【瀬戸康史】「自己開示が下手だった」20代からチームワークの30代へ。人生初の“育休パパ”を演じて感じたこと
(画像=『Woman type』より引用)

瀬戸康史さんが芸能界デビューを飾ったのは2005年のこと。気づけば俳優としてのキャリアは15年を超えた。

「よく辞めなかったなあ、と思います」

そうあっけらかんと、テレビでよく見るあの柔らかい笑顔を浮かべて、過ぎた歳月の重みを振り返る瀬戸さん。その言葉の裏側にはどんな想いが込められているのだろうか。

仕事で大切なのは「一人でやらない」こと「嘘をつかない」こと

【瀬戸康史】「自己開示が下手だった」20代からチームワークの30代へ。人生初の“育休パパ”を演じて感じたこと
(画像=『Woman type』より引用)
  • 瀬戸さん:仕事を辞めたいと思った時期もありますよ。

    もともと僕がこの世界に入ったのも、母親がオーディションに履歴書を送ったのがきっかけ。役者になりたいと思ってなったわけではないので。

    まさかこんなに仕事を好きになるなんて、自分でもびっくりしています。

福岡県出身の瀬戸さんが上京したのは17歳の時。役者の仕事を始めてからしばらくの間は自分の殻にこもりがちで、デビューから6年間はなかなか周囲と打ち解けるのが難しかったという。

そんな20代前半を経て、チームでつくる楽しさに触れられたのが、2012年に放送された『TOKYOエアポート〜東京空港管制保安部〜』(フジテレビ)の時。

監督をはじめ、音響や照明などの技術スタッフと撮影以外の場でもコミュニケーションを取るようになってから、仕事に対する考え方が変わった。

  • 瀬戸さん:いい仕事をするために大切なことは、一人でやらないこと。

    特に舞台をやっているときにすごくそれを感じるんですよね。

    舞台って、最初は何にもない稽古場から始まって、そこに役者が入って稽古をして、少しずつ小道具が増えて、音響設備が入って。

    そこから今度は劇場に入ったら照明や美術が加わって、最後にお客さんが入って、やっと作品が完成する。

    そういう一つ一つの流れを見ていると思うんです、自分一人じゃ何もできないよなって。

    もちろんできることはありますよ。

    でも、一人でやれることには限界がある。だから、ちゃんと一緒に働く人たちと人間関係をつくって、みんなが気持ちよく働けるようにすることは大事だなって思います。

“早く行きたければ、一人で行け。遠くまで行きたければ、みんなで行け。”というのは、アフリカの有名なことわざ。仕事も同じだ。

立場の異なる者同士が連携を取り合うことで、一人では成し得ぬ効果が生まれる。瀬戸さんは20代前半で、そうした協働の重要性に気付いた。

けれど、撮影、舞台などは現場ごとに「遠く」を共に目指すメンバーが変わってしまう。毎回、新たな人間関係を築かなければいけないところで、瀬戸さんは何を大切にしてきたのだろうか。

【瀬戸康史】「自己開示が下手だった」20代からチームワークの30代へ。人生初の“育休パパ”を演じて感じたこと
(画像=『Woman type』より引用)
  • 瀬戸さん:嘘をつかないことですね。

    分からないことは「分からない」でいいし、分かってないのに「分かりました」とは言わないようにしています。

    あとは思ったことはちゃんと言う。

    それが相手と違う考えだったとしても、よほど変なことじゃない限り、ちゃんとみんな聞いてくれると思うので。

20代前半は、「自己開示が苦手だった」と打ち明けてくれた瀬戸さん。偽らず、誤魔化さず、自分をオープンにすることを心掛けてきたのは、他ならぬ自分のためでもあった。

  • 瀬戸さん:そうすることで、自分が現場にいやすくなるんですよね。

    人間関係が広がることもありがたいですが、まずは自分が『チームの一員だ』と感じられる環境を、自分からつくっていくことが僕にとっては大事なんです。

進まない「男の育休」。世の中のスタンダードを変えるきかっけに

そんな瀬戸さんが主演を務める最新作が、WOWOWオリジナルドラマ『男コピーライター、育休をとる。』だ。演じるのは、6カ月の育休を取得した新米パパという役どころ。

いまだに浸透しない男性育休、日本に蔓延する性別役割分業意識など、現代の社会課題を真っ向から描いた本作への出演を通じ、瀬戸さんも「たくさんの気付きを得た」という。

【瀬戸康史】「自己開示が下手だった」20代からチームワークの30代へ。人生初の“育休パパ”を演じて感じたこと
(画像=『Woman type』より引用)
  • 瀬戸さん:僕は育休に対して、夫婦仲も良くなるし、赤ちゃんとも一緒にいられるし、幸せなイメージしかなかったんですよ。

    それが演じてみて、こんなに大変なものかと思いました(笑)。子育ては全く思い通りにいかない。

    疑似体験でも、それを痛感しました。だからこそ、支え合っていくことが大切だとも気付きました。

育児休業制度が法制化されたのは1991年のこと。今年で30年になるが、男性の育休取得は遅々として進まず、厚生労働省の「雇用均等基本調査」によると、2019年度の育児休業取得率は男性の7.48%にとどまっている。

  • 瀬戸さん:僕にとっては、男性が育児参加するのは当たり前という感覚だったんですけど、世間の現状は全然違うんだなって感じますね。

    まだまだ世の中では、男性が育休を取得する場合ハードルがある。

    今回のドラマが、世の中のスタンダードを変えていくきっかけになればと思います。

    それに、さっき子育ては疑似体験でも辛いって話しましたけど、それ以上に幸せもある。

    子どもは元気に育ってくれているだけで儲けものなんだと、この作品は教えてくれました。

    育休は、そういう当たり前の幸せに気づくことができる大切な期間。

    だからこそ、いろいろな方にこの作品を見ていただいて、育休や子育てのこと、仕事と家庭の両立のことなど、一緒に考えてみてほしいです。