送り状は、お中元において挨拶の変わりになるとても重要なものですが、どんな書き方をしたら良いのでしょうか?今回は、書き方のポイントと送る相手別の文例を紹介します。送り状を出すタイミングなども記載しているので、ぜひ参考にしてください。
お中元の送り状の書き方のポイントは?
書き方①季節の挨拶
相手に挨拶することはマナーの基本ですが、季節に合った内容を書きましょう。お中元は夏の時期に送るものなので、相手に爽やかなイメージを与える挨拶を使用してください。
また、関東や関西など、地方によってお中元の時期が異なります。関東は7月の初旬から7月15日まで、関西は7月中旬から8月15日までがお中元の時期です。タイミングがずれるので、季節に合うように言葉を言い換えましょう。
書き方②相手への気遣いの言葉
挨拶だけではなく、相手への気遣いの言葉も必要です。相手を気遣うことで気持ちが伝わり、真面目さや好印象を与えられます。またマナーを守れていると、相手に気遣える人間という認識にもなりますよ。
使える気遣いの言葉には「お元気でお過ごしでしょうか」や、「〇〇様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます」などがあります。
書き方③日頃のお礼
日頃のお礼は親しい相手だけでなく、目上の人へ送る場合も素直に自分の気持ちを伝える書き方にしましょう。送り状の内容の中でも大変重要な部分です。感謝の気持ちが伝わると、相手が受ける印象も良いです。
書き方④贈り物を送った旨
贈り物を選んだ理由や何時ごろ届くのかなど、細かく手短に書くことがポイントです。送り状という名の通り、贈り物を送った意図を書き記す必要があります。相手が何のためにお中元を受け取るのかがわかるように、具体的な詳細を書いてください。
書き方⑤健康を祈る言葉
健康を祈る言葉も書きましょう。送り状を通して常に身を案じていることを伝えると、相手に思いやりを感じさせます。また、相手の健康や成長を願うことで、今後良好な関係性を築けますよ。フレーズとしては、「暑い日が続いていますがお健やかにお過ごしのことと存じます」や、「ご自愛ください」などが最適です。
書き方⑥締めの挨拶
送り状の最後は、締めの挨拶で文章を終わらせましょう。締めの挨拶は「まずは書中にて、ご挨拶まで」という文章が一般的になります。
【会社編】お中元の送り状の文例3選
文例①ご笑納いただけますと幸いに存じます
「笑納」は、会社内や関係の深い取引先など、多少フランクでも許される相手に使用する文例です。笑納は、「笑って納める」という意味があります。初対面の人や会社の上司には使用しないよう、注意しましょう。
会社の上司などに送り状を書く際は、距離が近い関係であろうとマナーを意識する書き方が必要なため、丁寧な文章を心がけましょう。
目上の方に向けた文章
拝啓 酷暑の候、皆様におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素はひとかたらぬご厚情を賜り、心よりお礼申し上げます。
つきましてはお中元のおしるしまでに、別便にて〇〇をお送りいたしました。
〇日頃には届くかと存じますので、ご笑納いただけますと幸いに存じます。
時節柄、お身体の具合を崩されませぬよう、何卒ご自愛くださいませ。
本来ならばお伺いするべきところ、まずは略儀ながら書中をもちましてごあいさつ申し上げます。 敬具
文例②何卒ご自愛専一にお過ごしください
相手の健康を祈る際に使われる挨拶です。「第一に自分自身を大切になさってください」という意味で、男女関係なく使えるフレーズです。また、気遣いの言葉にあたるため、目上の人や会社内で使える敬語になります。
会社内の人間はあくまで仕事上の関係のため、ビジネスマナーにのっとった文章で感謝の気持ちを伝えます。感謝を伝えるのに最適な挨拶ですので、下記をぜひ参考にしてください。
目上の方に向けた文章
拝啓 暑気厳しい折柄、皆様にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
日頃は、公私にわたり何かとお世話になり、心よりお礼申し上げます。
つきましては、お中元のしるしまでに、本日、〇〇を別便にてお送りいたしました。
ささやかな品ではございますが、何卒ご笑納くださいますようお願い申し上げます。
ますますの酷暑にお身体を崩されませぬよう、何卒ご自愛専一にお過ごしください。
本来ならば、直接お伺いしてご挨拶申し上げるべきところ、誠に失礼とは存じますが、略儀ながら書中にて、お中元のご挨拶を申し上げます。
文例③大変感謝いたしております
感謝の気持ちが強い時に使うと良い挨拶です。そもそも、お中元とは相手に感謝の印を形にしたものであり、感謝の気持ちがこもっています。「大変感謝いたしております」は現在進行形なため、感謝を伝えるお中元での挨拶に適しているのです。
目上の方に向けた文章
拝啓 日々暑い日が続いておりますが、〇〇様をはじめご家族の皆様方には健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます。
平素は、公私共に何かとお気遣いいただきまして主人共々大変感謝しております。
今夜とも変わらぬご厚情を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
暑さ厳しい折ですが、皆様がお元気にお過ごしになりますことを心よりお祈りしております。 敬具
【ビジネス編】お中元の送り状の文例3選
文例①お気に召していただければ幸いです
取引相手や目上の人など、ビジネスシーンでよく使われる文例です。「気に入ってもらえれば嬉しいです」という意味で使われることがあり、相手に気遣いができる印象を与えます。
ビジネスシーンでは、相手を敬う言葉を使うため「お気に召す」と尊敬語に言い換える必要があります。よく使われるため、覚えておきましょう。
社外の人に向けた文章
拝啓 猛暑の候、貴社におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
毎々のご厚情を賜り大変感謝しております。本日、感謝のしるしとしましては心ばかりの品をお送りいたしました。お気に召してただければ幸いです。
まずは略儀ではございますが、書面にてご挨拶申し上げます。 敬具
文例②ご指導とご厚情のお陰でありありがたく厚くお礼申し上げます
取引相手に感謝の気持ち伝えるときに使用します。なぜなら、相手のおかげで無事に営業活動を行えていますし、お中元は感謝を伝える贈り物です。「ご厚情」は目上の方が思いやりをもっていることであり、ビジネスシーンで使われます。
社外の人に向けた文章
拝啓 盛夏の気 ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素は格段のご厚情を賜り、厚くお礼申し上げます。
さて、景気の低迷が続く中で弊社が無事に営業できますのは、皆様のご指導とご厚情のお陰であり、ありがたく厚くお礼申し上げます。
つきましては、ささやかではございますが謝意を表したく、別便にてお中元の粗品をお送りいたしましたので、ご笑納くださいますようお願い申しあげます。
時節柄、皆様のご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。 敬具
文例③貴社のご発展と皆様のご健勝をお祈り申し上げます
相手の健康や事業の発展を願う場合に祈りの言葉を使います。ビジネスの関係であれば、相手の繁栄を祈る言葉を、失礼のないように書き記しましょう。
またご健勝には、健康で健やかにという意味があります。そのためビジネス文書やメールなどの、挨拶や締めの言葉として使う必要があります。「ご(御)」を付けることで、丁寧な印象を与えられるのです。
社外の人に向けた文章
拝啓 盛夏の候 貴社におかれましては益々ご清祥のことと心よりお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
早速ではございますが、本日別便にて心ばかりの品をお送りしました。当地の特産物です。
〇日頃には届くかと存じますので、ぜひご賞味ください。
今後ともお引き立ての程、よろしくお願い申し上げます。
末筆ではございますが、貴社のご発展と皆様のご健勝をお祈り申し上げます。
略儀ながら書中をもちまして御挨拶申し上げます。 敬具
【親戚編】お中元の送り状の文例3選
文例①お慶び申し上げます
親戚におめでたいことが起こった場合に、祝福する言葉を使用します。身近な人に幸せが訪れることを、素直に祝福することで相手も大変喜びます。
慶ぶという漢字は、相手に起こっためでたいことを祝う意味です。お中元で喜ぶという漢字を使用しても問題はありませんが、おめでたいことを祝うときは「慶ぶ」を使いましょう。
親戚の人に向けての文章
拝啓 連日厳しい暑さ続いておりますが、ご家族の皆様方には健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます。
平素は、何かとお気遣いいただきまして誠にありがとうございます。
日頃の感謝をお伝えしたく、ほんの心ばかりのお中元の品ではございますが、別便にて〇〇をお送りいたしました。
炎暑の毎日ですが、お身体ご自愛ください。
まずは書中にて、ご挨拶まで。 敬具
文例②楽しい夏をお過ごしください
親戚への送り状でよく使われる文例です。親戚に送り状を送る場合は、特別敬う必要はありませんが、礼儀のある書き方をしましょう。
また、親戚には締めの挨拶で、素直な気持ちを伝えましょう。「ご自愛くださいませ」や「ご健勝を心よりお祈り申し上げます」などが最適な挨拶です。
親戚の人に向けての文章
拝啓 皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
すっかりとご無沙汰してしまい、申し訳ございません。
本日は、夏のご挨拶として○○をお送りいたしました。
皆様でお召し上がりいただければ幸いです。
夏風邪には十分ご注意のうえ、皆様おそろいで楽しい夏をお過ごしください。 敬具
文例③別便にて心ばかりの品をお送りいたしました
別便で贈り物を送ったことを伝えましょう。送り状は贈り物に同封しません。また、送り状は贈り物よりも先に届くため、別便で送ったことを伝える必要があります。書き方には、「別便にて〇〇をお送りいたします」や「〇日頃には届くかと」などがあります。
親戚の人に向けての文章
拝啓 暑さもようやく厳しさを増してまいりましたが、皆様にはお変わりなくご健勝のこととお慶び申し上げます。
平素はひとかたならぬご厚情を賜り、厚くお礼申し上げます。
さて、本日はお中元のお印までに、別便にて心ばかりの品をお送りいたしましたので、ご笑納いただければ幸いです。
向暑の折から、御身おいといくださいますようお祈りあげます。 敬具