夫と友人が、同じ口調で否定した
ミズホさんが疑惑を抱いたのは、退院直前、カナさんがやってきたときだった。彼女はどことなくやつれていた。ミズホさんは心配したが、「親のことと仕事で疲れ切っちゃって。来るのが遅くなってごめんね」とカナさんは無理に明るく振る舞っているように見えたという。
そこへ夫がやってきた。その瞬間、親友と夫の視線がねっとり絡みつくように交わされたのをミズホさんは見逃さなかった。
「まさかと思いました。だけどあり得るかもしれないとも思った。退院後、夫を問いただしたら笑い飛ばされました。あるわけないだろって。でもその後、誰かはわからないけど私のSNSにメッセージがあったんです。『あなたの夫はカナと浮気してるよ、ずっと』って。
カナに電話をかけて聞いてみたら、『あるわけないでしょ』とやはり笑い飛ばしたんです。その言い方が、絶対に否定すると決めていたような感じで、夫が一蹴したときと同じ。ふたりで『絶対に否定しよう』と話あったのではないかと疑いました」