先日、こちらの連載で「『自分らしさ探し』に疲れた人へ。苦しくなったときに“今すぐやめていい”3つのこと」というテーマでコラムを書いたのですが、いつにも増して大きな反響をいただきました。

「『好き』を仕事にする」
「『やりたいこと』を実現する」
「『自分らしく』働く」

最近は、「好きなこと」や「やりたいこと」を形にして「自分らしく働く」……という表現が就職・転職活動の場面で使われることが非常に多くなりましたよね。

30代なのに「やりたいこと」も「好きなこと」も仕事にできていないと感じるあなたへ
(画像=『Woman type』より引用)

一方で、そうではない自分に対して「こんな私でいいのだろうか」「こんな自分はダメなんじゃないだろうか」と否定的にとらえてしまう人が少なくないのかもしれません。

あるシンクタンクの調査(2021年版)によれば「仕事内容を選ぶ上で重視することは何ですか?」との質問に対して「自分のやりたい仕事であること」と答えた人の割合は30.6%。

最多の回答を集めた「やりがいを感じられること」(32.5%)に続き、二番目に多い回答となっていました(複数回答)。

30代なのに「やりたいこと」も「好きなこと」も仕事にできていないと感じるあなたへ
(画像=『Woman type』より引用)
30代なのに「やりたいこと」も「好きなこと」も仕事にできていないと感じるあなたへ
(画像=『Woman type』より引用)

出典:株式会社 パーソル総合研究所「働く10,000人の就業・成長定点調査」

2019年以降の調査結果を振り返ってもこの二項目が突出して高い回答率となっており、それだけ「好きなこと」「やりたいこと」を仕事にしたい人が多いのだと感じさせます。

そこで今回は「『やりたいこと』が分からないまま、30代目前まできてしまった……」あるいは「もう30代になってしまった……」という人に向けて、今後のキャリアを考える上でのヒントについて書いてみたいと思います。

「仕事は仕事」の割り切り派にもメリットはある

30代なのに「やりたいこと」も「好きなこと」も仕事にできていないと感じるあなたへ
(画像=『Woman type』より引用)

ワシントン大学フォスタービジネススクールのキラ・シャブラム助教授の研究によれば、「天職を追求することは、成功につながることもあれば、燃え尽きてしまうこともある」といいます。

アメリカの動物保護施設で働く人の調査で、この調査によれば「動物を助けることが自分のアイデンティティー」だと信じている「好きを仕事に派」や、「動物を助けることが社会貢献につながる」と考えている「情熱派」は仕事の厳しい側面にさらされた場合に思いが強い分ショックも大きく、「本当はこれは好きな仕事ではないのかもしれない」「私には向いていないのかもしれない」などとモチベーションが影響を受けてしまってなかなかスキルが身に付きにくかったり、最終的には離職につながる傾向が見られたそうです。

一方で淡々と仕事に取り組む「実践派」については、仕事上の課題に直面しても強いショックやネガティブな感情を持ちづらい傾向があり、結果的に仕事の継続率の高さにとどまらず、スキルの熟練にもつながったとのこと。

もちろんアメリカの動物保護施設で働く人の調査ですので、すべての職場に当てはまるとは言いがたいですが、それでも、私たちが仕事について考える際に非常に示唆深い内容ではあります。

30代なのに「やりたいこと」も「好きなこと」も仕事にできていないと感じるあなたへ
(画像=『Woman type』より引用)

目の前の仕事に淡々と取り組むことで得られるスキルや経験が自分のキャリアに自然とつながっていくという示唆に、勇気づけられる人はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。