男性ホルモンが減ると、認知能力も下がりますか?
続いて、相談者全員に共通する悩みとして挙がったのが「やる気の欠如」。「仕事への意欲が驚くほど低下してますね。私が働く整骨院でも集中力がなくて、ミスも多いし、やるべき仕事も先延ばしにしてばかり。自己嫌悪で落ち込んで、一人でいると涙が出てくることもあります」と嘆くのは、46歳の福家正輝さん。これに対して「単なる怠け心ではと一蹴するのは危険」と語るのは、泌尿器科医の市岡健太郎氏。
「男性更年期障害で多くの方が困るのは、体だけではなく心の不調です。男性は体の調子がちょっと悪くても自分が更年期だと考えにくい分、要注意です。専門医である私自身ですら、最初はただの疲れだと思っていたし、更年期ではなくうつ病を疑っていましたので……」
また、男性ホルモンの影響は、気力のみならず、記憶力にも及ぶ。前出の田中さんも、「物忘れが激しくて、先日も取引先に忘れ物を取りに行ったのに、何を取りに来たのかを忘れてしまい、途方にくれました。仕事の連絡ミスなども頻繁で、同僚から白い目で見られています。そのたびに“自分はダメ人間だ”と落ち込みます」と語る。
「男性ホルモンのひとつテストステロンが低下すると、物忘れや集中力の低下が起こります。だからこそ、更年期障害のときは仕事上のミスが起こりやすくなり、忘れっぽくなりますね」(和田氏)
家族から「怒りっぽくなった」と言われます
また、「家族から、『前より怒りっぽくなった』と言われ、ケンカが増えました。そんな自分に嫌気が差し、さらに自己嫌悪に陥ります」と続けるのは福家さん。誰しも年を重ねると怒りっぽくなる傾向があるものだが、これにも男性ホルモンが作用している可能性が。
「男性ホルモンが減ると、認知機能が衰え、コミュニケーション力が低下します。シニア層を見てみても、団体旅行に行くのは女性ばかりで、男性は少ないですよね。男性ホルモンが低下した末に、人付き合いが悪くなり、孤独感を募らせる男性は多いです」(和田氏)
放置すれば悪化の一途をたどるだけ。一人で抱え込まず、周囲に相談してみるといいだろう。
東新宿のマイシティクリニック院長。早期から男性更年期障害の治療に取り組んできた。保険診療による治療から予防医学まで、常に患者本位の医療を心がけている
’11年、京都市内にいちおか泌尿器科クリニックを開院。男性更年期障害が発症した経験を生かして、クリニックならではの親近感をモットーに、日々の診療にあたっている
現在は、アンチエイジングとエグゼクティブカウンセリングに特化した和田秀樹こころと体のクリニックの院長を務める。専門は老年精神医学、精神分析学、集団精神療法学
<取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/林 紘輝 モデル/小林亮介(古賀プロダクション)> 週刊SPA!編集部
提供・女子SPA!
【こちらの記事も読まれています】
>無印良品「メガネ拭き」が買い。パンプスの汚れも落とせちゃう
>手書きの「パスワード管理ノート」が人気。 便利&可愛いアイテム3選
>3COINS「マスク インナーパッド」で息苦しくない、リップもつかない!
>カルディのイチオシ調味料5選。「焼肉ザパンチ」「もへじ」が最強
>ダイソー“簡単泡立て器”が神、ふわっふわのオムレツが作れちゃった