相続税対策として不動産物件の売買を考えるとき、物件を売るタイミングを間違えると追徴課税が発生する可能性があります。「節税」と「租税回避」の違いを見ながら、事例を交えてそのリスクを考えてみましょう。

相続後すぐの売却は「租税回避」になる恐れが

相続後すぐに投資用マンションを売却すると「租税回避」とみなされる恐れがあります。租税回避行為とは、税法で想定外の一般的ではない方法によって、本来課税されるべき課税額を回避または減額させようとする行為を指します。

投資物件の売買において、租税回避とみなされる要件としては、「マンションの購入日と相続の発生が近いこと」「相続発生後すぐに売却していること」の2つが挙げられます。過去に起きたいわゆる「タワマン(タワーマンション)節税」の認定では2つの要件に当てはまったために、否認されたという事例があります。

このケースでは、相続人が被相続人の死亡する直前に被相続人名義のマンションを2億9,300万円で購入し、死亡後に登記完了した上で相続税を5,802万円で申告。死亡して10カ月後に2億8,500万円で売却しました。そのため、路線価(公示価格の80%が目安)と売却価格に著しい乖離があるとされ、採決で購入価格と同じ2億9,300万円との評価が下されたのです。

相続したマンションを売却したい場合は、上記2つの要件に当てはまらないように、すぐに売ることは避け、ある程度の期間をおくようにしましょう。

路線価と実勢価格がかけ離れていると問題に

もう一つ問題になった事例があります。路線価による評価額を基に行った相続税の申告に対し、「相続財産の評価は不適切」とする判決が2019年8月に東京地方裁判所で出されました。

このケースでは、相続人らが13億8,700万円で購入した2棟のマンションを、路線価を基に3億3,000万円と評価しました。銀行借り入れもあったため、相続税をゼロとして申告したのです。これに対し国税庁は不動産鑑定を基に12億7,300万円と評価額を「路線価の約4倍」としました。その結果、相続人らに合計約3億円の追徴課税処分を行い、相続人らが不服として提訴していました。

節税のために路線価で申告するのは問題ありませんが、実勢価格とあまりにもかけ離れた額の場合は、「租税回避」とみなされる恐れがあるので、申告する前に共同相続人で実勢価格と比較した上で慎重に検討することが大事です。

提供・ANA Financial Journal

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