「経営者に聞く!変化を追い風にする企業の過去/現在/未来」イベント第二弾。

今回はソフトウェアの力でAI/IoTの世界に破壊的イノベーションを起こした、Idein代表・中村晃一さんと、さくらインターネット代表・田中邦裕との対談が実現。

エッジコンピューティングの技術は社会に何をもたらすのか、自社のビジネスにおいて意識しているキーワードについて、おふたりに語ってもらいました。

AI、IoTが溶け込む社会への挑戦 Idein中村社長✕さくら田中対談
(画像=『さくマガ』より引用)

中村 晃一さん

Idein株式会社 代表取締役社長。2015年に東京大学大学院情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻後期博士課程を中退し、Idein株式会社を創業。 「実世界のあらゆる情報をソフトウェアで扱えるようにする」をミッションに掲げ、画像や音声等の解析技術を用いてこれまで得ることが難しかったデータを手軽に大規模に収集・活用できるようにするプラットフォーム「Actcast」事業をおこなう。

AI、IoTが溶け込む社会への挑戦 Idein中村社長✕さくら田中対談
(画像=『さくマガ』より引用)

田中 邦裕

さくらインターネット株式会社 代表取締役社長。1996年に国立舞鶴工業高等専門学校在学中にさくらインターネットを創業、レンタルサーバ事業を開始。1999年にはさくらインターネット株式会社を設立し、月額129円から始められる低価格レンタルサーバ「さくらのレンタルサーバ」の開発に自ら関わる。その後、最高執行責任者などを歴任し、2007年より現職。インターネット業界発展のため、各種団体に理事や委員として多数参画。

Idein株式会社の紹介

中村 晃一さん(以下、中村):Idein(イデイン)は2015年に創業されたスタートアップ企業です。私たちのミッションは「実世界のあらゆる情報をソフトウェアで扱えるようにする」。社名の由来ですが、ギリシャ語で「アイデア」の語源になった言葉からです。世界中のソフトウェアデベロッパーのやりたいこと、アイデアを実現できる会社にしたくて、この社名にしました。

具体的なプロダクトを紹介します。Ideinでは「Actcast(アクトキャスト)」という開発者向けプラットフォームサービス(PaaS※)を提供しています。

※PaaS・・・Platform as a Service

AI、IoTが溶け込む社会への挑戦 Idein中村社長✕さくら田中対談
(画像=『さくマガ』より引用)

Actcastを使っていただくと、エッジコンピューティングによって高度なAI解析を利用したIoTシステムが、手軽に安価に構築可能です。

AI、IoTが溶け込む社会への挑戦 Idein中村社長✕さくら田中対談
(画像=『さくマガ』より引用)

たとえばコンビニやスーパーなどで、お客さまの年齢・性別・マスクの着用などの属性情報の収集や、デジタルサイネージの視聴率の計測で利用されています。これまで見られなかった物理世界の情報を、データとして見られるわけです。

AIをテーマにしている会社も多いですが、私たちは他社と比べて何が違うのか。いくつかご紹介します。

【Idein株式会社の強み】

  • エッジデバイスでデータを収集、変換して活用できる
  • プライバシーの配慮
  • ランニングコストの削減
  • マーケットプレイス&遠隔・大量運用
  • 安価の汎用デバイスでAIを動かす

これまでに自社が世界や市場を変えたと感じることはありますか?

中村:Ideinはスタートアップ企業でまだまだ小さいため、世界を変えたというのはおこがましいフェーズです。Actcastをローンチして、まだ1年ほどですから。ただ、この1年でも状況はとても変わっています。

ディープラーニングやAIがブームになり、現在は落ち着いている段階です。これが少しずつビジネスユースに変わってきています。

当社を採用していただけるお客さまは、別の会社で一度AIの活用をトライしていて、コストなどの理由で断念しているケースが多いです。断念したものを当社のプラットフォーム上で実現しています。

アイデアはすでにあっても、それを支えるインフラなどが必要になります。良いAIサービスがあっても、多くの人が使えるわけではないんです。そうしたサービスを拡大するためのお手伝いをしています。数年後には、Ideinが世界を変えたと言われるようにしたいです。

田中 邦裕(以下、田中):Ideinさんがすばらしいのは、コスト面です。通常はディープラーニングだと数十万円する高価なサーバーが必要になるのですが、数千円程度のRaspberry Piなどを活用できるので、二桁安くなりますよね。

中村:ありがとうございます。コストにも関連しますが、AIを運用して維持するのは難易度が高いんです。

昨年、Actcastをローンチした直後に新型コロナが流行しました。

お客さまが一斉にマスクをしたので、認識できるはずの年齢も性別もわからなくなってしまいました。そこで、あとからマスク着用に考慮したアプリをアップデートしたんです。

Ideinはソフトウェアの会社なので、お客さまのやりたいことが変化することに対応する仕組みを事前に作っていました。年数かけてしっかり作り込んでいたので、これが武器になりましたね。

田中:まさにアップデートは重要です。ソフトウェアだと、あとからアップデートができるから良いですね。まさにIdeinさんのミッション「実世界のあらゆる情報をソフトウェアで扱えるようにする」につながります。安価なハードウェアがソフトウェアによってバリューアップされるので、ビジネス的にも可能性を感じます。

中村:ミッションのほかに、ビジョンとして「世界をソフトウェア化する」というものを掲げています。ソフトウェアでできることを増やしたい、ソフトウェアが活躍できる場を広げたい。それが創業初期からのモチベーションです

田中:Ideinさんのミッションやビジョンと似ていると思うのですが、さくらインターネットの社是は「やりたいことをできるに変える」です。インターネットで挑戦するすべての人を応援しているんですね。単なるハードウェアではなく、ソフトウェアが中心になってインターネットとつながっていることで、これまでできなかったことが、できるようになるのが重要です。

ソフトウェアは、作ったらそのままにして更新されないケースが多いですよね。ソフトウェアという名前のわりには柔らかくないんです。Ideinさんがやっている、ソフトウェアによってハードウェアをバリューアップすることは、まさにソフトウェアとインターネットによって変えられた世界ですね。