ヒントは既存製品「チュエル」
――いつ頃からクッキーでストローを作ろうと考えたのでしょうか?
世界的な環境課題となっている地球温暖化や、海洋でのマイクロプラスチックなどの社会的関心が高まる中で、海亀の鼻にストローが刺さった衝撃的な写真の報道がありました。その際、プラスチックストローがまるで悪者かのように取り上げられていました。その様な情勢の中、当社でも長年にわたり環境負荷低減活動に取り組んでおり、菓子メーカーの視点で貢献できないかとの発想から、2018年の夏頃に開発を始めました。
――なぜクッキーだったのですか?他のお菓子も候補にありましたか?
当初は、キャンデー、チョコレート、パスタ等で試作を行いましたが、思い描くようなストローとしての機能を発揮できず、また、食べられる品質とは程遠いものでした。検討を進めるなか、弊社商品で中が空洞になっているクッキー「チュエル」を利用できないかと考え試作検証を行ったところ、当初思い描いた「食べられるストロー」としての仕様が実現できました。
――「クッキー=湿気ってしまいそう」というイメージがありますが、大丈夫なのですか?
開発段階では、ストローとしての「長い生地の製法」と、「耐水性を持たせる事」に注力して検証を行いました。耐水性を持たせるために、チョコレート掛けやキャラメルコートなどを行いましたが、飲み物自体の味が変わってしまうなどの問題が生じてしまい、何度も失敗。試行錯誤を経てたどり着いたのが、「食用油脂によるコーティング」でした。
クッキーはバターやマーガリンなどの油脂を使って作るものですから消費者の皆様にも安心いただけますし、味への影響も少なくできます。油脂の選定には、何度も検証を重ね、口当たりやメニューの味を損ねないものを選びました。
あとは、ストローの機能として必要な耐水時間。すぐに柔らかくなってしまうといけませんから、20~25分間はストローとして利用できるよう、さらに検証を重ね、ようやく納得のいくクッキーを実現できました。
一般向けにも売ってほしい!「前向きに検討」とか
――私も実際に試してみて感動しました。一般向け販売の予定は?
ありがとうございます。製法については特許申請中で、量産化に向けて体制を整えつつあります。お客様からは「本当に吸えた」「飲み物を飲み終えるまでに食べてしまう」「食べても美味しい!」など評価をいただいています。
また、「お菓子メーカーならではの、楽しく、ユニークな発想」として「グッドデザイン賞2020」を受賞いたしました。現在は業務用飲食店ルート向けの商品となっていますが、今後の商品展開としては、より多くのお客様に利用いただけるよう、一般発売に向けて前向きに検討を進めています。
――このコロネクッキー、長さや彩色などのアレンジにも可能性を有しているそうで、カラフルなストロークッキーが気軽に変えるようになったら、本当に夢のようですよね。
今後も「品質保証第一主義」に則り、“食”を通じて豊かな生活と健康への寄与など皆様の幸せな生活に深く関わるとともに、この考えをさらに推し進め環境保全を含めた“心と体の健康づくり”をテーマに、持続可能な未来社会をデザインしていく健康増進総合支援企業として、社会の一員として役割と責務を果たしながら、持続可能な開発目標であるSDGsの課題達成と社会への貢献を目指していきたいと思います。
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私たちは1年以上、コロナ禍のストレスフルな生活が続いていますが、幸せな生活に深く関わりながら、“心の健康”にも貢献意思があること。これを有言実行しようとしているブルボンの姿勢に、強く勇気づけられたような気がしています。
<取材・文・撮影(一部)/スギアカツキ> スギアカツキ 食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
提供・女子SPA!
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