリーレートの基準となる金融商品は?

では、リスクフリーレートの基準となる利回りとして、どの金融商品の利回りが採用されることが多いのだろうか。一般的に日本においては日本国債の10年債の利回り、世界共通のリスクフリーレートとしては、米国10年債の利回りが採用されることが多い。

国債のリスクが小さいとされるのは、元本の保証や利子の支払いの責任を国が負っているからである。もちろん、その国自体が破綻する可能性もゼロではないが、他の債券への投資や株式への投資に比べるとリスクはかなり小さいというのが通説だ。

なお国債の場合、一般的に新興国の国債よりも先進国の国債の方がリスクは低い。世界的な格付け機関である「ムーディーズ」におけるアメリカ国債の格付けは、2021年7月時点では最高評価の「Aaa」となっている。日本国債は上から4番目の「A1」だ。