若い頃は納得した仕事をしていなかった

僕の若い頃は最悪レベルに自分の仕事が出来ていなかった。終わらせることが目的になっていて、得られたものはほとんどなかった。若い頃(30才まで)は今よりもずっと仕事を納得する形で終えられなかった。新人の頃はほぼ出来ていなかった。

与えられた仕事に対して、上司や先輩から教わった方法に対して「おかしい」「非効率だ」と違和感を覚えても、遠慮と忖度で従っていた。新人が反論してはいけないのが当たり前の時代だった。

営業職なので、数キロ四方に区切られたエリアをあてられ、アポなしで絨毯爆撃のようにエリア内にある建物に片っ端から突撃して名刺を配るということを連日やらされた。絨毯爆撃作戦自体、非効率の極みのアホだった。

せめて、そのアホ作戦を遂行するのなら、エリア内をリサーチして対象を限定して攻めるような「作戦」を立ててもいいのでは?と思っていた。だが、その意見を口にすることはなかった。

上司や先輩たちの「俺たちはこれをやって一人前になった」という謎の自負を前に何も言えず、彼らの言うことに従ってただ闇雲に名刺を配った。もちろんそれによって得たものは、「アポなしで来られても…」というヒンシュクと筋肉痛だけであった。

自分の直感を信じてみる

若い頃はこうした非効率な仕事の進め方に対して「自分ならこうやるのに…」という意見を言わずに(面倒くさかった)、納得して終えられた仕事はなかったように思う。今、20代30代の人たちはどうだろう?会社員のような組織で働く人なら僕と同じように上司先輩に対する遠慮や忖度から、フリーランスで働く人たちならクライアントからの要望や諸条件による妥協などから、すべての仕事を自分の納得した仕事として終えられている人はそれほどいないのではないか。

「このほうがいいのに…」と思っても上記の理由から仕事に取り入れずに終えてしまう。それはとてももったいないことだ。あなたたちの「こうしたほうがいいのに」という直感はだいたい正しい。

振り返ってみると、僕が若いころ、上司先輩たちに対して覚えていた違和感や仕事の改善案は、おおむね正しかった。

たとえば、営業マンがいちいち会社に出社して朝礼をやってから営業先に出かけていくような古い働き方をするなかで、「必要最低限に出社をおさえて、その時間と労力を営業活動に向けたほうが効果を出しやすい」という考えは、完全に正しかった。

だから、「こうしたほうがいい」という改善案や新しい方法がひらめいたら、その直感を信じて、仕事に取り入れてもらいたい。その結果、シンエヴァの制作現場のように、うまくいかなくてやり直すことになるかもしれない。進捗が遅れて納期にビクビクするかもしれない。

だが、そうやって自分なりの新しさを仕事に入れて、納得しながら前に進むことが、仕事をやり終えたという経験になる。もちろん、すべての仕事でチャレンジをするのは現実的でない。

状況判断をしっかりして計画的に新しい試みを取り入れていこう。仕事を終わらせる。納得して終わらせるとは、自分の経験になる終わらせ方をするということなのだ。

まとめ

「シン・エヴァンゲリオン」と「プロフェッショナル 仕事の流儀 庵野秀明スペシャル」から学ぶ仕事の意味
(画像=『さくマガ』より引用)

「シンエヴァ」と庵野監督の仕事から、単に終わらせることの大事さではなく、納得して自分の経験にして仕事を終わらせることの大切さを教えられた。深く考えてどれだけ力を入れても完璧なものにはならない。妥協や限界はある。

だが、完璧なものを目指さないかぎりは、納得も満足も得られない、許せない。モヤモヤすることだってある。そういったジレンマの中で目の前にある仕事をやっていく。終わらせていく。そうやって自分の納得のいく仕事をして、そこから何かを得て、それが世の中に少しでも役に立っていることが、仕事というものだろう。

「プロフェッショナル」の最後で庵野監督は、プロフェッショナルという番組名に「他のタイトルにしてもらいたかった」といちゃもんをつけていた。それは「安易にプロを名乗ってはいけないよ」というメッセージに思えてならなかった。まさかエヴァンゲリオンから自分の仕事の在り方について考えさせられるとは…。

ありがとう、全てのエヴァンゲリオン!


提供・さくマガ(「やりたいこと」を「できる」に変えるWEBマガジン)

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