この記事は書籍『本当にお金が増える投資信託は、この10本です。』の内容を抜粋したものになります。

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※以下、書籍より抜粋

じつは、投資信託に「複利」は存在しない

新聞や雑誌の記事などで、「投資信託を100万円購入して毎年 10 %で運用すれば、“複利効果”で 20 年後に約670万円になる」といった内容の説明を読んだことはないでしょうか。こういった説明には、じつは大きな“誤り”があります。

このような内容の記事では、「複利効果」という言葉を「投資信託の値上がり益や配当・利息といった収益をその投資信託に再投資することで、さらに大きな利益が得られる」という意味で使われていることが多いように思います。要は、「収益が収益を生む効果」ということです。

一見、もっともらしく聞こえますが、かなり怪しい言い方といえます。なぜなら、そもそも「複利」は、投資信託に当てはまらない考え方だからです。

「複利」とは、本来、投資で得られた収益を投資元本に加えて再投資して得られる利回りのことを指します。元本が保証されており、あらかじめ利回りが決定しているという前提がある金融商品に適用される言葉です。具体的にいうと、銀行やゆうちょ銀行の預貯金などになります。

投資信託のように元本が保証されておらず、利回りも定まっていない金融商品に、「複利」という概念を用いることはできません。

だからこそ、冒頭の文章のように、「複利」ではなく「複利“効果”」と表現している記事が多いのだと思いますが、投資信託にあたかも「複利のようにお金が増やせる金融商品」というイメージを与える説明は大いに問題です。

冒頭で例示したように、仮に10%の複利が本当に付くとすると、「100万円は10年間で約260万円に、20年間では約670万円、30年間では約1750万円」になります。

実際にお金をこのように増やせると読み手の方に思わせるために、「複利効果」という言葉を使って投資信託を説明していると推測されます。

しかし、冒頭の文章のような「複利効果」は、実際の投資信託の運用の姿に照らし合わせると非常に“もろい”ものです。1年でもマイナスの収益になる年が出てしまうと、とたんに運用成績は悪化してしまうのです。

さきほど、「10%の複利が付くと、100万円は10年後に約260万円になる」といいましたが、仮に、この10年間のうち、8年間がプラス10%、2年間がマイナス10%になったとします。すると、100万円は10年後に約174万円になるので、このときの複利効果は、本当の複利よりも約86万円少なくなります。

また、10年間で6回がプラス10%、4回がマイナス10%になると10年後は約116万円にしかなりません。さらに、10年間で5回ずつプラス10%とマイナス 10%を記録すると、95万円と100万円を割り込んでしまいます。

このように、複利と複利効果という言葉は、表現は非常に似ていますが中身はまったく異なります。注意していなければ同じものだと受け取ってしまいかねません。また、そうした誤解を“狙っている”と考えられるところが重大です。元本が保証され、毎年確実に利回りが得られるという金融商品は預貯金だけなのです。
 

(画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)

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貯蓄におすすめのネット銀行比較表

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定期:1年0.05
5年0.02
普通:0.001
定期:1年0.05
5年0.03
普通:0.001
定期:1年0.03
5年0.02
普通:0.01
定期:1年0.02
5年0.02
普通:0.05
定期:1年0.02
5年0.02
普通:0.02
定期:1年0.02
5年0.02
普通:0.001
定期:1年0.02
5年0.02
普通:0.1
定期:1年0.015
5年0.015
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定期:1年0.12
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普通:0.001
定期:1年:0.01
5年0.01
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月1~11回無料 月2~15回無料
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その他110円または220円
月最大7回まで無料
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月8回まで実質無料 月10回~無制限で無料 110円/回
振込手数料 同行あて:無料
他行あて:月1-11回無料
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同行あておよび
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他行あて:月1-15回無料
同行あて:55円
他行あて:月1-15回無料
以降110円
同行あて:55円
他行あて:176~275円
同行あて:無料
他行あて:月1-5回無料
以降220円
同行あて:無料
他行あて:月3回まで無料
以降は168~262円
同行および
三井住友信託銀行あて:無料
他行あて:月1-15回無料
以降は157円
同行あて:同一店は無料
それ以外110円~330円
他行あて:220~440円
同行あて:無料
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篠田尚子(しのだ・しょうこ)
楽天証券研究所ファンドアナリスト。慶應義塾大学法学部卒。早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。2006年ロイター・ジャパン(現トムソン・ロイター・マーケッツ)入社。2013年にロイターを退職し、楽天証券経済研究所に入所。現在は日本の投資信託市場動向を国内外のメディア等へ配信しながら、海外の投資信託市場の分析も手がけている。
 

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