60年間で肺ガン70倍増えるも喫煙者は減る一方
そのことを決定的にさせるのが、厚生労働省の人口動態統計から見た人口10万人当たりの喫煙者率と肺ガン死亡率の推移だ。1950年から2010年の60年間を見ると、喫煙者数は減少しているのに対し肺がん死亡者数は70倍にも増えていることが分かる。
要するに肺ガンと喫煙という要因は、重大なものではないということが分かる。だが因果関係がこの人口動態統計で証明されたことは愛煙家にとっては安心材料になるかもしれないし、たばこ有害説から少しは心が癒されるかもしれない。
諸説ある中でタバコの害は認めるとしよう。しかしニコチンがアルツハイマー病とか、パーキンソン病や潰瘍性大腸炎の治療に有効であることが証明されていることも事実である。実際の治療現場への導入も進んでいるというから、受動喫煙が体に与える影響はこれからまだまだ時間を掛けて正確な研究が求められている。
タバコの煙に含まれる「三大有害物質」
では実際にタバコの煙にはどういう成分があるかと言えば含まれる多くの物質の中でも“三大有害物質”と呼ばれるものがある。先に触れたニコチンは治療にも使われるがそれはここでは置いといて、ニコチンは体に摂取してから数秒で全身に巡る性質があるので身体的な依存が起きることは有名だ。
次にタールもタバコの害としてはよく聞く。喫煙者の部屋の壁紙やカーテンが黄ばんでいたりするのはこのタールによるものだ。1日1箱、毎日タバコを吸っている人は1年間でコップ1杯分のタールを飲んでいるとも言われている説もあるのでやはり注意したいものだ。
ここまでのニコチンとタールは商品にも記載されているので誰でも知ってる有名な話でもある。しかし聞きなれないのが一酸化炭素の存在だ。これはヘモグロビンとくっつく性質を持っているのでヘモグロビンの体内での本来の役割が機能がしなくなってしまう。
赤血球中に含まれるヘモグロビンは、酸素と結合し全身の細胞へと酸素を運搬する役割を担っているが、一酸化炭素がヘモグロビンと結合することで、酸素の受け渡しという重要な役割が奪われてしまう。その結果、慢性的な酸欠状態に陥ることになり運動能力を低下させたり動脈硬化などのリスクも誘発するとされているのだ。
肺ガンとタバコの因果関係はまだまだ研究の余地があるとしても、やはりタバコという存在は侮れない危険性が潜んでいる。病気になるリスクはやはり避けられないだろう。
文・ZUU online 編集部/ZUU online
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