年金額の減少や、退職の時までに十分な貯蓄ができなかったために、老後の生活が苦しくなる人が増えていることが問題になっています。
今一生懸命働けているから心配なかったとしても、貯蓄がなかったり、ぜいたくな生活スタイルが身についてしまったために支出が削れなくなることも老後貧乏になる大きな要因となるのです。
今回は、老後貧乏に陥りやすい人の特徴を3つご紹介します。
どんな人が老後貧乏になりやすい?
老後貧乏になりやすい人は、おもに3つのパターンがあると考えられます。

下記で、それぞれ詳しく見てみましょう。
1.生活水準が年々高くなっている
20代の頃は貯蓄をしていたけど、付き合いや趣味などにお金がかかるようになって今は収入ギリギリの生活をしていたり、収入は増えたけど、増えた分だけ使ってしまって毎月の貯金額は変わっていないという人はいないでしょうか。
退職すると多かれ少なかれ収入が下がるので、当然使える生活費も減りますが、このように徐々に上がっていった生活水準を退職してからいきなり落とすのは簡単ではありません。
住居費や水道光熱費などは変わらずかかりますし、一旦慣れ親しんでしまった食生活を変えるのは大変です。趣味や交際費は、新たな習い事やコミュニティを求めて逆に増えることもあります。
対処法:節約の習慣を身につけよう
生活水準を上げないために、働いている時から意識して節約の習慣を身につけましょう。将来のために今の生活を切り詰める必要はありませんが、特にこれから紹介する3点はクリアしたいものです。
1.月々の収入以内の生活を心がけましょう。
退職するとボーナスは支給されないので、生活費をボーナスで補うことはできません。月々の予算をオーバーすることに抵抗がなくなると老後の貯金があっという間になくなってしまいます。
2.毎月払っている支出に敏感になりましょう。
スマホ代や保険料はもちろんですが、日々のちょっとした買い物も気をつけましょう。半年に1回の海外旅行を年に1回に減らすことは簡単ですが、毎日コンビニでスイーツを買う習慣をなくすのは難しいものです。
3.収入が上がったら貯金額も増やしましょう。
収入の増加分をすべて貯金に回す必要はありませんが、これまで収入の2割を貯金していたのなら、最低限2割をキープできるように貯金額を調整することが大切です。
2.少額の積み立てを軽視している
月々数千円や1万円程度なら別に急いで積み立てをしなくても……と考えてしまいがちですが、1ヵ月1万円でも1年で12万円、20年で240万円になります。
逆にこれぐらいの少額のお金は、1、2回の飲み会や贅沢なランチなどであっという間になくなってしまうものです。わずかな金額でも軽視せず、長い目でみて積み立てていくことが大切です。
対処法:今できる限りの積み立てをしよう
「今は給料が少ないから」や「交際費の方が大切だから」など、貯金ができないことを環境のせいにしている人は要注意。月々まったく貯金できない人は、入ってきた分だけ使ってしまうクセがついてしまっているとも言えます。
たとえ今数千円しか貯金ができなくても、できる限りでいいので積み立てを始めましょう。
3.退職金を当てにしすぎている
老後の生活費の大きな柱は、年金と貯金、そして退職金の3つです。今は退職金が期待できない会社もありますが、幸いにして退職金が支給されそうなら老後のための資金と考えておきましょう。
退職金を当てにして高額な分譲マンションを買ったり、車のローンを組んだりすると、老後のための資産が減るだけではなく、予想していた退職金の金額より少なかった場合に老後もローンを払う羽目になるかもしれません。
対処法:退職金は老後のための貯金と考えよう
もう1つ、退職金は基本的に減らしてはいけないものと考えておきましょう。ゆとりある老後を目指して退職金で投資デビューをする人もいますが、これまで投資を経験してこなかった人がいきなり利益を出せるほど投資は簡単なものではありません。
退職金はリスクに晒さないようにするか、もし投資をしたいなら退職する前から投資に関する知識と経験を身につける努力をしておくことが大切です。
生活水準を上げないための「先取り貯蓄」のすすめ

老後貧乏に陥る人の3つの特徴をご紹介しましたが、どの項目も収入がある現役時代からの心がけが大切になります。
そこでおすすめなのが、給与天引きなどを利用し、前もって決まった金額を貯蓄に回す「先取り貯蓄」です。先取り貯蓄をすると、必然的に月々使うお金を減らせる上に、お金も貯まります。
先取り貯蓄は銀行の積立預金などでも構いませんが、できれば「財形貯蓄」や「つみたてNISA」など税制優遇がある制度を選んだほうがお得です。

老後資金の準備に限れば、「iDeCo」は最もおすすめしたい制度。次の章ではiDeCoがなぜおすすめか、詳しくご紹介します。
松岡紀史(ライツワードFP事務所代表)
iDeCo(個人型確定拠出年金)ってどういうもの?
iDeCo(個人型確定拠出年金)は「じぶん年金」の決定版であり、老後の資産づくりのための最強の制度です。メリットはたくさんありますが、特に次の3つが大きな魅力です。

下記で、それぞれ詳しく見てみましょう。
魅力1.税金面でとても優遇されている
iDeCoでは、次の3つの場面で税制優遇があります。
・お金を積み立てるとき
積み立てたお金が全額所得控除されます。例えば年間10万円積み立てると、所得税と住民税がそれぞれ10%の会社員の場合、年間で2万円税金が安くなります。
・資産運用で利益が出たとき
通常は約20%の税金がかかりますが、iDeCoの運用益には税金がかかりません。
・退職金などを受け取るとき
「退職金控除」や「公的年金等控除」といった控除があるため、通常の給与にかかる所得税よりも税金が安くなります。
魅力2.毎月5,000円から始められる
iDeCoは、月々5,000円という少額から始めることができます。また、1,000円単位で掛金額を増やすこともできます。
今は貯金ができていない人でも、月々5,000円なら捻出できるのではないでしょうか。そして収入が増えてきたら、iDeCoの拠出額も徐々に増やしていきましょう。
魅力3.投資信託の手数料が比較的安い
iDeCoでは1つの証券会社で取り扱える商品数が35本までと決まっており、各証券会社は長期にわたる積み立てに適した商品を慎重に選んでいます。
そのため、つみたてNISAのように「投資信託は手数料○○%以下」とは決まっていないものの、比較的手数料が安い商品が揃っています。
老後貧乏を予防する一石三鳥のiDeCo
iDeCoでは、将来の老後資金を効率的に貯められるだけでなく毎月半強制的にお金が積み立てられるので、1ヵ月に使えるお金が少なくなり無駄遣いを減らすことにもつながります。
iDeCoで購入できる商品には元本確保型商品もありますが、運用益が非課税になる税制メリットを考えると、投資信託で運用するのがおすすめです。
早い段階から投資を経験しておけば、将来退職金を受け取って運用するときにその経験を生かせるでしょう。
老後に向けた準備としてiDeCoを始めるのに、おすすめのネット証券をご紹介致します。
2021年5月時点
会社名 | ![]() |
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投資信託本数 | 36本 | 31本 | 26本 | 26本 | 39本 |
加入手数料 | ¥2,829 | ¥2,829 | ¥2,829 | ¥2,829 | ¥2,829 |
口座管理料 | ¥171 | ¥171 | ¥171 | ¥171 | ¥171 |
サポート体制 | 平日・土曜 8:00~18:00 ※土曜は新規加入に関する 問い合わせのみ受付 |
平日10:00~19:00 土曜9:00~17:00 |
平日10:00~19:00 土曜9:00~17:00 |
平日9:00~20:00 土日9:00~17:00 |
平日8:30~17:00 |
特徴 | ・iDeCo加入者数No.1で10年の実績をもつネット証券最大手 ・iDeCo専用ロボアドバイザーによって好みに合った商品を選択できる |
・資産運用しやすい管理画面 ・無料セミナーなどの充実したサポート |
残高に応じてPontaポイントが貯まる(一部商品) | ロボアドバイザーによるiDeCo専用無料ポートフォリオ診断があり、簡単な質問に答えるだけで最適な資産運用が可能 | 「iDeCoシミュレーター」でiDeCoを利用した場合の節税額を簡単にチェックできる |
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老後貧乏は現役時代からの心掛けで防ごう
老後貧乏を防ぐために今からできることはおもに3つ、「生活水準を上げすぎないこと」、「少額でも積み立てを続けること」、「退職金を生かすために今から投資の経験を積むこと」です。
これらを実践できる制度として、iDeCoをご紹介しました。iDeCoは老後資金の準備においてとても有利な制度です。5,000円という少額から利用できるので、ぜひ自分のペースで始めてみましょう。
iDeCoで防ぐ「老後貧乏」 Q&A
Q. どんな人が老後貧乏になってしまいやすい?
おもに3つのパターンがあると考えられます。1つ目は「生活水準が年々高くなっている」人、2つ目は「少額の積立を軽視している」人、3つ目は「退職金を当てにしすぎている」人、これらの特徴がある人は老後貧乏になりやすい傾向にあるようです。
Q.老後資金を準備しておくためにおすすめの制度は?
もっともおすすめしたいのは「iDeCo」です。資産運用で利益が出た際に税金がかからず、退職金を受け取る際などには「退職金控除」や「公的年金等控除」といった控除があるため、通常の給与にかかる所得税よりも税金が安くなります。他の方法で老後資金を貯めるよりも、効率良く準備することができるかもしれません。
Q.なかなか貯金ができない…iDeCoでの積立は難しい?
iDeCoは、給与天引きなどを利用し、前もって決まった金額を貯蓄に回す「先取り貯蓄」です。毎月半強制的にお金が積み立てられる仕組みになっているので、無駄遣いを減らすことにもつながります。
Q.iDeCoは毎月いくらから始められる?
月々5,000円という少額から始められます。また、1,000円単位で掛金額を増やすこともできます。最初は5,000円からスタートし、収入が増えたときなど捻出額を少しずつ増やしていくのがおすすめです。

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