俳優以外にも活動の幅を広げる理由

山田孝之が語る芝居論「その役の記憶を作って、人生を作っていく」
(画像=『女子SPA!』より引用)

――山田さんは俳優以外の活動もされていますが、お芝居だけ続けているよりも、いい切り替えになるのでしょうか。

山田「別のしんどさはありますけどね。でも365日お芝居していてと言われたら、無理です。死んじゃう。僕としての精神が崩壊しますから。やっぱり自分も保たなきゃならないので、そうすると芝居をしていない時間が大事になるし、同時に、芝居をしていないときの経験も芝居に反映されてくる」

俳優は本来、芝居をして稼ぐべき

――それにしても、今はプロデューサー業に監督業にと、俳優や音楽など表現者としての活動以外のことも忙しいですね。

山田孝之が語る芝居論「その役の記憶を作って、人生を作っていく」
(画像=『女子SPA!』より引用)

山田「最悪僕はつぶれてもいいし。つぶれるまでに、できることをやっておきたいんです。人には得意不得意があるし、僕はタフですし、いろんなことに挑戦できることを楽しめますから。

 今の日本の俳優は、広告の年間契約を取るしかお金を多く稼ぐ方法がないんです。でも俳優は本来、芝居をして稼ぐべきですよね。お金の心配がなくなれば、ひとつひとつの作品にかけられる時間も増えて、質も高まる。当たり前のことが当たり前にできていなくて、それを20代のころは愚痴っていたけれど、愚痴ってるだけじゃ何も変わらないから、自分でやるしかない。お金だけじゃなくて、睡眠時間もそうです。4時間しか寝られずに芝居するのと、しっかり寝てから芝居をするのとじゃ全然違う」