②『エンタの神様』枠ゆえの大いなるカン違い?

「ドラマではなく、『LIFE!』(NHK)のような女優や役者が演じる“コント番組”が始まると勘違いしてしまった」という声も業界内で多く耳に入りました。

 タイトルは言わずもがな、放映されている日テレの土曜22時といえば、一世を風靡(ふうび)した『エンタの神様』が放映されていた枠です。その後もバラエティ番組『嵐にしやがれ』と続きーー2017年からはドラマ枠になりましたが、その枠を印象付ける大ヒットドラマはいまだ生まれず、バラエティの印象が強い放送枠なのは否めません。

しかもドラマのメインビジュアルは、まさにコントの衣装のよう。登場人物たちのアルバイトの服装ということは内容を見ればわかりますが、5者5様の特徴的な衣装に「菅田さんや有村さんらキャストがみんなでコントする」と思ってしまうのも無理ないでしょう。

 SNSでは、『でっけぇ風呂場で待ってます』(日本テレビ系)や『ウレロ☆シリーズ』(テレビ東京系)などのような、シチュエーションコメディ(シットコム)だと思い込んでしまったという意見も見られました。シチュエーションコメディは、ホラーに次いで好き嫌いがはっきりしているジャンルです。当たり外れが大きく、「俳優さんがスベッているのを見るのが辛い」と、拒否反応を起こす人もいるようです。

 人気の俳優陣が幅広く揃っているにもかかわらず、注目度が低かったのはそういった要因もあったのでしょう。

③ お笑い芸人やフリーターの青春モノは共感を得づらかった?

 青春群像劇は「誰もが昔を思い出し、幅広く自分に投影できるもの」がウケやすいという現実があります。お笑いは身近な存在でありながらも、普通に生活する視聴者にとって共感できるかと言えば、決してそうではありません。

 筆者は以前、あるドラマプロデューサーから、「大学を舞台にした青春ものはヒットしにくい。なぜなら大学生活を経験していない人には身近なテーマではないから」と聞いたことがあります。このドラマのような、お笑い芸人とその周りのフリーターたちが都会で繰り広げる青春劇は、実際は少数派ゆえに刺さらない人が多いのかもしれません。

しかし、さまぁ~ずの三村さんや、ブラックマヨネーズの吉田さん、スピードワゴンの小沢さんなどお笑い関係者や業界関係者がSNSはじめ各所でこのドラマを絶賛しており、届いてほしい人には確実に届いていることが見受けられます。見る人を選ぶ設定だったことが、視聴率に繋がらなかった理由かもしれませんね。

 低視聴率ながらも、TVerの配信も好調で、今期No.1と推している視聴者も多い『コントが始まる』。話ごとのテーマがあり、1話完結ドラマとしても楽しめます。最終回に向けて物語も佳境に入ってきたこの作品。今から各種配信サイトで一気見するのもおススメです。

<文/小政りょう> 小政りょう 映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦

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