女性が長く働くことは当たり前になったものの、まだまだ女性の進出が遅れている職種もある。例えば、エンジニアがその一つだ。圧倒的に男性が多い環境で、「このまま働き続けられるのか」と悩む女性もいる。どうすれば、女性の「長く働く」は実現できるのだろうか? Web、SI、コンサル、それぞれの業界で活躍する現役エンジニア3名に話を聞いた。

「何でもやってみる」その心意気が未来を変える! 女性エンジニアが“長く働く”を実現する方法
(画像=写真左:株式会社サイバーエージェント
大泉 明日香さん
2016年9月に入社。前職からWebのフロントエンドエンジニアを経験し、現在は『AbemaTV』のフロントエンドチームのリーダーとして活躍
写真中央:Sky株式会社
川井美樹さん
2017年10月入社。前職は地方のIT企業。Sky入社後は、モバイル系開発エンジニアとして、Web開発やアンドロイドアプリ開発に携わる
写真右:アクセンチュア株式会社
楊 姝碧さん
2018年3月入社。前職は日系のSIer。現在はSEとして、保険会社をクライアントとするプロジェクトに参画、『Woman type』より引用)

いつまでコードが書ける?
将来のキャリアは共通の悩み

————皆さんは現在の会社に中途入社されていますが、転職のきっかけを教えていただけますか?

大泉さん(以下、敬称略):前職の会社では、フロントエンドエンジニアとしてグループウェア開発に4年半ほど携わっていましたが、同じサービスを延々と作り続けるより、新しいサービスにチャレンジしたいと思ったのが転職を考えたきっかけです。前職は小規模な会社で手掛けるサービスも限られていたので、次はいろいろなサービス開発に携われる会社で働きたかったことと、大きな組織で自分の実力を試してみたいという思いから、サイバーエージェントを選びました。現在はサイバーエージェントが運営する『AbemaTV』のWeb開発チームのリーダーを務めています。

川井さん(以下、敬称略):前職は地方のIT企業で働いていたのですが、地域密着型の会社で、手掛けるのも市役所など公共団体系の業務開発が中心でした。こうした案件では、新しくシステムを作ることはほとんどなく、保守・運用の連続なんです。それで「このままでは成長できない」と気付き、転職を考えました。Skyを選んだ理由は、業務系からモバイル系、パッケージ開発まで業務の幅が広かったこと。私はモバイル系のエンジニアとして採用されましたが、万が一その仕事が合わなかったとしても、社内で他のキャリアに転換できる選択肢があるのは魅力でした。

楊さん(以下、敬称略):私は新卒で日系のSIerに入社し、SEとしてメガバンクのグローバル系システム開発や保守・運用を担当していました。その中で入社当時から扱っていたパッケージに魅力を感じていたのですが、残念ながらそれを扱う案件がなくなってしまったのです。でも私は「絶対にこれをやりたい!」と思っていたので、業種は問わず、そのパッケージを扱うことができる会社に転職しようと考えました。アクセンチュアに最終的に入社を決めたのは、世界各国に拠点を持っていることが大きかったです。私は中国出身で現在は日本で働いていますが、将来は別の国でも働いてみたいという気持ちがあるので、その選択肢が用意されているのは魅力的でした。

————エンジニアとして働き始めてから、仕事やキャリアについて悩んだことはありますか?

「何でもやってみる」その心意気が未来を変える! 女性エンジニアが“長く働く”を実現する方法
(画像=『Woman type』より引用)

大泉:「いつまでエンジニアを続けられるのだろうか」ということは考えますね。前職で当時の上司が「30代後半になるとコードを書けなくなるぞ」と言っていたんです。私も30代になったので、その言葉を思い出して不安になることはあります。だから最近はエンジニアの業務以外に、採用をやったり、チームのリーダーとしてマネジメントを任せてもらったりして、「自分はこの仕事もできるだろうか」と将来のキャリアを考える機会を進んでつくるようにしています。

楊:私の周囲でも30代になると現場を離れてマネジメントに専念するケースが多いのですが、私はコードを書くのが大好きなので、今はまだ将来のキャリアを迷っています。ただアクセンチュアでは、上司がキャリアプランの相談にもしっかり乗ってくれますし、「マネジメントに比重を置く道も、エンジニアとして現場で手を動かし続ける道も用意されているので、どちらでも選べますよ」と言ってくれるので、とても心強いです。

川井:前職では、女性エンジニアだからという理由でやりたい仕事を任せてもらえないことがあり、当時はそれが悩みでした。地方の小さな会社だからかもしれませんが、周囲も「そのうち結婚・出産して、辞めるんでしょ」という空気があったんです。その点、Skyでは、上長と「今後何をやっていきたいか」を話し合う場を頻繁に設けてもらえるので、前職のような悩みはなくなりました。男女で任せてもらえる仕事も全く変わらないので、成長機会も豊富にあります。

語学を学ぶ感覚でコードに触れる
その気軽さが女性エンジニアを増やす

————今後、どうすれば女性エンジニアが増えていくと思われますか?

大泉:人数を増やすなら、企業が未経験者を採用して育成していくことができると良いですよね。そもそも大学で理系に進む女性の数が少ないですから、IT関連やプログラミングを学んだ人だけを新卒で採用していたら、女性エンジニアは増えません。だから採用の時点で、もっと門戸を広げられれば、可能性は広がると思います。企業が文系の学生を対象とした「未経験インターン」に力を入れるのもいいと思います。私は文系出身ですが、理系でなければエンジニアの適性がないとは全く思いません。

川井・楊:私も文系です!

大泉:私としては、プログラミングは「新しい言語を学ぶ」くらいの感覚なので、むしろ文系で英語が好きだった人なんかはエンジニアに向いていると思いますよ。

「何でもやってみる」その心意気が未来を変える! 女性エンジニアが“長く働く”を実現する方法
(画像=『Woman type』より引用)

川井:「未経験だからダメ」と最初から線を引くのではなく、女性たちが「とりあえず試してみようかな」と気軽な感じでエンジニアを目指せる環境を企業がつくっていけるといいですね。

楊:私の周囲にいる同年代の女性たちも、「自分はプログラミングなんてできない」と言う人が多いのですが、それは「女性はエンジニアに向いていない」という先入観があるだけだと思います。だからもっとITやテクノロジーのカッコ良さを若い人たちに伝えて、「自分もあんな風になりたい」と憧れるような仕事になればいいですね。私も大学は文系でしたが、経済専攻で統計データの作成などにプログラミングを活用していたんです。その時、自分が書いたコードが動くのが面白くて、就職でもITの世界を選びました。私のように少しでもITやプログラミングの面白さに触れる機会があれば、女性ももっとエンジニアの仕事に興味を持つのではないでしょうか。