出身校を尋ねると、京都大学や東京外国語大学、筑波大学とそろって高学歴。前職も、誰もが知る金融機関や有名メーカーなど大手企業ばかり。

そんな華々しい経歴を持つ女性たちが働くのは、事業承継コンサルティングを手掛けるオーナーシップ株式会社だ。

元信託銀行のプライベートバンカーであり、著書や講演などで広くその名を知られる平田統久さんが3年前に設立した同社では、現在10名の女性が活躍している。

創業から間もなく、決して規模も大きくはない。なぜ大企業を辞めた彼女たちは、ネクストキャリアのステージに同社を選んだのか。

率直な疑問をぶつけたところ、見えてきたのは、彼女たちの「学び」に対する意欲の高さと、それに応えるオーナーシップ社ならではの成長環境だった。

転職先に求めた、仕事と学びの両立

大企業を辞め転職する女性の本音とは?京大・早大・筑波大など高学歴が集まる設立3年のコンサルティング企業の正体
(画像=(写真左から)
田中彩恵さん 筑波大学卒。Web広告代理店の企画営業を経て、2020年5月に入社
渡邊桃子さん 東京外国語大学卒。大手クレジットカード関連企業を経て、2019年10月に入社
岡田真理花さん 京都大学卒。大手電機メーカーの法人営業を経て、2020年12月に入社、『Woman type』より引用)

2019年に入社した渡邊桃子さんは、東京外国語大学を卒業後、大手クレジットカード会社に就職。国内営業部でアシスタント業務をしていたが、体調を崩したことをきっかけに転職を考え始めた。

次第に「将来は税理士か会計士になりたい」と思うようになったと、当時を振り返る。

「もともと勉強が好きで、中でも数学が得意でした。士業は、勉強し続けることが仕事の一つ。自分が学ぶことでお客さまの役に立てる、そんな仕事がしたいと思い、税理士か会計士を目指すことにしました」(渡邊さん)

胸に抱いた目標を転職エージェントに打ち明けたところ、紹介されたのがオーナーシップだった。

事業承継コンサルティングには税務や簿記に関する知識が必要となるため、税理士資格の取得が推奨されていた。しかも、資格取得のための学費支援などのサポートも用意されている。渡邊さんが思い描くキャリアを実現するには、最適な環境だった。

とはいえ、前職は国内有数の大手企業。安定を手放すことに不安はなかったのか。そう尋ねると、「むしろ『大手で働くことはもうないな』と思っていました」と意外な答えが返ってきた。

大企業を辞め転職する女性の本音とは?京大・早大・筑波大など高学歴が集まる設立3年のコンサルティング企業の正体
(画像=『Woman type』より引用)

「前職は規模が大きかったため、組織運営が縦割り型になっていると感じていました。本来なら同じ目標に向かって頑張る仲間のはずなのですが、『部署間の交渉が大変』とこぼす先輩も多く、見ていてつらい気持ちになることもあって。なので、次は中小規模で、全員が同じ方向を向いて仕事ができる職場にしようと決めていたのです」(渡邊さん)

昨年入社した岡田真理花さんも、「働きながら勉強できる環境」に魅力を感じてオーナーシップへの転職を決めた一人。京都大学を卒業し、大手電機メーカーで法人営業をしていたが、「もっと専門的な知識やスキルを身に付けたい」と考えるようになったという。

「経理関係の仕事がしたいと思い、転職活動を始めました。大学時代に簿記を学んだ経験があったことと、父が経理の仕事をしていたこともあって、以前から興味のある分野でした」(岡田さん)

オーナーシップの社員は、働きながら簿記や税理士資格の勉強に取り組んでいる。それを知り、「こんな会社は他にない」と入社を決めた。

さらに、渡邊さん同様、大手企業を辞めて転職することに迷いはなかったという。

大企業を辞め転職する女性の本音とは?京大・早大・筑波大など高学歴が集まる設立3年のコンサルティング企業の正体
(画像=『Woman type』より引用)

「前職では、福利厚生面は充実していました。当社の場合はこれから制度を整えていくフェーズです。そういった違いはありますが、面接の時に代表が『必要な制度は、話し合いながら一緒につくっていこう』と話してくださって。ここでなら、ライフステージごとに理想の働き方が実現できると思いました」(岡田さん)

同じく昨年入社した田中彩恵さんも、「勉強は好きですね」と笑顔を見せる。

筑波大学を卒業後、Web広告の代理店で企画営業をしていた田中さんだが、渡邊さんと同じく体調を崩して転職を決意。まずは自身の強みをつくろうと、簿記の勉強を始めた。

「前職では営業として働いていましたが、自分が前に出て行くよりも誰かをサポートする仕事の方が性格的に向いていると感じて、秘書や経理職の求人を探しました。『手に職』を磨いて、誰かの役に立ちたいと思ったのです」(田中さん)

大企業を辞め転職する女性の本音とは?京大・早大・筑波大など高学歴が集まる設立3年のコンサルティング企業の正体
(画像=『Woman type』より引用)

複数社の面接に足を運んだが、「オーナーシップはまさに求めていた職場だと思った」と田中さんは言う。志を同じくする同世代の同僚とともに、“職人”のように一つの分野で専門性を深めていくキャリアパスに魅力を感じたのだという。

時間、費用、機会のサポートを活用し、プロフェッショナル人材を目指す

オーナーシップの社員の主な仕事は、代表とクライアントの会議への同行や、コンサルティングに必要な資料の作成。事業承継コンサルティングで担うのは、クライアントの命運を左右する重大な案件ばかりだ。事業を誰に引き継ぐべきか、あるいは他社に売却すべきか、売却するとしたらどの企業が最適か――。

書類を一枚作るにも、税務や会計、法務など、企業経営に関する幅広い知識が必要となる。だからこそオーナーシップでは、社員が各分野の専門家から直接指導を受けられる場が設けられているそうだ。

大企業を辞め転職する女性の本音とは?京大・早大・筑波大など高学歴が集まる設立3年のコンサルティング企業の正体
(画像=『Woman type』より引用)

「月に数回勉強会があり、税理士や弁護士の先生を講師に迎えて社員全員で講義を受けます。私はまだ入社してからの経験も浅いので、初めて知ることも多く楽しいです」(岡田さん)

「勉強会で行われるのは、主にケーススタディーです。具体的な案件を想定し、『この場合はどのような税務処理が必要か』『どんなリスクが考えられるか』といった問いを全員で考えます。それに対する講師や代表の解説を聞き、学びを深めていくのです」(渡邊さん)

社外から専門家を招いて、業務時間を活用して質の高い学びの場をつくる。同社が社員教育にかける本気度が伝わってくる。

しかし、それだけではない。資格取得を目指す社員には、仕事と勉強を両立しやすいようにきめ細やかなサポートが用意されている。

「私と渡邊さんは税理士資格の取得に向けて、週2回、専門学校に通っています。残業がほとんどないので平日でも通いやすい上に、通学の日は早退も可能なので助かりますね」(田中さん)

大企業を辞め転職する女性の本音とは?京大・早大・筑波大など高学歴が集まる設立3年のコンサルティング企業の正体
(画像=『Woman type』より引用)

専門学校や通信教育にかかる学費は会社から補助が出るので、金銭的な不安もない。この会社では、仕事をしながら勉強にも集中できる環境が整備されている。岡田さんも、現在ファイナンシャル・プランナー資格を取得するため勉強中。5月からは税理士資格の勉強も通信教育で始める予定だ。

業務内容についても、本人が学びたい領域や方向性に合わせて、柔軟な対応がなされている。渡邊さんに聞くと、彼女は昨年9月から今年4月まで、税理士事務所に出向していたと語る。

「税務について学ぶうちに、税理士の業務への興味が高まっていって。代表に相談したら、知り合いの税理士法人で働けるように手配してくれました。社員が身に付けたいスキルや経験に応じて、一人一人に合ったキャリアパスが用意される点は、大手企業にはない魅力だと思います」(渡邊さん)

業務は発見の宝庫。経営のプロから学び専門性を高める

事業承継コンサルティングのクライアントは、主に企業経営者。他の仕事ではなかなか出会えないような人物とも、日常的に接することになる。

大企業を辞め転職する女性の本音とは?京大・早大・筑波大など高学歴が集まる設立3年のコンサルティング企業の正体
(画像=『Woman type』より引用)

「社長に同行していると分かるのですが、単に事業承継の手法をアドバイスするだけでなく、『会社をより良くする術は何か』『会社で働く人たちを幸せにするにはどうすればいいか』など、お客さまにとって最善の方法を、トータルな視点から提案することが必要です」(渡邊さん)

「テキストで税理士資格の勉強をしているだけでは分からないことを、普段の業務の中で学びます。勉強して得た知識でどのようにお客さまのために役立てるのか。実践の場で見られるので、理解度がまるで違いますね」(岡田さん)

オーナーシップでは社員同士で学び合うカルチャーも根付いている。

大企業を辞め転職する女性の本音とは?京大・早大・筑波大など高学歴が集まる設立3年のコンサルティング企業の正体
(画像=『Woman type』より引用)

「前職では分からないことがあっても、上司や先輩になかなか相談できなくて。以前の私は、人に頼るのが苦手なタイプでした。ですが、今の職場は同じように学び、仕事に取り組んでいる仲間ばかりなので、困ったことがあれば他の人に遠慮なく相談できます」(田中さん)

「疑問に思ったことを『ま、いっか』と流すのではなく、質問すべき相手に確認するのはとても大事。代表や仲間に聞いてもいいですし、必要なら税理士や弁護士の先生に質問して、積極的に理解しようとする姿勢が求められていると感じます」(渡邊さん)